雇用の「同和枠」は存在するのか

同和枠と言えば、公共事業の入札制度に関してはそれに近い実態(正確には同和団体関連企業を特別に優遇する制度)があることが分かっていますが、今回は県内で囁かれている、「雇用の」同和枠をテーマとして採り上げます。
私は当初、「鳥取市同和対策総合計画」(平成14年3月 鳥取市)の以下の記述に目を付けました。

…鳥取市同和対策雇用促進協議会を中心に引き続き、新規学校卒業者及び中高年齢者の雇用促進、就職差別の解消に向けて事業主および従業員に対する同和教育の推進等の諸施策に取り組んでいきます。
具体的には、新規学校卒業者の雇用が図られるよう、事業主に対して、採用協力を要請するとともに、鳥取市としても就職支度金制度を継続して新規学校卒業者の就労がスムーズに行われるよう努めます。また、中高年者の終了が促進されるよう、職業安定行政機関等との連携により、就労情報や職業訓練情報の入手が容易に行われるための支援機能の構築を検討していかなければなりません。
地区住民の就労にあたっては、当然のように企業の理解や協力が必要であることからも、企業訪問の際に事業主をはじめ人事担当者等に対して、啓発・要請を行っていくとともに、適正な応募書類の仕様や公正な選考体制の確保を要請していかなければなりません。

この「採用協力」というのは同和枠を意味するのでしょうか?鳥取市に電話で問い合わせたところ、この文書に出てくる同雇促(鳥取市同和対策雇用促進協議会)については、同和地区住民について採用協力を要請することはない、ということでした。では「他の団体ではそういったことはあるのか?」と突っ込んだところ、「文書で質問してほしい」ということでした。
早速文書で問い合わせてみたところ、現在も過去においてもそのような実態はなく、同雇促以外の民間団体等でもそういった実態は把握していないという答えが返ってきました。しかし、同和地区住民の雇用の促進は「同和対策審議会答申」でも触れられており、地区住民を積極的に雇用するよう各種通達が国からも出ていたはずなので、現在はともかく過去にもないというのは眉唾物でした。
やはり、過去には鳥取市自体が行っていました。以前の記事で採り上げた、保育園の同和加配保母を地区出身者から採用するという制度です。この制度は1973年から始まったもので、解放同盟の推薦を受ければ、事実上無試験で採用されるというものでした。しかし、この制度は市議会で問題になり、2000年頃には廃止されています。
民間企業においてはどうでしょうか。倉吉市のとある企業を電話取材した際に、同和枠なるものはあるのかついでに聞いてみたところ、地区出身者を特定しないような選考を行っているので、そんなことはできない、ということでした。当然と言えば当然のことで、同和枠を設けるなら地区出身者を特定しなければならず、採用選考にあたって身元調査をしないという大原則と矛盾してしまいます。
やはり、同和枠は単なる噂に過ぎないのではないか…と思いかけていたところ、新たな情報を得ることができました。結論として、県内の民間企業でもそう遠くない過去にありました。また、公務員については現在も続いているものがあるということです。
(次回に続く…)

