裁判は広島高裁松江支部へ

ということで、控訴状を提出しました。

控訴状

平成20年7月18日

広島高等裁判所 松江支部 御中

控訴人    (原告)  宮 部 慎太郎
被控訴人(被告)  鳥取県       
上記代表者知事          平 井 伸 治

訴訟物の価額       160万円
貼用印紙額       1万9500円
予納郵便切手       6080円
上記当事者間の鳥取地方裁判所平成19年(行ウ)第9号公文書不開示処分取消等請求事件につき、平成20年7月4日判決の言渡しがあり、控訴人は同日に判決正本の送達を受けたが、上記判決は全部不服であるから、控訴する。
第1 原判決の表示
1 本件訴えのうち、「部落解放鳥取県企業連合会による加点研修の実績報告書」の「受講者の氏名」「受講者の役職」「受講者の合否」「受講者の所属」の開示処分の義務付けを求める部分を却下する。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は原告の負担とする。
第2 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が、平成18年11月29日付けで控訴人に対してした公文書部分開示決定のうち「部落解放鳥取県企業連合会による加点研修の実績報告書」の「受講者の氏名」「受講者の役職」「受講者の合否」「受講者の所属」(以下、これらの情報を併せて「本件情報」という。)を開示しないとした部分を取り消す。
3 被控訴人は、控訴人に対し、本件情報を開示せよ。
4 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
との判決を求める。
第3 控訴の理由
追って提出する。

第一審判決

判決が言い渡されましたので速報です。
鳥取地裁-判決-H20-7-4
要約すると企業連の会員企業は同和地区出身者が経営しているかどうかは分からないが、そのように認識されるおそれがある、差別落書きがあったり、結婚差別についてのアンケートで20%が否定的な回答をしていることから部落差別の対象となる可能性があるということです。
ということで、広島高裁に控訴ということになりそうです。

7月4日13時10分に第一審の判決があります

7月4日13時10分、鳥取地裁において例の裁判の判決が言い渡されます。
部落解放鳥取県企業連合会の加点研修の名簿を「同和地区出身者がある程度推定される」という理由で不開示とした被告鳥取県に対し、同和地区出身者が推定されるというのは事実無根なので公開すべきと原告鳥取ループが主張しているのがこの裁判のあらましです。
県による不開示処分は違法と認定されるのか、県に対して文書の公開が義務付けられるのか、名簿に記載された企業・個人が同和地区出身者であるかどうかを裁判所は判断するのか、その辺りが注目されます。
なお、鳥取県が被告となった行政訴訟では広島高裁まで争うのが通例のようなので、今回もどちらかが控訴するという展開が予想されます。

部落解放同盟滋賀県連大会の決議

6月30日の解放新聞滋賀版の記事が面白かったので、以下に掲載します。

東近江市の差別行政を糾弾し部落解放・人権政策確立社会の実現に向けて全力で闘う決議

昨年8月16日に東近江市民による愛荘町役場愛知川庁舎への『同和地区』問い合わせ差別事件が発生した。
その後の調査で同和地区問い合わせをした東近江市民は同和地区住民でもないにもかかわらず他人の名前を名乗り同和地区を騙っていた事が判明した。
この差別事件の取り組みにおいて愛荘町・県行政など関係機関・団体は今回の『同和地区問い合わせ』は明確に部落差別事件であると表明した。
しかし、『同和地区問い合わせ』を行った市民が住んでいる東近江市行政は『本人に差別する意図がない』から部落差別事件ではない。他人の名前を名乗ったり、同和地区を騙ったことは『個人のモラル(道徳)の問題』である。という驚くべき見解を表明した。
行政書士が不正に戸籍等を入手して興信所に横流し利益を得ている現実。横流しを受けた興信所から新たな部落地名総鑑が発見され身元調査に利用さえている現実。
不動産業者が市役所を訪問して『同和地区かどうかを教えてほしい』という事件が発生している現実。
このような部落差別の厳しい現実を無視し『同和地区問い合わせ』を『部落差別事件』でないと主張する東近江市行政の差別行政を許すわけにはいかない。
『本人に差別する意図がないから差別ではない』ということがまかり通るようなことがあれば興信所が身元調査する事も、不動産業者が同和地区かどうかを問い合わせることもすべて差別事件ではなくなってしまう。市民や町民が市役所や役場に同和地区がどこか教えてほしいという問い合わせが急増していく。インターネット上で県内をはじめ全国の部落の地名が無差別に流され続けられる。
長年にわたって取り組まれてきた部落問題の解決、身元調査お断りの取り組みの成果をいっきに崩壊させてしまうことになる。ことは滋賀県の問題ではすまない全国の部落問題の解決や人権確立を求めて取り組んでいる人々に対する挑戦でもある。私たちは、東近江市行政の『差別する意図がないから差別でない』という見解を広く社会的に明らかにし社会的に包囲する取り組みを強化していかなければならない。
既にインターネット上では、東近江市行政の見解を支持し県行政や愛荘町に対して同和地区がどこかを求める情報公開請求を行ったことが書き込まれている。このような反人権の動きを許さず各界各層の人々との協働により部落解放・人権確立社会の実現に向けて闘い抜こう。

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