同和事業時代は同和地区施設の代名詞でもあった隣保館、平成14年度からは一般対策施設ということになっているのですが、今でも国庫補助が出ています。以下は平成17年度の資料で、全国の自治体の隣保館運営費の予算規模と、国庫補助額です。
大阪市と京都市が圧倒的に多いのは予想通りですが、千葉県野田市など意外な自治体が多いことにも注目です。あなたの街はどうでしょう?
同和事業時代は同和地区施設の代名詞でもあった隣保館、平成14年度からは一般対策施設ということになっているのですが、今でも国庫補助が出ています。以下は平成17年度の資料で、全国の自治体の隣保館運営費の予算規模と、国庫補助額です。
大阪市と京都市が圧倒的に多いのは予想通りですが、千葉県野田市など意外な自治体が多いことにも注目です。あなたの街はどうでしょう?
月刊「同和と在日」3月号でご紹介した、「一般対策」として行われている隣保館運営事業費等補助金の詳細資料をアップロードしました。泉佐野市、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市を除いた各市町に設置された隣保館の予算、人員数、事業内容が非常によく分かります。
大阪府というより、これは国の事業でして、半分が国、4分の1が都道府県、残り4分の1が市町村という配分になっています。最近、「国の事業のためにどうして地方が負担を強いられるんだ」、と地方の首長が不満を口にすることが多いのですが、これもそういった事業の1つと言えると思います。
こういった事業が続く背景に、隣保館が設置されている地域から国への働きかけがあります。一般対策と言いながら大阪府の場合、対象となっている施設は全てかつての「解放会館」、つまりは同和地区の隣保館です。
一方、同和対策の対象となった地域が、ほぼ例外なく整備されきってしまった現状で、当然、隣保館の存在意義には疑問をもたれています。こういった補助金が自立するべき地域の自立を阻んでいるという側面もあります。そこで指定管理者を入れたり、公民館に用途変更する自治体もあるのですが、老朽化していたり、地域に不釣合な建物で維持管理にコストがかかることから、廃止してしまう自治体が多いようです。
鳥取市の共産党市議会議員の角さんの飛脚便 WEB版286号によれば、来年から鳥取市の隣保館が人権福祉センターに名称を変更するとのことです。また、名称だけでなく設置目的も次の通りとなります。
人権が尊重される社会の実現を推進するため、地域社会全体の中で、人権啓発、福祉の向上及び住民交流の拠点となる開かれたコミュニティーセンターとして、次のとおり鳥取市人権福祉センターを設置する。
また、名称が従来の同和地区名から中学校区名に変更になり、文字通り公民館みたいなものになります。
ちなみに隣保館は会議室、図書室、調理室、大広間といった、現在各小学校区に設置されている公民館並の設備が整っており、地区外にも開放されたら、非常にメリットがあると思います。
3月議会で、珍しく同和減免の詳細が議論されていたのでご紹介します。前後のやりとりもご覧になりたい方は鳥取市議会議事録を検索してみてください。
属地・属人主義という言葉について解説しておきます。「属地」というのは、同和地区として線引きされた区域内の住民を指します。「属人」というのは、近代の被差別身分との系譜関係を持つ人を指します。「属地・属人主義」というのは、その両方を満たす人を同和対策の対象とするという意味です。
「混住地域」というのは属人でない人も住んでいる同和地区のことです。
◯村口英子議員 いわゆる混住地区について、ここでいろいろ問題を感じているのが今回こうして質問した内容なんですが、混住地区の固定資産税の減免率が縮小されようとしているのは私も承知しています。しかし、その中で、同じ地区内でいて、こっちは同和地区民、こっちはそうじゃない。隣同士であってもそうだと。一体これをどんな形で減免の対象にされるわけですか。そこには、それを仕分けするそのことが差別を残すということになることであり、また、私は担当課から聞いてびっくりしたんですけれども、いやいや、そこの地域の皆さん、だから、同和地区民だということを決して対象にしないで、どなたも、そこに住んでおられる方は申請すれば減免の対象にしますよという話を聞いているんです。そうなれば、今までは属地・属人主義だと私は認識しておりましたが、いつから属地主義になったんですか。その辺はどうですか。
◯田中克実総務調整監 固定資産税の減免、属地・属人で行われているということで、認定に関するようなことでの質問だったと思います。