湯梨浜町の「同和問題についての住民意識調査」

湯梨浜町で「同和問題についての住民意識調査」が行われているとのことです。地元の方から調査票がアップロードされました。以下を、ご覧下さい。

質問内容は以下の通りです。選択肢や小さな子項目については省略しています。

問1.自分自身の人権は守られてると思いますか。
問2.今までに他人の人権を侵したことがあると思いますか。
問3.「結婚式は対案の日にする」とか「葬式は友引の日にしない」などの風習について、どう思いますか。
問4.就職や結婚のときに家柄・財産・親の仕事や地位などの身元調査をすることを、あなたはどう思いますか。
問5.同和地区や同和問題について意識することがありますか。
問6.同和地区や同和問題のことについて初めて知ったのはいつごろですか。
問7.同和地区や同和問題のことをあなたが始めて知ったのは、どのようにしてですか。
問8.同和地区の人たちに対する差別が今でもあると思いますか。
問9.過去3年間のうちに、同和問題を学習する会(推進大会、講演会、研修会、部落座談会、部落問題懇談会、学習会、訪宅実践など)に何回ぐらい参加されましたか。
問10.あなたは湯梨浜町内で発生している差別事象について知っていますか。
問11.同和問題について、ここ2~3年の間に家族で話題になったことがありますか。
問12.あなたはここ2~3年の日常生活の中で、部落差別をするような発言や態度の場に居合わせたことがありますか。
問13.学校等(保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校)での同和教育について、あなたのお考えに近いものはどれですか。
問14.同和地区を中心に周辺地域を含めた生活環境の改善や生活の向上のために国や県、町が行ってきた同和対策事業(道路整備・環境改善事業等)についてどう思いますか。
問15.同和問題について、これからあなた自身が知りたいことや勉強したいことを最大3つまで選んでください。
問16.同和問題についての理解を深めるためにはどのような方法がよいと思いますか、特に重要と思われるものを最大2つまで選んでください。
問17.同和問題を解決するにはどうしたらよいとお考えですか。お考えに近いものを最大3つまで選んでください。
問18.同和問題についてのご意見をお聞かせ下さい。

ちなみに問8については「まだまだ多くの課題を抱えており差別事象も発生しているのが現状です」という「正解」が送状に書いてあります。
鳥取県は全件でも意識調査を実施しています。平成16年度の調査では湯梨浜町内で回収されたサンプルは82件に過ぎないので、町が独自にさらに詳細な調査をやろうということだと思います。私の知る限り、こういった独自の調査は智頭町や旧船岡町でも行われていました。

結婚差別をテーマにした詩

これは、「もっとすてきになるために」の1998年版に掲載されていたものです。これは鳥取市(旧市)の全戸に配布されました。「もっとすてきになるために」の作成は現在は鳥取市人権情報センターにより行われていますが、当時は鳥取市教育委員会が担当していました。
なお、この冊子には何の説明もありませんでしたが、この詩の作者の井上泰子氏は大阪の部落解放同盟関係者です。もちろん、詩の内容は鳥取のものではありません。北芝は、大阪府箕面市に実在する同和地区です。

きっと笑って会える日を 井上泰子
お兄さん
元気ですか
二年前の六月 八年ぶりに会えた時の
感激は忘れません
お互い 言葉もなく
なつかしさと 嬉しさで
胸がはりさけそうでした
言葉が なかなか 見つからず
ただ 涙ばかり あふれました
私が「北芝」の人と
結婚がしないといった時
「親に こんな想いまでさせて…」と
ショックで 床にふせた
お母さんの前で 言われましたね
今でも 私を恨んでいますか
親不孝な 妹だと思っていますか
そのお母さんも 今は
“部落問題”にぶつかって
「人間にとって いちばん大切なことが 見えてきた
自分の中の何かが 変わってきた」
と言ってくれています
でも…
このあいだ 家に帰ったとき
「お兄さんの結婚話が また だめになった」
と聞きました
「私のことが 原因しているのかなぁ」と聞いたら
「そんなこと ないと思うけど…」と
私に よけいな心配をかけまいとしながらも
言葉を 濁してしまいました
そのことを聞くたびに 胸が痛みます
決して 後悔したり
卑下 しているのではないのです
むしろここに来て 本当に よかった と
誇りをもって 言いきれます
だけど
お兄さんの 結婚話が
うまくいかない と聞くのは
本当に 辛いです
お兄さん!
もっと強くなって!
そんなことで、結婚をためらうような人
こっちから おことわりや!
勝手な 言いぐさかもしれないけれど…
そのくらいの気持ちに なってほしい
もし そのことで
お兄さんが 私を恨んだり 憎んだり
しているとしたら…
部落に嫁いだ妹より
「部落差別」を憎んでください
でも
きっと いい人が現れると思います
私と「北芝」の出逢いがあったように
やさしいお兄さんだからこそ
きっと きっと いい出逢いが…
お姉さん
「部落の人とは 親せきになりたくない」
と猛反対した お姉さん
あれっきり
一度も 会ってないけど
子どもたちは 大きくなったでしょうね
Tちゃんは もうすぐ 高校生?
私みたいな 妹がいることは
知らないのかなぁ
でも
Tちゃんたちも 大きくなって
学校で 社会で “部落問題”にぶつかった時
子どもに どう 言いますか?
「差別しろ」と言うのですか
もし
万が一 そうだとしたら
あと 何十年たっても
会えることは ないでしょうね
でも
私は 信じています
お姉さんは 私のこと
“かたときも 忘れてはいないし
いちばん 気にしてくれている”と
いつか 会える日を
楽しみにしています
きっと 笑って 会える日を

