鳥取県情報公開審議会の会議録が公開されています。先日の答申に係る審議会の議事録や委員を知りたい方は以下をご覧ください。
平成18年度第4回鳥取県情報公開審議会会議録(平成19年03月06日)
平成19年度第1回鳥取県情報公開審議会会議録(平成19年04月05日)
おおよその流れは以下のとおりです。
委員: (企業連の会員企業名を出した場合、当該法人が不利益を受ける)おそれについて、具体的な事例を挙げての説明が必要
↓
事務局: (企業連や管理課から)法人が受けた具体的な不利益、従業員が受けた不利益の事例を提出してもらうことも可能
↓(翌月の審議会)
事務局: (企業連や管理課から)法人の不利益について具体的な事例は出ていない
↓
委員: この問題は、同和問題としてとらえる必要がある。部落差別の事象は依然として発生している
委員: 差別事象は日常具体的に目にすることはないが、意識の面で残っている
委員: 政策的な判断というのも分かるので、結論として非開示はやむを得ない
委員: 結論は非開示として、事務局に案を作成してもらいたい
差別はあるという結論を出すのなら、何のために企業連に聞き取りをしたのか不明ですが、「これは同和問題」ということで、例によって同和対策の恩恵を被る側が有利になるように「柔軟に」法が解釈されたようです。
ただ、当初の管理課の説明と食い違い、企業連の研修の受講者名簿が同和地区だけでなく地区住民まで特定できるような情報であることは認めているので、これを受けて「県民の声」以下のような質問を送りました。
・鳥取県情報公開審議会の答申後も受講者名簿が個人情報保護条例施行規則の「同和地区の出身であることに関する情報」には抵触しないという判断に変わりはないか
・私が企業連の所属企業名の情報を県内の建設業者などから取得することに違法性はないか
・以前、仮に私が企業連の所属企業を公開することについて「その企業の権利利益を不当に害するおそれがありますので許されない」としていたが、個人情報保護条例に反しないのであれば、公開が許されない根拠は何か
鳥取県情報公開審議会会議録
鳥取県情報公開審議会答申 part2
以下、鳥取県情報公開審議会答申の全文です。
答申第19-1号
平成19年5月7日
第1 審議会の結論
「部落解放鳥取県企業連合会による加点研修の実績報告書、受講者名簿」(以下「本件公文書」という。)について鳥取県知事(以下「実施機関」という。)が行った公文書部分開示決定処分については、妥当であると判断する。
第2 審査請求に至る経緯
平成18年10月25日 公文書開示請求
11月29日 公文書部分開示決定通知
19年 1月16日 行政不服審査法第14条の規定による異議申立
第3 実施機関の部分開示決定理由
鳥取県情報公開条例(以下「条例」という。)第9条第2項第2号(個人情報)に該当するため。
受講者の所属については、上記理由に併せて、条例第9条第2項第3号ア(法人不利益情報)に該当するため。
第4 異議申立人の主張
異議申立人の主張は、異議申立書、意見書によると概ね以下のとおりである。
部落解放鳥取県企業連合会(以下「企業連」という。)による加点研修の実績報告書の受講者の所属について開示を求める。
(1)公共工事入札資格者の格付けの点数に係る加点について、部落解放鳥取県企業連合会による加点研修により加点を受けた企業(受講者所属)名のみ公表されないのは、著しく不公正である。
(2)企業連から会員企業の受講者名簿を取得するという行為が、個人情報保護条例で禁止されている同和地区出身者の情報の収集に当たる可能性があるのではないかとの県民の声に対し、県は「部落解放鳥取県企業連合会」は同和地区の事業者で組織する任意団体で、加点研修には同事業者の役員や従業員が参加し、受講するが、そのことから直接受講者が同和地区の出身であるかどうかはわからないと回答しているが、鳥取市などの説明等と矛盾する。企業連会員企業の役員や従業員の情報を収集することは同和地区住民の情報を収集するのと同等以上の確度がある。
(3)事実上同和地区出身者を特定する情報が収集されているのであれば、鳥取県個人情報保護条例違反である。
(4)実施機関は受講者所属の非開示理由として「電話帳など他の情報と組み合わせることにより所在地等が判明し同和地区の特定につながる」としているが、他の情報と組み合わせて同和地区産特定するような行為をするかどうかは見る人のモラルの問題である。
