原告のうち1人が不適格と判決、裁判は1人だけで続行へ

本日、鳥取地裁から原告2人のうち、県外在住者が原告不適格との判決が届きました。
公文書部分開示の決定処分は鳥取県情報公開条例に基づいてだされたもので、県外在住者は直接の利害関係者ではないという判断です。
この件について控訴して争ってもあまり利益はないので、このまま原告1人で裁判を続行したいと思います。

部落解放同盟鳥取市協補助金問題関連情報

部落解放同盟の補助金問題についての当サイトの独自情報をお知らせします。記事のタイトルも変えて、いろいろと追記しました。

市長部局の補助金の使途について

日本海新聞より引用です。

鳥取市教委が二〇〇五年度に部落解放同盟鳥取市協議会(議長・山田幸夫県議)に支給した補助金で使途不明があったとして、中川俊隆教育長が当時の会計責任者を刑事告発した問題に関連し、市長部局が同年度に支給した補助金でも計二百万円の不適切な会計処理があったことが十三日、分かった。旅費の使途が市の補助支給基準に違反していた。市から指摘を受けた協議会は先月、全額を返還している。

市長部局と言えば、私の手元に竹内功市長が会長を務めていた部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会の事業計画書と、補助金の使途の詳細資料があります。これは2006年11月21日に情報公開請求によって開示されたものです。
本来は返還されるべき補助金が次年度に繰り越されていたり、市の職員自身が領収書を切っていたり、計算が微妙に合わなかったりと突っ込みどころの多いものなのですが、これを公開した以上、自浄能力を発揮してもらえることを期待して温めてきたものです。報道で問題になっているのは2005年の解放同盟鳥取市協への補助金ですが、他の補助金や過去の補助金もずさんに会計処理されていた可能性が高いです。以下、資料として掲載しますのでご覧ください。
部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会事業計画書
平成15年度部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会補助金
平成16年度部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会補助金
平成17年度部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会補助金
部落解放・人権政策確立要求鳥取市実行委員会の実態については過去の記事、人権侵害の救済に関する法律」の制定のために鳥取市から岩美町に働きかけ?をご覧ください。実はこの団体の事務局も部落解放同盟鳥取市協議会と同じ、鳥取市幸町の解放センター内にあります。

鳥取商工会議所と部落解放同盟の関係

毎日新聞より引用です。

鳥取市教委の中川教育長から詐欺罪で告発された同協議会の当時の会計責任者のほか、当時の書記長も鳥取商工会議所(鳥取市)の職員だったことが13日分かった。同商議所の林信男事務局長は、2人が同協議会の事務を担う「ヤミ専従」ではないと否定したが、告発されたケースは商議所の業務外に当たると判断。「就業規則には違反しているので、司直の判断を見てから処分を判断する」とした。
(中略)
林事務局長は「(会計責任者が同協議会の事務をしていたのは)慣例ではない。ヤミ専従ではない」と強調。その上で、「商工会議所の業務外のことをしていたことになるので問題が残る。就業規則に違反している認識は当然持っている」と述べた。

問題の会計処理が行われていたと思われる2006年3月ごろの時点で、商工会議所は出向した職員が解放同盟鳥取市協や部落解放鳥取県企業連合会の会計事務を行っていたことを知っていたはずです。詳細は本サイトの過去の記事、鳥取商工会議所の同和対策課は幸町?をご覧ください。問題が発覚する前から、商工会議所は就業規則違反を知っており、それを黙認していたことになります。

鳥取市教育長が解放同盟鳥取市協役員を詐欺罪で刑事告発

日本海新聞より。

鳥取市教委が部落解放同盟鳥取市協議会に支給した補助金をめぐり、二〇〇五年度に不明確な会計処理があったとして、中川俊隆教育長が同協議会の役員を詐欺罪で鳥取署に刑事告発していたことが十一日、分かった。中川教育長は補助金の内容や金額について「捜査中なので発言は控えたい」と話している。