固定資産税の減免は毎年、地区に出向きまして減免説明会を行った後、本人からの申請に基づき行っています。具体的には、本人から減免申請書が隣保館に提出されまして、隣保館長を経た後に固定資産税課が受け付けております。
以上でございます。
◯村口英子議員 余りすっきりした答弁ではなかったんですけれども、それで言いますと結局、私が聞きたいのは、そこに住んでいるということが条件で、どなたでも受け付けますということなのかと聞いているんです。それは一体いつから属地主義になったんですかということを聞いているんです。
◯村口英子議員 なかなかよくわからない答弁なんです。ごめんなさい、私が理解しにくいのかもしれない。要は、私は混住地域について聞いているわけです。混住地域ではよそから入ってきた人たちもいるわけ。そうしたら、あなたは違う、あなたはそうだからということが果たして行政として差別ではないのかと。私が一番近くで聞いたのでは、いやいや、そこに住んでおられる方は皆さん出してもらったら申請に対処しますよと。これもおかしな話じゃないですか。その辺はどうですかといってさっきから聞いていること。
◯田中克実総務調整監 お答えします。
属地・属人ということで、2つの条件を兼ねておられる方が減免の対象として減免を行っているというもので、確かに混住地区においては属人でない方というところは出てきますけれども、それは減免の対象とはなりません。
日本海新聞より
“黒塗り”し忘れ個人情報流出 鳥取県ホームページ
鳥取県は二十一日、県ホームページ「とりネット」で、県情報公開審議会の答申で本来は削除する個人名と関係企業名を掲載し、個人情報流出があったことを明らかにした。一昨年秋にネットシステムを変更した際、担当者が答申書自体をそのまま添付掲載したのが原因。県は外部からの指摘を受けるまで一年以上、個人情報流出に気付かなかった。
以前の記事で指摘した件ですが、私の思ったとおり県のミスでした。個人名が載ってしまった方のところに、県の職員が謝りに来ていたようです。
自治体のサイトで様々な情報が公開されることは非常に便利なことだし、私も大いに利用させていただいているのですが、一方でこの種のミスの危険性は常にあります。とりネットの管理状況がどうなっているのか分かりませんが、自治体によっては係長と課長がそれぞれ別の管理用パスワードを持っていて、2人がパスワードを入力して掲載の承認を行わないと公開されないようなシステムになっているところもあります。今回の件でとりネットの充実度が落ちてしまうのは困るので、来年度の予算で開発してみてはどうでしょうか(業者の売り込みみたいですね)。
巷には「同和地区に住んでいると、無料で車の免許が取れる」という噂がありますが、実際に日野町こんなものがあります。
昭和54年1月12日
要綱第1号
(目的)
第1条 この要綱は、現に職業に就いている同和対策対象地域の住民(以下「同和地域住民」という。)を対象に大型又は大型特殊等の自動車運転訓練を実施することにより、同和地域住民の職業能力を開発し、職業の安定を図ることを目的とする。
(対象事業)
第2条 同和地域住民を対象に大型又は大型特殊等の自動車運転免許を取得させる訓練(以下「同和対策特別自動車運転訓練」という。)は、鳥取県公安委員会の指定を受けた県内の自動車学校等(以下「自動車学校等」という。)に委託して行うものとする。
(対象者)
第3条 同和対策特別自動車運転訓練の対象者は、次の各号のいずれにも該当するものとする。
(1) 同和地域住民であること。
(2) 現に普通、大型又は大型特殊の自動車運転免許を受けている者であって、普通2種、大型(1種若しくは2種)又は大型特殊(1種若しくは2種)の自動車運転免許を取得することにより、現に就いている職業の安定が図られると認められるものであること。
(3) 経済的理由により大型又は大型特殊等の自動車運転訓練を自費で受講することが困難な者であること。
2 次に掲げる者は、対象者となることができない。
(1) 雇用対策法(昭和41年法律第132号)に規定する職業転換給付金その他の法令の規定によりこれに相当する給付の支給を現に受けている者
(2) この要綱に基づき同和対策特別自動車運転訓練の対象となったことのある者
(経費の交付等)
第4条 同和対策特別自動車運転訓練に必要な経費は、次の区分により交付するものとする。
(1) 町は、予算の範囲内において自動車学校等に委託した技能、学科それぞれの教程時間内の教習料を交付するものとする。