(5)同和地区が特定されることが問題なのであれば、県立公文書館や県立図書館の郷土資料室で閲覧できる書類でも同和地区の特定は可能である。入札制度が公正に運用されていることを検証するために同和地区が推測される資料の開示を拒むことは不当である。
(6)受講者所属を開示することによる害される「当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益」について明確な説明を求める。
(7)実施機関は「同和地区の企業と言うことが公開されることにより、取引等において相手先から不利益な扱いを受ける等のおそれがないとはいえない。」としているが、それこそ根拠のない思いこみである。全国的にも同和地区の企業という理由で不利益を受けたことが問題になった事例は自分が把握する限りない。
第5 実施機関の主張
実施機関の主張は、理由説明書及び意見陳述によると、概ね以下のとおりである。
(1)受講者所属事業者を非開示とした根拠は、当該事業者を公開し、同事業者が同和地区の企業であることが公になることにより、その正当な利益が害されるおそれがあるため及び当該事業者を公開すると、電話帳等他の情報と組み合わせることによりその所在地等が判明し同和地区の特定につながるなど、個人の権利利益を不当に侵害するおそれがあるためであり、当該非開示情報は同和地区出身者を直接特定する個人情報として非開示としたものではない。
(2)「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」は平成14年3月31日をもって失効したが、部落差別が完全になくなったとは言えない現状であり、同和地区の企業ということが公開されることにより、取引等において相手先から不利益な扱いを受ける等のおそれがないとは言えない。
(3)県民の声に対する回答の趣旨は、鳥取県個人情報保護条例で収集が制限されているのは、同和地区の出身かどうかという事実の有無(見なされるかどうかではない)に関する情報であり、出席者名簿では当該事実の有無は確認できないため、当該収集は同条例に抵触するものではない、というものである。
第6 本件異議申立て審議の経過
平成19年 1月26日 諮問書の受理
2月 9日 実施機関から理由説明書提出
2月26日 異議申立者から意見書提出
3月 6日 実施機関の意見陳述・審議
4月 5日 審議
第7 審議会の判断
(1)本件公文書について
本件公文書は、「部落解放鳥取県企業連合会による加点研修の実績報告書、受講者名簿」である。当該文書は鳥取県が建設業者指名選定に当たり、その選定基準となる採点に対する加点項目の一つである「同和問題解決への積極的な取り組み」を実施した届出(報告)として、部落解放鳥取県企業連合会から鳥取県に対して提出されたものであり、受講者の氏名、役職、合否、所属等が記録されている。
申立人は「企業連による加点研修の実績報告書の受講者の所属」の開示を求めており、実施機関は、受論者所属を非開示とした根拠を、当該所属(企業名)を公開し、同所属(企業)が同和地区の企業であることが公になることにより、その正当な利益が侵害されるおそれがあること及び当該所属(企業名)を公開すると、電話帳等他の情報と組み合わせることによりその所在地等が判明し同和地区の特定につながるなど、個人の権利利益を不当に僅害するおそれがあるためなどとしている。
このため、当該所属(企業名)の条例第9条第2項第2号(個人情報)及び第9条第2項第3号(法人不利益情報)該当性について検討する。
(2)条例第9条第2項第2号(個人情報)該当性について
所属(企業名)自体は個人識別性が低い情報と思料されるが、実施機関は電話帳等他の情報と組み合わせることによりその所在地等が判明し同和地区の特定につながるなど、個人の権利利益を不当に侵害するおそれがあると主張するため、当該情報が特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を侵害するおそれがある情報(以下「非識別情報」という。)に該当するかどうか検討する。
非識別情報は、個人識別性がなくても、個人の人格等と密接に関連する情報あるいは開示により財産権その他の個人の正当な利益を害するおそれのある情報などと解される。更に政策的に、広く開示対象情報と個人の利益侵害との関連性を認めて、当該情報を非開示とする解釈もあるものの、本県条例の原則開示の理念を勘案すると、実施機関の主張するように当該情報(所属(企業名))と直接結びつかない不特定の同和地区関係者まで関連性を認め、個人の権利利益を侵害するおそれがあるとして、当該情報を非開示とできるかどうかは議論の分かれるところである。
