以前、同和地区実態把握等調査(生活実態調査)についてご紹介しました。この調査では対象世帯の名簿を持って調査員が回るわけですが、その世帯名簿は事前に行われる地区概況調査で作成されていました。
地区概況調査の実施要領を見るにはこちらをクリックして下さい。
この資料では、世帯主名簿の作成準備として「個人的給付事業の対象者名簿の整理」「地元精通者等に協力を求める」ということが挙げられています。同和対策を行っている市町村では、当然地区や地区住民を把握しているため、こういった資料や住民基本台帳をもとに世帯名簿を作成するようです。以前の記事でも触れたとおり、本人の知らない間に情報は収集されるため、知らない間に調査対象の世帯になっていた、ということも起こります。
作成された世帯名簿は市町村が保管し、県には各地区の世帯数一覧表が提出されます。つまり、住民の個人情報は市町村止まりで県には行かないようになっています。とは言え、鳥取県個人情報保護条例第7条で収集が禁止されている「社会的差別の原因となるおそれのある個人情報」(鳥取県個人情報保護条例施行規則第5条で「同和地区の出身であることに関する情報」がこれに該当することが明記されている)を収集することになるため、例外規定を適用するために鳥取県個人情報保護審議会による審議が行われています。なお、県によれば審議は平成12年に行われた前々回の同和地区実態把握等調査の際に行われたそうです。
世帯主名簿は当然のことながら厳重に管理され、実態調査事務の終了後一年(今年の7月31日)をもって処分されています。しかし、「市町が保有している資料等により世帯主名簿の代替ができる場合は、新たに作成する必要はないこと。」と規定があるため、独自に世帯主名簿に順ずるものを作成している自治体があるようです。
そこで、市町村の1つである我が鳥取市の同和対策課に「鳥取市は同和関係世帯の世帯名簿を現在保有しているか」とFAXで単刀直入な質問をぶつけてみたのですが、「『同和地区世帯名簿』といったものは保有していません。」という回答が返ってきました。「現在保有しているか」という質問をしたので、市は県の要請に基づいて名簿を作成して、既に処分してしまったということかも知れません。
[2006.9.2]
追加報告です。鳥取市内のとある隣保館に聞いたところ、平成17年度の調査の際に、確かに市役所で同和地区の世帯名簿を閲覧したということでした。これを受けて再び同和対策課に問い合わせたところ、実は世帯名簿は作られていたが、現在はシュレッダーで処分されたということでした。
なぜFAXでは保有していないと回答したのかを問いただすと、現在の同和対策課長は昨年の調査には関わっていないので知らなかったということでした。さらに、名簿がどのような方法で作られたのか聞くと、「分からない」ということでした。
…と、ここまではよかったのですが、実は鳥取市同和対策課がどうも役所らしくない不可解な対応をしてきました。詳細については今は控えておきますが、これからの市の対応いかんによっては、やりとりを公表する可能性があります。
なめ猫♪ on 2006年9月02日 6:06 PM
福岡の人権関連施設を見て歩いて
オリンピックの招致合戦で国内候補地は東京と決まりましたが、福岡は財政赤字を抱えており、その穴埋めはどこからもってくるのか疑問を感じていたので、県民としてはよかったと思っています。 福岡県(市町村も)の箱