(2) 自動車学校等の技能指導員が補習を指示した者については、町は予算の範囲内において3時間を限度として補習料を別途交付することとし、その他の経費は個人が負担するものとする。
(協議)
第5条 この要綱に定める同和対策特別自動車運転訓練を受けようとする者は、その計画について特別自動車運転訓練に関する協議書(様式第1号)により、地域の代表者を通して、あらかじめ町長に協議するものとする。
(通知)
第6条 町長は、前条により協議のあった者について適当と認めたときは、様式第2号により本人及び地域の代表者に通知するものとする。
(訓練終了の報告)
第7条 同和対策特別自動車運転訓練を終了した者は、様式第3号により町長に特別自動車運転訓練終了報告書を提出するものとする。
附 則
この要綱は、公布の日から施行し、昭和53年4月1日から適用する。
鳥取市の竹内功市長は二十一日の市議会本会議で、同和地区住民の自立支援を目的に行ってきた特別対策事業を、来年度から廃止・縮小する考えを示した。必要な支援は通常の施策で対応し、負担の増加に配慮して激変緩和措置を講じる方針。背景には厳しい財政状況などがあり、約四十年ぶりに同和行政に大なたを振るう格好だ。同様な施策を講じている市町村は多く、他市町村にも影響を与えそうだ。
村口英子議員(共産党)の質問に答えた。
竹内市長は「生活環境の改善をはじめ、物的な基盤整備は着実な成果をあげ、かつて存在していた住環境の格差はおおむね解消された。現在策定中の第四次市同和対策総合計画では特別対策は廃止し、一般対策に移行する。人権を侵害する差別は依然として存在しており、引き続き教育、啓発には取り組む」と述べた。
また、行政が同和地区内の一部の施設で負担してきた光熱水費(二〇〇五年度実績四百五十万円)なども地元負担の方向で検討する方針。
同市の同和地区の特別対策事業は、合併時は百八事業だったが、現在は五十五まで整理統合。このうち自立支援施策(個人給付)の〇五年度実績は計一億三千七百六十万円で、内訳は同和地区住民の固定資産税の半額免除が六千百八十万円、保育料の減免が千九百三十万円、進学奨励金給付が五千四十万円など。本年度当初予算もほぼ同額を計上している。
村口議員は「地区外に住んでいても隣保館に申請すれば固定資産税が減額される旧町村地域もある。属人的な減免は行政が差別することになる」と追及。市側は第四次計画期間内に旧市の制度に統一する考えを示した。
同市の同対事業は、被差別地区の環境改善と差別解消を目的に、一九六九年に成立した同和対策事業特別措置法に基づいて始まった。同法失効後も市条例に基づいて事業を継続していた。外部のメンバーでつくる市同和対策審議会が来年二月に開かれ、今後の方針を具体的に協議する。
鳥取県の片山善博知事は27日の県議会本会議で、元県職員を名乗る人物から「過去に裏金があった」との投書があったとして、県の知事部局すべてで裏金の有無を調査する考えを示した。
投書は「今も通帳などの管理に苦しむ職員がいるのではないか。早く解決してあげてほしい」との内容で、複数の部署名を挙げているという。知事は「私の任期中は情報公開を徹底しており、不適切なことはないと思うが、良い機会なので調査する」と説明した。
追記2006年10月5日 続報です。読売新聞より。
鳥取県は4日、過去に農政課と林政課で「裏金」とみられる計約275万円がプールされていたと発表した。
備品購入などに使われ、現在も約67万円の残金があるという。私的流用があったかどうかは確認できていないが、片山善博知事は「関係職員の処分もありうる」との考えを示した。
調査は、裏金の存在を指摘する匿名の投書を受け、県行政監察監が9月下旬から全部署を対象に実施した。その結果、不適正な経理処理やずさんな管理による現金など約703万円が計23部署で確認された。
農政課では、1999年に課長補佐名で開設した銀行口座に約265万円が入金され、その後、ロッカーなど備品購入のため計約208万円が引き出されていた。林政課では、10年以上前から引き継がれてきたという現金約10万円が見つかった。いずれも出所不明で、県は何らかの公金からねん出した「裏金」とみている。
ところが、ご存知の通りその後の取材で最近まで民間企業に同和枠が存在しており、鳥取市役所自体に同和枠が存在することが明らかになりました。
ということで、「言っていることがちがうじゃないか」と市役所に電話したところ、文書で質問するように言われたため、以下の質問をメールしてみました(■■■■の部分は実在の企業名です)。