続きを読む

山田幸夫書記長から電話がありました

同和関連補助金に対して鳥取市がずさん処理していた件で、21日部落解放同盟鳥取県連の山田幸夫書記長(鳥取県議会議員)に連絡を求めたところ、23日の朝、電話がありました。以下はその要旨です。

山田書記長:
○○さん(開示請求者)と私とのやりとりは簡単なやりとりで、解放同盟の補助金の書類を見せていただきたいと来られたわけですが、これは市の内部監査を受けて議会で承認を受けた補助金であるということです。
ただし、内部の領収書や証憑書類について開示という考え方はありません。そのことについては非開示とさせていただきます。ひとつご理解をいただきたいと、それだけのことです。
私:
謝ったという事実はないということですか?
山田書記長:
これを聞かれて、謝ったことになりますか?
私:
勘弁して欲しいとは言っていない?
山田書記長:
言っていない。全然。農協でもなんでも、そういった書類を開示することはないです。
私:
開示請求者からは手を突いて謝ったと聞いていますが?
山田書記長:
それは年上の人に対する仕草で、失礼なったらいけないと思って経緯を評して立てたわけです。

また、今回の件は解放同盟や山田書記長に対する名誉毀損であるので謝罪して欲しいとのことでした。
私としては、開示請求者が県庁のOBで監査を行っていたことを山田書記長が知った上で、手を突いて頭を下げたことから陳謝したものと判断しており、謝罪は拒否しましたが、今後県連に対して連絡を取り合うことを提案しました。

鳥取市同和問題企業連絡会規約

鳥取市同和問題企業連絡会規約・設立趣意書・補助金交付要領をアップロードしました。Adobe Readerでご覧下さい。
鳥取市同和問題企業連絡会規約・設立趣意書・補助金交付要領
規約の第2条によれば、鳥取市同企連の目的は以下の通りです。

本会は、同和問題の早急な解決が国民的課題であり、同時に企業に要請される社会的責任であるとの認識に立って、関係行政機関、運動団体等と強調しつつ、会員相互が連携し、同和問題に対する正しい理解と認識を深め、雇用の安定と促進を図ると共に、企業の立場から同和問題の解決に資する事を目的とする。

そして、第4条では「本会の会員は、前2条の目的に賛同する企業であって、鳥取市内に事業所を有するものとする。」とあります。
問題は、現在鳥取市人権推進課内にある事務局に関しては、9条で規定されています。

第9条 事務局には事務局長及び事務局次長若干名を置き、事務局長と事務局次長は、幹事会の決定に基づき代表幹事が委嘱する。
2 事務局は、事務局長の所属する企業内に置く。

もちろん、このままでは現状は規約違反になってしまうので、以下の附則が付けられています。

2 第9条第2項の規定は、当分の間鳥取市役所内に置くと読み替える。

続きを読む

「社員の結婚問題(被差別部落の方との)には最大限配慮する」企業

以下は「同和問題・人権問題研修資料-事業所における同和問題・人権問題の取り組み方-」(平成12年5月/鳥取県)に掲載されていた、鳥取県内の企業での啓発活動の例です。
この企業に関する情報を求めています。心当たりのある方はご連絡下さい。