しかし、所属(企業名)は法人登記簿等他の情報と組み合わせることにより少なくとも当該企業の役員、職員(以下「役員等」という。)が特定されうる情報である。また、企業連は部落解放同盟の関連組織であるが、企業連加入企業の役員等は必ずしも同和地区出身者であるとは言えないものの、ある程度そのように推定されてしまうことを勘案すると、部落差別の意識が解消されているとは言えない現状において、所属(企業名)の開示により、当該役員等が不利益を受けるおそれがあることは否定できない。
このため、所属(企業名)は当該企業の役員等にとって、非識別情報に該当すると言える。
よって、当該情報は条例第9条第2項第2号に該当する。
(3)条例第9条第2項第3号(法人不利益情報)該当性について
所属名の開示により当該所属(企業)の権利利益が侵害されるかどうかについて、実施機関は実際に権利利益が侵害される事象が生じていると主張しており、企業連からの聞き取り等により、その事象が存在することは推測できるものの、実施機関は具体的に権利利益を侵害された企業名等は特定していない。
しかし、部落差別の意識が解消されているとは言えない現状があり、また、こうした事象が潜在化する傾向があることを勘案すると、実施機関の主張を全く根拠がないとして、開示による所属(企業)の権利利益の侵害のおそれを否定することはできない。
このため、当該情報の条例第9条第2項第3号該当性は否定できない。
(4)異議申立人のその他の主張について
異議申立人は、本件研修に係る名簿の作成等に関連して種々の主張をしているところであるが、当審議会は実施機関が行った部分開示決定について、条例に則り開示・非開示の判断の妥当性等について判断するものであり、当該主張は当審議会の判断を左右するものではない。
以上より、第1「審議会の結論」のとおり答申する。
鳥取県情報公開審議会答申 part1
部落解放鳥取県企業連合会による加点研修の実績報告書で受講した企業が開示されなかった件について、不開示となった理由を説明してもらう趣旨で提出していた異議申し立てに対し、鳥取県情報公開審議会の答申が出ました。結論からすれば、企業名は開示されなかった訳ですが、次の点が明らかとなりました。
受講した企業が公表されていない理由について、県管理課は「公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあり、鳥取県情報公開条例第9条第2項第3号アに該当するため」としていました。しかし、情報公開審議会の答申によれば、企業の役員等が同和地区出身者であると推定されることが特定の個人を識別する情報に当たり、同条例の第9条第2項第2号に当たるとしており、当初の不開示理由とは食い違っています。条例第9条第2項第3号に該当する可能性については「否定できない」としていますが、第9条第2項第2号とは異なり明言を避けています。
当初管理課は、同和地区出身者を特定できるような情報を収集していたのであれば個人情報保護条例に違反するのではないかという指摘に対して「研修には事業者の役員や従業員が参加し受講しますが、そのことから受講者が同和地区の出身であるかどうかがわかるものではありません。」と回答していたこととは矛盾する結果になっています。微妙な言い回しながら、情報公開審議会の答申では、受講者名簿が、誰が同和地区出身者なのかを推定できるようなものであったことを認めています。
部落差別により「個人の権利利益を不当に侵害するおそれ」について、県は具体的な事例を把握していません。答申では「実施機関は具体的に権利利益を侵害された企業名等は特定していない」としています。「企業連からの聞き取り等により、その事象が存在することは推測できる」ということだけを根拠としており、誰が、いつ、どのような権利利益を侵害されたという具体的な事例を全く示すことができないという状態です。
次回はこの答申の全文を掲載します。
情報開示請求進捗状況
~開示済み書類~
部落解放同盟の補助事業実績報告書
/?p=86
鳥取市同企連の補助事業実績報告書
/?p=90
2005年の収支予算書
解放同盟集会へ鳥取市役所職員を動員したメール
/?p=88
部落解放鳥取県企業連合会研修実績報告書
/?p=110
部落差別事件一覧表
