企業連の研修実績報告書の役職と合否が公開されました

例の研修実績報告書が再公開されました。以下の資料をご覧ください。
県土整備部県土総務課-公文書部分開示決定の一部変更について(通知)
役職と合否が公開される前の研修実績報告書は以下にありますので、比較してみてください。
以前に公開された研修実績報告書
これで分かったことは、経営研修の参加者は役員だけで、同和研修や技術研修には従業員も参加しているということです。まぁ、当然と言えば当然のことですね。
その他、裁判中に分かった裏話は続きからどうぞ。

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最高裁が上告棄却、広島高裁松江支部の判決が確定

部落解放鳥取県企業連合会の受講者名簿の公開を求めた裁判ですが、9月29日付で最高裁の上告が棄却されました。これで広島高裁松江支部の判決が確定しました。
最高裁判所第三小法廷-調書(決定)
上記のリンク先をご覧の通り、三行決定です。
一昨年の11月から開始した裁判ですが、受講者の役職名だけ公開という中途半端な結果に終わりました。
あとは裁判費用の確定をして、鳥取県の再度の処分を待って終了です。

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最高裁から記録到達通知書が届きました

平成21年4月27日付で、最高裁判所第三小法廷から記録到達通知書が届きました。事件番号は次の通りです。
平成21年(行ツ)第121号
平成21年(行ヒ)第144号
最高裁が広島高裁松江支部の判断を変更しない場合は、ほとんどの場合上告棄却の書面が送られてくるだけで終わりです。上告が受理される場合は、大抵は判決が変更される場合で、口頭弁論が開かれます。今回の場合、行政処分に対する憲法解釈の問題が絡んでいるので、争点として認められれば、(日本全体でも年に数回しかない、稀なことですが)大法廷に回されることもあります。
最高裁というのは気まぐれなところらしいので、次の展開や時期は不明です。

部落解放鳥取県企業連合会への優遇制度が廃止

毎日新聞によれば、指名競争入札で部落解放鳥取県企業連合会を優遇する制度が廃止されました。

県は6月から建設工事の入札制度を改め、部落解放県企業連合会(企業連)への優遇措置を廃止する。入札で同様の措置をとっているのは全国でも鳥取県だけだった。行財政改革で公共工事の受注が減少する中、公平性を重視したという。

続きはこちらをご覧ください。

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上告受理申立て理由書

平成21年(行ノ)第1号 公文書不開示処分取消等請求上告受理申立て事件
第1  はじめに
1  事案の要旨
本件は申立人が鳥取県知事に対し、鳥取県情報公開条例(以下「本件条例」という)に基づき、部落解放同盟の関係団体である部落解放鳥取県企業連合会(以下「企業連」という)が行った、公共工事の指名競争入札に係る加点研修の実績報告書、受講者名簿(以下「本件文書」という)を開示請求したところ、鳥取県知事が受講者名、所属企業名等を開示しないとした処分が本件条例および憲法14条に違反するとして、処分の取消しと本件文書の全ての内容について開示処分の義務付けを求める事案である。
2  原判決の要旨
原判決は、本件文書の内容のうち、受講者の合否と役職は本件条例により開示するべき情報であるとして申立人の訴えを認めたが、受講者については同和地区出身者と認識されるおそれがあるため、個人の権利利益を侵害するおそれがあるとし、所属企業名については同和地区出身者が経営する企業と認識されるおそれがあり、法人等の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある、なおかつ本件処分は門地による差別をしたものではないとして、申立人の訴えを却下したものである。
第2  理由要旨
原判決には、法人不利益情報(本件条例第9条2項3号のア)の解釈について過去の判例と相反する判断がある。また、判決について民事訴訟法247条の違反がある。また、同和地区出身者であると認識されるおそれを理由とした処分は本件条例第1条の趣旨に反し、明治4年太政官布告第448、449号に反するもので違法である。従って、民事訴訟法318条1項の上告受理申立ての理由に該当する。
(1) 過去の判例と相反する判断
 東京高等裁判所平成17年(行コ)第315号行政文書不開示決定取消請求控訴事件判決は法人不利益情報(本件条例第9条2項3号のア)について、利益を害するおそれが客観的に認められることが必要であり、かつ、利益を害されることの単なる可能性があるというだけでは足りず、利益を害されることの蓋然性が高いことが要求されるとしている。しかし、本件において原判決で示された証拠は、いずれも本件とは直接の関連性がないものである。推論された理由も、差別意識といった主観的なものである。事実関係については、むしろ蓋然性が低いことを示す証拠が存在している。
(2) 民事訴訟法247条の違反
 判決で本件文書に記載された受講者(以降「本件受講者」という)と受講者の所属企業の経営者(以降、本件受講者とあわせて「本件関係者」という)が同和地区出身者であるかどうか、本件受講者が部落解放同盟の支部員であるかどうかという重要な事実についての判断を避けたことは、事実についての判断の不備であり、違法である。
(3) 本件条例第1条の違反
 「同和地区出身者であると認識されるおそれ」は事実に反する風評であり、それを正さないまま処分理由としたことは、本件条例第1条にある県民への説明責任を放棄することであり、違法である。
(4) 明治4年太政官布告第448、449号の違反
 明治4年太政官布告第448、449号は現在でも法令として有効であるから、穢多非人等と関連性のある同和地区出身者という身分を理由とした本件処分は、穢多非人等の称えを蒸し返すもので違法である。