鳥取市が部落解放同盟鳥取市協議会に支給した補助金と言えば、以前から当ブログでも不透明さを指摘していましたが、今回の件は教育委員会管轄の別の補助金のようです。
鳥取市教育委員会と言えば、今年から地区進出学習会への補助、教員の派遣を完全に廃止しています。ある地区では「学校の先生が一切来なくなったが、今年からは地元の保護者で自主的に行うことにしている」(児童館職員)とのことでした。

昭和43年第373号および第777号民事局長通達

いわゆる「部落民」を特定する手段に使われたとして、かつて問題になった「壬申戸籍」というものがあります。これは正式には「明治五年式戸籍」と呼ばれるもので、近代の日本で最初につくられた戸籍です。当時は既に解放令後で身分制度は撤廃されていたはずなのですが、実際は戸籍の記載内容について地方の役所までは徹底されず、身分や犯罪歴等が記載されることがありました。
同和対策事業特別措置法が公布される1年前の昭和43年、全国の法務局を通じて市区町村に壬申戸籍の閲覧を禁止するよう通達が出されます。この通達は法的根拠のない緊急措置に近いものでしたが、現在でも壬申戸籍はこの通達どおりの取扱いがなされています。現在、壬申戸籍は既に破棄されているか、市町村か法務局に厳重に封印され、事実上使用することはできません。これが意味することは戸籍から歴史的な意味での部落民が明らかになることはあり得ないということです。
当時の通達を入手しましたので、掲載します。なお、原文は縦書きですので「左記」は「下記」に「右記」は「上記」に読み替えてください。

昭和四三年三月四日付民事甲第三七三号民事局長通達
明治五年式戸籍(壬申戸籍)の閲覧等については、本年一月十一日付民事甲第一〇号当職通達をもつて指示したところであるが、今後は左記の取扱いによることとしたので、管内支局長及び市区町村長にこの旨周知方取り計らわれたい。


(一)明治五年式戸籍については、閲覧の請求に応じないこと。
(二)右の戸籍についての謄本、抄本又は記載事項証明書は、現行の戸籍記載事項に相当する事項についてのみ作成すること。

昭和四三年三月二九日付民事甲第七七七号民事局長通達
明治五年式戸籍(壬申戸籍)の保存等について
標記戸籍の取り扱いについては、その保管利用状況を調査して対策をたてるまでの間のとりあえずの暫定措置として、本年一月十日付民事甲第一八九号及び翌十一日付民事甲第一〇号並びに同年三月四日付民事甲第三七三号をもつて通達したのであるが、その対策を検討した結果、今後は左記によることとしたから、その趣旨を徹底せしめ、取扱いに遺憾のないよう関係市町村長に周知方取り計らわれたい。


(一)市町村において、その利用状況の実情から明治五年式戸籍を廃棄してさしつかえないものとして廃棄申請があつた場合には、従前の取扱いに従つてこれを許可してさしつかえない。
(二)廃棄の許可をした右戸籍(従前許可したものを含む。)について市町村においてこれを保存する必要があると認めるときは、それが外部に流出する等により弊害を生ずることの絶対に生じないよう保存方法につき充分な配慮をする必要があるので、関係市町村と慎重に協議し、市町村においてこれを整理して厳重に包装封印して保管するものとする。
なお、右の協議の結果市町村において保管することが適当でない場合には、法務局又は地方法務局において右と同様の方法により保管することとするが、施設の実情に応じ、その所在を明らかにして支局又は出張所に分散保管することとしてさしつかえない。
(三)市町村において、その利用状況から廃棄申請を相当としない右の戸籍については、本年三月四日付当職通達による取扱いを今後とも一層厳守するとともに、謄抄本等を作成するため使用する場合以外は、包装封印して保管する等の措置をして、その記載内容が一般外部に漏れることのないよう、厳重に市町村に留意せしめるものとする。