/?p=99
真の人権を守るインターネットの会から鳥取市長への申し入れに対する回答
/?p=111
鳥取市同和問題企業連絡会規約・設立趣意書・補助金交付要領
/?p=118
情報公開・個人情報保護審査会答申(答申第1号)
/?p=132
人権尊重の社会づくり協議会による人権条例に関する検討会(平成15年11月から平成16年8月)出席者名簿および議事録
/?p=138
/?p=142
~情報公開請求進捗状況~
[1] 部落解放同盟の補助事業実績報告書および証憑書類
(H18.2.1)補助事業実績報告書が開示決定
(H18.2.1)証憑書類が不開示決定
[2] 鳥取市同企連の補助事業実績報告書および証憑書類
(H18.2.28)補助事業実績報告書が部分開示決定
(H18.2.28)証憑書類が不開示決定
(H18.3.20)行政不服審査法に基づく異議申し立て
(H18.4.25)4.20の情報公開・個人情報保護審査会で受理されたと通知あり
(H18.4.28)不開示等理由説明書が送付される。5月16日までに意見書を提出できるとのこと
(H18.5.15)意見書を提出
(H18.8.10)情報公開・個人情報保護審査会答申
[3] H18.2.5に梨花ホールで行われた解同の集会に
鳥取市同和対策課が動員をかけたメール
(H18.4.4)開示決定
[4] 部落解放鳥取県企業連合会平成19年、20年度格付けに係る加点研修の実績報告書
(H18.3.24)情報開示を申出
(H18.4.27)部分開示決定
[5] 部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会補助金
活動計画書/収支予算書/補助金交付要綱/証憑書類
[6] 鳥取市人権情報センター補助金
事業計画書/一般化会計収入支出予算書/補助金支出要綱/会計証憑書類等
[7] 鳥取市同和問題企業連絡会運営補助金
事業報告及び決算書/事業計画書及び予算書/規約/会員・役員名簿/設立趣意書/補助金交付要綱
(H18.5.10) 開示請求書を提出
(H18.5.30) 部分開示
証憑書類は不開示
また、補助金の点検記録も開示請求しましたが全て不開示となっています
[8] 部落差別事件一覧表(鳥取県同和対策課・人権同和教育課)
(H18.4.24) 鳥取県情報公開室へ開示の申し出をFAXで送付
(H18.5.8) 全面開示
[9] 平成17年鳥取県同和地区実態把握等調査(地区概況調査)の要綱および要領
[10] 人権尊重の社会づくり協議会による人権条例に関する検討会(平成15年11月から平成16年8月)出席者名簿および議事録
(H18.7.11)情報開示を申出
(H18.7.24) [9]が全面開示
[11] 過去5年間の間に部落解放鳥取県企業連合会から鳥取市に出された意見書、それらに対する回答書、協議会資料およびそれらに類する書類
(H18.9.12)情報開示請求
(H18.9.25)全面開示(資料分析中)
[12] 部落解放鳥取県企業連合会の会員名簿および、部落解放鳥取県企業連合会会員企業が関連する公共事業の受発注状況(鳥取市)
(H18.10.19)情報開示請求
[13] 過去5年間に部落解放鳥取県企業連合会と鳥取県の間で交わされた意見書、回答書、協議資料およびそれに類するもの
[14] 「鳥取県県土整備部建設工事指名業者選定要綱」別表第8項に係る、各県土整備局長により定められた基準
(H18.9.7)情報開示を申出
(H18.10.25)情報開示請求
(H18.11.29)部分開示
(H19.1.15)異議申し立て
[15] 部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会補助金 収支予算書・証憑書類
(H18.11.2)情報開示請求
(H18.11.21)部分開示
~情報公開請求の目的~
[1][2][5][6][7]
人権擁護法および人権救済条例推進のためにどれだけの税金が使われたか、
また、適正に補助金が使われていたのかを確認するため。
[3] 鳥取市同和対策課が解放同盟の集会に市職員を動員したという情報があっので、
事実確認のため。
[4][11][12][13][14] 鳥取県の公共工事で部落解放同盟の関連団体の会員企業が優遇されている疑いがある。
加点研修の内容と「部落解放鳥取県企業連合会」なる団体の実態を明らかにするため。
[8] 人権局が把握している鳥取県内の「差別事件」の具体例を知るため。