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上告理由書

本日付で、最高裁判所宛の上告理由書・上告受理申し立て理由書を送付しました。上告理由書の文面を掲載します。上告受理申し立て理由書は後日掲載予定です。

平成21年(行サ)第1号 公文書不開示処分取消等請求上告事件
第1  はじめに
1  事案の要旨
本件は上告人が鳥取県知事に対し、鳥取県情報公開条例(以下「本件条例」という)に基づき、部落解放同盟の関係団体である部落解放鳥取県企業連合会(以下「企業連」という)が行った、公共工事の指名競争入札に係る加点研修の実績報告書、受講者名簿(以下「本件文書」という)を開示請求したところ、鳥取県知事が受講者名、所属企業名等を開示しないとした処分が本件条例および憲法14条に違反するとして、処分の取消しと本件文書の全ての内容について開示処分の義務付けを求める事案である。
2  原判決の要旨
原判決は、本件文書の内容のうち、受講者の合否と役職は本件条例により開示するべき情報であるとして上告人の訴えを認めたが、受講者については同和地区出身者と認識されるおそれがあるため、個人の権利利益を侵害するおそれがあるとし、所属企業名については同和地区出身者が経営する企業と認識されるおそれがあり、法人等の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある、なおかつ本件処分は門地による差別をしたものではないとして、上告人の訴えを却下したものである。
第2  理由要旨
1  民事訴訟法312条1項に係る上告理由
原判決で鳥取県知事は本件文書に記載された受講者(以降「本件受講者」という)と受講者の所属企業の経営者(以降、本件受講者とあわせて「本件関係者」という)の個人の門地を把握していないとしたことは、憲法14条1項の解釈の誤りである。また、同和地区出身者と認識されるおそれを理由とした行政処分は憲法14条1項の違反である。また、意識調査や落書き、投書を処分理由としたことは、憲法19条、21条1項の違反である。また、民間団体が同和地区出身者を自称することで第三者に不利益処分が行われることは憲法12条の違反である。従って、民事訴訟法312条1項の上告理由に該当する。
(1) 憲法14条1項の門地の解釈の誤りについて
 本件関係者が近世の被差別身分と系譜関係があるかどうかを鳥取県知事が把握していなかったとしても、本件処分における同和地区出身者の定義によれば、同和地区出身者であるかのように一般に認識された者は、そのことが子孫にも影響することが明らかであるから「同和地区出身者と認識されるおそれ」は門地である。
(2) 憲法14条1項違反について
 同和地区出身者を理由とした処分は、本件関係者の子孫にも影響するため、世襲による特別な権利を生むことになり、法の下の平等に反する。
(3) 憲法19条違反について
 本件条例による情報公開請求権を持つ鳥取県の住民等(以降、住民等)に対する意識調査の結果を理由とした不利益処分は、思想及び良心の自由の侵害である。
(4) 憲法21条1項違反について
 落書きや投書の内容だけを問題として情報公開に係る不利益処分の理由とすることは言論の自由、知る権利の侵害である。
(5) 憲法12条違反について
 事実関係を調査することがはばかられるような門地を自称し、それによって第三者が不利益処分を受けることは信義に反し、権利の濫用である。
2  民事訴訟法312条2項6号に係る上告理由
本件関係者が同和地区出身者であるかという事実関係について理由不備と理由齟齬があるため民事訴訟法312条2項6号の上告理由に該当する。
(1) 企業連会員企業が取引を忌避される理由の不備
 原判決の文章は、あまりにも曖昧な文章の上、落書きや結婚問題に関する意識が、どうして企業の取引の忌避につながるのか説明されていない。
(2) 同和地区出身者と認識されるおそれがあるという判断の理由齟齬
 同和地区出身者と認識されるおそれを処分理由とすることは、同和地区出身者と認識されるおそれを生じさせるのであるから、循環論法である。

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最高裁判所に上告しました

広島高裁松江支部の判決の内容を検討したところ、やはり上告および上告受理申立の理由があるので、本日付で上告状兼上告受理申立書を提出しました。
主な点は、

  • 鳥取県知事が受講者や企業連会員企業経営者の門地を把握していないという判断は憲法14条1項の解釈の誤りである。
  • 事実上の世襲的身分を認めてしまっている点が憲法14条2項違反である。
  • 意識調査や落書き、感想文、投書の類を処分理由にしたことが憲法19条、21条1項違反である。
  • 部落解放同盟鳥取県連合会が根拠なく被差別身分を自称していることが憲法12条違反である。
  • 同和地区出身者の定義と、事実の判断を判決文に記載していないことが、判決の理由不備にあたる。
  • 法人不利益情報について、判例違反がある。
  • です。今後、上告提起通知書が届いたら、詳細な理由書を提出するという手続きになります。

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    第2審判決

    お待たせしました。本日付で判決文が到達しましたので全文を掲載します。例によって住所は勘弁願います。
    広島高裁松江支部-判決-H21-02-13.pdf
    鳥取県知事は受講者の役職、合否を公開せよ、とした部分以外は、説明が補足されているものの、ほとんど鳥取地裁の判決を支持する内容となっています。つまり、研修の出席者や企業連会員企業の経営者は同和地区出身者と認識されるおそれがある、ということです。
    …ということで、上告することになりそうです。
    なお、原則として事実関係の認定は2審までで終了ですので、最高裁では憲法(主に14条関係)をはじめとする法律論の問題が主となります。

    企業連の加点研修名簿一部開示

    ひとまず速報です。企業連の加点研修名簿は不開示処分が一部取り消されたようです。
    …とは言っても、役職と合否部分の開示で、肝心の企業名と受講者の非開示については1審を支持ということのようです。

    第2回控訴審口頭弁論

    第1回控訴審口頭弁論が終わりました。以下の資料をご覧ください。
    被控訴人上申書
    控訴人準備書面(2)
    裁判所から、部分開示することで解決するという提案があったのですが、当然双方とも拒否です。
    次回は判決です。来年2月13日午後1時10分に言い渡される予定です。

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