被告側第1準備書面到着

昨日、県側の準備書面が届きました。例によって全文は次回口頭弁論後に掲載いたします。
今回、企業連の規約が証拠として提出されました。規約上は同和地区外の企業も企業連に入会できることになっています。また、非常に興味深いこととして、同和地区出身者の要件として「近世の被差別身分との系譜関係を持つ者」ということが述べられています。
話を総合すると、企業連会員の名簿から同和地区出身者が明らかになるという事実自体が全く判断できないことのように思われます。早速裏付け調査を開始します。

第1回口頭弁論

昨日、鳥取地裁にて第1回口頭弁論がありました。口頭弁論と言っても、双方から提出された答弁書と準備書面について、書面の通りで間違いないか裁判から尋ねられ、「はい」と答えるだけです。
また、今後の日程が決められました。スケジュールは次の通りです。
2月29日 被告準備書面(原告の準備書面に対する県の反論および回答です)提出期限
3月18日 13:20 龍彦が原告適格かどうかの判決言い渡し
3月21日 原告準備書面(県の反論に対する再反論)の提出期限
4月15日 11:00 第2回口頭弁論
3月18日が1つの分かれ道で、県外の鳥取ループが原告不適格になると、裁判は1人ですすめて、もう1人はそれを見守ることになります。
以下が今回の口頭弁論までに提出された書面です。PDFファイルになっていますので、クリックすると開くことができます。
平成19年11月22日 鳥取地裁事務連絡
平成19年11月28日 原告準備書面(1)
平成19年12月12日 鳥取地裁事務連絡
平成19年12月17日 事務連絡回答
平成20年1月15日 答弁書 乙号証
平成20年1月29日 原告準備書面(3)

県側の答弁書到達

現在、鳥取県を相手として行っている情報公開裁判について解説をしていますが、私は弁護士ではないため、法律的な知識については保証できません。ご質問、ご要望、ご指摘はコメント欄でお願いいたします。素朴な質問は歓迎します。
22日に県側担当の弁護士から答弁書が届きました。受領書が同封されていたので、これに署名捺印して裁判所に提出しました。弁護士の委任状が裁判所は答弁書と一緒に提出されており、これで県側担当の弁護士は正式決定です。ちなみに、この方と他2名です。
答弁書で主張されていることは、当初の異議申し立ての際とさほど変わりません。あとは県外在住の鳥取ループは原告不適格であるということと、恥ずかしい訴状のミスがいくつか指摘されていました。
県内在住の鳥取ループと県外在住の鳥取ループの2人がいるわけですが、鳥取県情報公開条例には情報開示請求できるのは県外在住者であるとの定めがあるため、県外在住の鳥取ループが原告不適格とされる可能性は裁判所から指摘されていました。このことについての反論と、さらに県に対する14項目の質問を準備書面として既に提出済みです。また、答弁書に対する反論も当日提出する予定です。
各書面は口頭弁論で陳述することで初めて有効になるため、詳細な内容については今月29日の口頭弁論までお待ちください。

鳥取県ホームページ(とりネット)から個人情報流出

日本海新聞より
“黒塗り”し忘れ個人情報流出 鳥取県ホームページ

鳥取県は二十一日、県ホームページ「とりネット」で、県情報公開審議会の答申で本来は削除する個人名と関係企業名を掲載し、個人情報流出があったことを明らかにした。一昨年秋にネットシステムを変更した際、担当者が答申書自体をそのまま添付掲載したのが原因。県は外部からの指摘を受けるまで一年以上、個人情報流出に気付かなかった。

以前の記事で指摘した件ですが、私の思ったとおり県のミスでした。個人名が載ってしまった方のところに、県の職員が謝りに来ていたようです。
自治体のサイトで様々な情報が公開されることは非常に便利なことだし、私も大いに利用させていただいているのですが、一方でこの種のミスの危険性は常にあります。とりネットの管理状況がどうなっているのか分かりませんが、自治体によっては係長と課長がそれぞれ別の管理用パスワードを持っていて、2人がパスワードを入力して掲載の承認を行わないと公開されないようなシステムになっているところもあります。今回の件でとりネットの充実度が落ちてしまうのは困るので、来年度の予算で開発してみてはどうでしょうか(業者の売り込みみたいですね)。