[9] 同和関係世帯の名簿が作成された課程を知るため。
[10] 人権条例と社会づくり協議会委員の関わりを知るため。
日野町同和対策特別自動車運転訓練実施要綱
巷には「同和地区に住んでいると、無料で車の免許が取れる」という噂がありますが、実際に日野町こんなものがあります。
昭和54年1月12日
要綱第1号
(目的)
第1条 この要綱は、現に職業に就いている同和対策対象地域の住民(以下「同和地域住民」という。)を対象に大型又は大型特殊等の自動車運転訓練を実施することにより、同和地域住民の職業能力を開発し、職業の安定を図ることを目的とする。
(対象事業)
第2条 同和地域住民を対象に大型又は大型特殊等の自動車運転免許を取得させる訓練(以下「同和対策特別自動車運転訓練」という。)は、鳥取県公安委員会の指定を受けた県内の自動車学校等(以下「自動車学校等」という。)に委託して行うものとする。
(対象者)
第3条 同和対策特別自動車運転訓練の対象者は、次の各号のいずれにも該当するものとする。
(1) 同和地域住民であること。
(2) 現に普通、大型又は大型特殊の自動車運転免許を受けている者であって、普通2種、大型(1種若しくは2種)又は大型特殊(1種若しくは2種)の自動車運転免許を取得することにより、現に就いている職業の安定が図られると認められるものであること。
(3) 経済的理由により大型又は大型特殊等の自動車運転訓練を自費で受講することが困難な者であること。
2 次に掲げる者は、対象者となることができない。
(1) 雇用対策法(昭和41年法律第132号)に規定する職業転換給付金その他の法令の規定によりこれに相当する給付の支給を現に受けている者
(2) この要綱に基づき同和対策特別自動車運転訓練の対象となったことのある者
(経費の交付等)
第4条 同和対策特別自動車運転訓練に必要な経費は、次の区分により交付するものとする。
(1) 町は、予算の範囲内において自動車学校等に委託した技能、学科それぞれの教程時間内の教習料を交付するものとする。
(2) 自動車学校等の技能指導員が補習を指示した者については、町は予算の範囲内において3時間を限度として補習料を別途交付することとし、その他の経費は個人が負担するものとする。
(協議)
第5条 この要綱に定める同和対策特別自動車運転訓練を受けようとする者は、その計画について特別自動車運転訓練に関する協議書(様式第1号)により、地域の代表者を通して、あらかじめ町長に協議するものとする。
(通知)
第6条 町長は、前条により協議のあった者について適当と認めたときは、様式第2号により本人及び地域の代表者に通知するものとする。
(訓練終了の報告)
第7条 同和対策特別自動車運転訓練を終了した者は、様式第3号により町長に特別自動車運転訓練終了報告書を提出するものとする。
附 則
この要綱は、公布の日から施行し、昭和53年4月1日から適用する。
『2005年度鳥取県同和地区生活実態把握等調査』について
『2005年度鳥取県同和地区生活実態把握等調査』についてという國歳眞臣氏による分析結果が出ています。全文はリンク先を参照してください。
生活環境については、若干の格差はあるものの、ほぼ県平均との差はなくなっているが、「便所の水洗化率」や「公共下水道の普及率」等において、なお格差が大きい。また、「地域福祉」の面からは、とくに「家屋のバリアフリー化率」において相当な格差があるといえる。
教育については、同和地区の「高等教育」への進学率は県平均よりかなり低く、同じく同和地区の高校生の「中退率」の高さも問題といえる。
就労については、「15~19歳」の就職率が県平均より高く、部落産業ともいえる「建設業」就業率が高い。雇用形態としては、「臨時雇・日雇」の比率が高く、安定した生活が保障されていない状況があること、等に教育状況が反映されていることが考えられる。
世帯の経済状況については、「生活保護世帯」が全国の3.3倍もあり、その受給期間も長期化している。さらに、有業者の収入においても、格差が歴然としている。
婚姻状況については、「同和地区外」との婚姻率は高くなっているが、具体的に個々の婚姻が憲法に保障されている「両性の合意」に基づいて、周囲から祝福されて成立しているかどうかの調査・分析が必要である。
以上から、成果をあげてきているものの結果として差別は解消したといえず、差別実態が二極化ないし三極に分化し、年齢層別に、性別に、学歴別に、地域別に、「低位な状況の量的特有性」が残存しているといえる。