私が2月18日に文書でご質問した以下の件について、同月28日に鳥取市産業振興課長より「ご質問のような実態は過去も現在もありません」「鳥取市は把握しておりません」という回答を頂きました。
—
(1) 鳥取市同和対策雇用促進協議会(以下、同雇促)が直接または間接的に、同和関係住民の採用協力の要請を事業主に対して行うという実態は現在または過去においてあったか。
(2) 民間団体等が同和関係住民の採用協力の要請を事業主に対して行うといったことを鳥取市として把握しているか。
—
しかし今年の6月、■■■■において運動団体からの推薦で同和関係住民を優先雇用していた実態が最近まであったことを関係者より知りました。また、解放同盟関係者からは「■■■■でも同様の実態があったようだ」と聞いております。特に■■■■については、多くの人の知るところとなっており、鳥取市の職員が参加する同和研修などで運動団体の講師がそのことに触れることもあったということです。また、両方の企業とも鳥取市同和対策雇用促進協議会に参加していることと思います。さらに、鳥取市自体が隣保館職員を運動団体からの推薦で採用している実態があると、鳥取市職員課より回答を得ています。
以上のことから、質問(2) に対する「鳥取市は把握しておりません」という回答は事実と異なるのではないでしょうか。本当に鳥取市が把握していなかったのか、到底信用することはできないし、何よりも鳥取市自体が民間団体の推薦で職員を採用していることについて全く触れられないのは、とても不誠実な回答に感じました。
(2)について、なぜ「鳥取市は把握しておりません」と回答されたのか、その理由を教えていただきたいと思います。
その結果、以下の回答が返ってきました。
平成18年9月20日付けでのお問い合わせについて次のとおり回答します。
鳥取市同和問題等雇用促進協議会に参加している企業だから把握していることにはなりません。
なお、平成18年2月18日付けのご質問(2)における「事業主」とは鳥取市内の企業ということを前提に回答しています。
追伸
「両方の企業とも鳥取市同和対策雇用促進協議会に参加していることと思います」とありますが、両企業とも鳥取市同和問題等雇用促進協議会委員ではないことを申し添えておきます。
平成18年9月27日
鳥取市経済観光部産業振興課長
今年の2月15日、鳥取市の産業振興課に、いわゆる「同和枠」の存在について聞いてみました。
私) 同和対策雇用促進協議会(同雇促)について、平成14年の鳥取の同和対策総合計画に同和地区出身の新卒者の採用協力を雇用主に要請すると書かれていますが、今でも実態としてありますか?
鳥取市) えーと…これ、どういうことにお使いになられるんですか?
私) 取材活動です。
鳥取市) あくまで同雇促として同和地区の新規学卒者の雇用を企業にお願いするということですか?
私) そうです。
鳥取市) 同雇促は学校や企業や労働組合などで組織されている組織ですが、同雇促の名前で新規学卒者の就職をお願いするということはないですね。直接的には。
私) 間接的にということはあるんでしょうか?
鳥取市) 同和地区の方や障害のある方の雇用をどうするか審議するところで、同雇促の名前で直接企業に採用の促進のお願いをすることはありません。ただ、市の管理職が企業訪問する際に障害者の法定雇用率を満たすようにお願いすることはあります。
私) 俗に同和枠と言われる同和地区専用の雇用形態があるという噂を聞きますがどうでしょうか?
この後、「そんなことを知ってどうするのか?」といろいろと詮索されましたが、ウェブサイトを運営していて取材目的であることを説明しました。最終的に文書で質問をして欲しいということであったため、以下の質問を送付しました。
(1) 鳥取市同和問題等雇用促進協議会(以下、同雇促)が直接または間接的に、同和関係住民の採用協力の要請を事業主に対して行うという実態は現在または過去においてあったか。
(2) 民間団体等が同和関係住民の採用協力の要請を事業主に対して行うといったことを鳥取市として把握しているか。
(3) (1)あるいは(2)が事実である場合、採用協力はどのような基準で、誰により、どういった手続きで行われるのか具体的にご回答願います。また、過去に行われた場合、いつまで行われていたのか、および取りやめた経緯をご回答ください。
その結果返ってきたのが次の回答です。
(1)についての回答
鳥取市同和問題等雇用促進協議会には、ご質問のような実態は過去も現在もありません。
(2)についての回答
民間団体等でそのような実態があるということについて、鳥取市は把握しておりません。
次回に続く…