鳥取県情報公開条例の使い方

現在、鳥取県を相手として行っている情報公開裁判について解説をしていますが、私は弁護士ではないため、法律的な知識については保証できません。ご質問、ご要望、ご指摘はコメント欄でお願いいたします。素朴な質問は歓迎します。
鳥取県情報公開条例は鳥取県が業務上作成・収集した文書(公文書)を県民が誰でも閲覧できるように定められた条例です。これにより県民が鳥取県の業務に関する情報を知ることができるだけでなく、ほとんどの文書は県民に開示される可能性があるということで、県の職員にとっては公文書の作成や管理をいい加減にできないという、緊張感を与えることになっている考えられます。
公開される公文書は復命書、審議会の議事録、公共工事の工事記録のような、いかにも公文書っぽいものもあれば、電子メールによる職員への告知といったものまで含まれます。ただし、全ての公文書が開示されるわけではなくて、個人のプライバシーに関わるようなものは不開示処分になるか、部分開示ということになり、個人名だけ黒塗りになって出てきます。
公文書を開示させる方法は簡単で、何らかの方法(文書の作成を定めた法令や規則を調べたり、県庁に問い合わせる等)で目的の文書の存在を確認した後、所定の様式の開示請求書を県庁県民室に提出するだけです(これが開示請求です)。ただし、開示請求書を提出できるのは鳥取県の住人に限られています。しかしながら、県外在住者でも開示申出書を提出すれば、大抵の場合公文書の開示を受けられます。県内在住者でなくても、なるべく開示の申し出には応じるように条例で定められているからです。
この条例の使い道は様々です。例えば公共工事の最低価格の算定基準であるとか、公有地の用途、各種業者への営業許可状況の情報を得るといった実用的な使い方がされることが多いようです。もちろん、市民オンブズマンや政党関係者等による開示請求も相当数あります。私の場合はブログのネタにするためなので、一応「取材目的」ということになるでしょう。
開示請求したにも関わらず、文書が開示されなかったり、あるいは見たい部分が黒塗りになっていた場合、3ヶ月以内に異議申し立てを行うことができます。この手続きは「行政不服審査法」という法律で定められており、鳥取県の場合、鳥取県情報公開審議会で審査が行われます。審議会に意見書を提出したり、希望すれば口頭でも意見を述べることができます。
それでも希望通りに公開されない場合は、6ヶ月以内に、今回のような行政訴訟に踏み切ることができます。この手続きは「行政事件訴訟法」という法律で定められています。

鳥取県のサイトで見えてはいけないものが見えている件について

小ネタです。
本ブログでも紹介した平成19年5月7日鳥取県情報公開審議会答申が鳥取県のサイトで公開されているのですが、なぜか部落解放鳥取県企業連合会の部分が伏字になっています。
過去の答申を見ると■■■■■だとか■■■■■■■だとか個人名や企業名は普通に掲載してあるのですが、どうしたもんでしょう。
追記2008年1月6日
2004年7月13日の県民の声では「部落解放鳥取県企業連合会」と実名が出てますね。
追記2008年1月17日
その後の調査の結果、個人名や企業名が出ている文書は県庁が間違って掲載したもので、本来は出てはいけない情報のようです。さすがに無関係な人に迷惑がかかってはいけないので、上記記事の個人名、企業名を消すと共に、県民の声で、漏れている旨を報告しました。
記事名も「鳥取県が部落解放鳥取県企業連合会の名前をひた隠しにしている件について」から変更しました。
追記2008年1月22日
やはり県のミスでした。詳細はこちらの記事をご覧ください。

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