同対事業を廃止・縮小 鳥取市40年ぶり見直しへ
鳥取市の竹内功市長は二十一日の市議会本会議で、同和地区住民の自立支援を目的に行ってきた特別対策事業を、来年度から廃止・縮小する考えを示した。必要な支援は通常の施策で対応し、負担の増加に配慮して激変緩和措置を講じる方針。背景には厳しい財政状況などがあり、約四十年ぶりに同和行政に大なたを振るう格好だ。同様な施策を講じている市町村は多く、他市町村にも影響を与えそうだ。
村口英子議員(共産党)の質問に答えた。
竹内市長は「生活環境の改善をはじめ、物的な基盤整備は着実な成果をあげ、かつて存在していた住環境の格差はおおむね解消された。現在策定中の第四次市同和対策総合計画では特別対策は廃止し、一般対策に移行する。人権を侵害する差別は依然として存在しており、引き続き教育、啓発には取り組む」と述べた。
また、行政が同和地区内の一部の施設で負担してきた光熱水費(二〇〇五年度実績四百五十万円)なども地元負担の方向で検討する方針。
同市の同和地区の特別対策事業は、合併時は百八事業だったが、現在は五十五まで整理統合。このうち自立支援施策(個人給付)の〇五年度実績は計一億三千七百六十万円で、内訳は同和地区住民の固定資産税の半額免除が六千百八十万円、保育料の減免が千九百三十万円、進学奨励金給付が五千四十万円など。本年度当初予算もほぼ同額を計上している。
村口議員は「地区外に住んでいても隣保館に申請すれば固定資産税が減額される旧町村地域もある。属人的な減免は行政が差別することになる」と追及。市側は第四次計画期間内に旧市の制度に統一する考えを示した。
同市の同対事業は、被差別地区の環境改善と差別解消を目的に、一九六九年に成立した同和対策事業特別措置法に基づいて始まった。同法失効後も市条例に基づいて事業を継続していた。外部のメンバーでつくる市同和対策審議会が来年二月に開かれ、今後の方針を具体的に協議する。
企業連「被差別部落の労働は建設業によるところが大きく、仕事がなければ差別がぶり返す」
毎日新聞より
県:新入札案に業者反対 現行枠組み維持など求める--議会勉強会 /鳥取
県が来年度から導入を予定している新しい入札制度について、県内の建設関連3団体はいずれも反対を表明した。県議会の企画土木常任委員会が13日に開いた勉強会で、業界側は6000万円未満で入札参加資格を管内優先とする現行の枠組み維持と予定価格を非公表とするよう求めた。【松本杏】
県発注工事で起きた談合事件を受け、県は競争原理がより働くよう、業者に指名通知しない制度を24億1000万円から3000万円に引き下げ適用するほか、要件を満たす全業者が参加できる「制限付一般競争入札」を初導入する方針。県の出先5機関が250万円以上3000万円未満の工事を発注する「限定公募型指名競争入札」でも、来年度から管内業者優先を撤廃し、08年度以降は「制限付」に移行させる。
参加したのは▽県建設業協会(高力修一会長)▽部落解放県企業連合会(松田秋夫理事長)▽県測量設計業協会(山本敏憲会長)。
管内優先の撤廃について、建設業協会は「現状通りが望ましいが、せめて地域の業者は大事にして」とし、同連合会は「被差別部落の労働は建設業によるところが大きく、仕事がなければ差別がぶり返す」と主張した。測量設計業協会も「低品質で粗悪な物ができ、悪い意味の価格競争を激化させる。最低制限価格の導入を」と求め、“下請け丸投げ”の懸念も指摘した。
また、県が「県への隠微な働きかけを防ぐため」と説明する予定価格の公表に対し、3団体は「実勢価格を基に決められるのに、なぜ95%以上が談合となるのか」「各社で積算し、応札すべきだ。非公表こそ談合防止の特効薬ではないか」と不満を示し、「官製談合の防止は県自らえりを正すよう指導すべきだ」と述べ、公表しないよう訴えた。現行制度を維持し、罰則強化を希望する声もあった。
同和地区建設業者対する指名競争入札の加点情報を県が隠蔽
鳥取県が発注する公共工事の指名競争入札の指名業者の選定で、部落解放鳥取県企業連合会(企業連)の同和研修を受けた企業の加点情報を、県の各総合事務所が隠蔽している実態が明らかになりました。
鳥取県の指名競争入札の指名業者の選定基準は点数制となっており、点数の高い業者ほど指名の機会が増える仕組みになっています。採点基準の中に「地域貢献度」という項目があり、その中には「同和問題解決に向けた取り組み」という基準があります。しかし、この加点は企業連会員企業だけしか受けられないようになっており、企業連は同和地区外の企業を排除していました。
県が開示した文書によれば、鳥取県内の全ての総合事務所で企業連会員企業に対する加点が行われています。地域貢献度の加点は優良工事やボランティア活動への参加といった実績に対して1~3点が加点されますが、企業連に対しては同種工事を未受注の企業に対して5点が加点されています。また、通常は10点が上限となっている加点について企業連会員は例外的に15点まで加点されるしくみになっています。
通常、加点情報は業者名、項目、点数が県土整備局の閲覧室に掲示されますが、中部総合事務所では「企業連加点」だけが除外される規定となっています。西部総合事務所、東部総合事務所にも実態を確認したところ、明文化されてはいないものの、企業連会員に対する加点情報だけが掲示されていませんでした。ある職員はその理由について「業者名が特定されると同和地区の業者かどうかということが分かる」と説明しました。
鳥取県県土整備部管理課は以前、企業連が事実上同和地区企業しか加入できなくなっていることについて「県は把握していない」としていましたが、改めてこの事実を指摘したところ、「企業連加点」を受けられる業者が同和地区企業であることを認めました。また、加点情報が掲示されていないことについて、全ての総合事務所で同様の実態があるということです。
なお、東部総合事務所では格付け対象となっていない工事に対しても5点以上の加点のある業者は「建設工事の指名に当たり配慮することができる。」とされており、企業連会員に対して他にも不透明な優遇が行われている疑いがあります。
[開示資料]
各県土整備局が定めた地域貢献度に係る加点基準
地域貢献度の加点を受けた業者はこのように掲示されます。これは東部総合事務所のものですが、「企業連加点」に関する掲示はありませんでした。

部落地名総鑑の出所は大阪市同和事業促進協議会?
部落地名総鑑と言えば鳥取三洋や中国電力などが購入企業として糾弾を受けていますが…
以下のサイトより。
http://www.osaka-minkoku.info/orz/index.php?e=3045
当該資料の推定発行時期は1972年である。一方今までの「部落地名総監事件」のうち最初の「部落地名総監」である『人事極秘 部落地名総監』の存在が判明したのは1975年である。また第二の「部落地名総監」である『全国特殊部落リスト』は1976年に存在が判明し、同年部落解放同盟大阪府連が購入企業に対し「糾弾会」を開いている。
…だそうです。
鳥取の場合、県内の同和地区の場所を、上記の資料のように詳細にまとめた資料は私自身は目にしたことはありません。ただ、県下の各市町村ごとの地区数、同和地区住民人口、混在率をまとめた資料は、県教委が発行したものを県立公文書館で見たことがあります。県立図書館の郷土資料コーナーに行けば、実際の地区名が分かるものもありますが…詳細は控えておきます。
1970年代に大手企業が買っていたという部落地名総鑑を私は実際に目にしたことはありませんが、解放同盟の機関紙「部落解放」で解放同盟鳥取県連書記長だった故前田俊政氏が座談会の中で実際の県内の地名に触れた箇所があります。
前田氏 ○○というのは今の●●●の昔の俗称ですから。
老人 ○○のまえは、■■■ちゅいいよったですな。
前田氏 ■■■ちゅうのは『地名総鑑』にでてますで。
ということで、県内の実際の地名も載っていたようです。ただ、上記の記述は明治初期か江戸時代の地名(実のところうちの近所なのですが、せいぜい私の祖父くらいの世代でないと、そんな古い地名は知らないと思います)が載っていたということですし、地名総鑑もいろいろなバージョンがあったようなので、一概には言えません。
被差別部落や住民を特定する資料としては、他に解放令が徹底していなかった頃に作成された壬申戸籍というものがありますが、昭和43年に旧身分や犯罪歴などが記載されていることが問題視されて、破棄されるか、あるいは法務局に厳重保管されて閲覧禁止となりました。
ただし、鳥取県や県下の市町村には部落地名総鑑に相当するものがあります。例えば、同和地区実態把握調査の対象地域の一覧であるとか、対象世帯名簿、個人給付事業の受給者名簿といったものです。役場や隣保館の職員や、同和地区実態把握調査に協力する民間人は目にすることがあるかも知れませんが、もちろん情報開示請求は却下されます。