D社における同和教育の取組み
(1) 同和教育推進における基本方針
私たちは事業活動を通じて、①『人権意識を高め、人間尊重を実践する』と共に国民的課題といわれる、②『同和問題の解決』を実現するよう努める。
(2)取組みの経過
わが社は創業者(初代社長)が身体障害者・学歴等の問題を克服しながら社業を発展させてきた経緯がある。そのため、従業員は学歴・出身地等に関係無く採用し家族的な仲間として共に苦しみ、喜び合ってきた。しかし、会社の発展と共にハード・ソフト両面共に近代化に努めてきたが、部落差別解消についえの取組みは別段していなかった。けれども、同和問題の解決は国民的課題といわれ企業として取り組むべく会社の最大課題という認識で労使一致し、1990(平成2)年より本格的に取り組んだ。まず、専任指導員を置きこれを中心に同和教育推進委員会を設置して、関連会社を含め全社員一体で取り組むこととした。
(3)推進委員会
D社における同和教育の取組み

(クリックで拡大)

(4)研修
年度始めに、本部・事務局。各支部労組代表と共に昨年度の反省をもとに当該年度の推進計画をまとめる。内容は、基本方針・研修の内容・社内・社外研修の計画・情報活動その他等。
①全社員研修
a. 全職勤務時間内に同和問題を主とし同一内容で指導員を中心に行う。
b. 人権問題、人権尊重を主とし各推進員を中心に職場討議を行う。
②新入社員研修
新入社員研修(3月下旬)の一環として行う。また、各支部単位での地域の新入社員研修に参加する。
③全推進員研修(含む 本部委員)
外部団体主催の研修会に必ず1回は参加し、研修を深める。特に県外の
○部落解放西日本講座、部落解放全国研究集会、人権啓発研究集会には各支部から1名は参加し、そのうち本部委員が1名は参加する。
○部落解放鳥取県研究集会には、当該支部は10名、その他の支部で12名計22名の参加とする。
○鳥取・倉吉・米子市の研究集会には各支部で計画的に推進員の数は参加する。(できるだけ一般社員が参加できるよう配慮する)
参加者は、必ず報告書を事務局に提出する。「(同教だより)思い合い(愛)」に掲載する。
(5)推進員の責任
推進員は、上記の研修会だけでなく積極的に地域の研修会等に参加し、その内容等を職場で生かすよう努力する。具体的には、社員の結婚問題(被差別部落の方との)には最大の努力をする。お客さんと心の通い合う人間関係に努める。職場での人権問題・同和問題に対する討議の時間の確保に努める。
(6)地域社会・家庭への還元・協力
①自分の住む地域の懇談会・研修会には積極的に参加し、報告する。
②社員の子どもさんが通学する小・中学校の同和教育公開学習には、積極的に協力する。
社員が公開学習の通知を事前に提示した場合、勤務の一態様とみなそ、その学習を参観・研究会に参加をするめ、家庭で授業を中心に話し合うこととし、その結果を報告する。
(7)社員に対する啓発情報活動
①社内報「(同教だより)思い合い(愛)」を毎月発行する。内容は、研修会の内容・感想、外部団体の研修会の報告、新聞・啓発紙の紹介、公開学習報告、地域懇談会報告等。
②各支部に解放新聞・ヒューマンライツを配布し、回覧する。

人権条例の早期施行を求める署名が提出される

以前、本サイトで紹介した「人権条例の早期施行を求める署名」(参考:「自治労鳥取による条例推進署名は3倍増し」)が提出されました。
以下は日本海新聞の速報です。詳細は明日の朝刊で。

人権救済条例早期施行の署名15万人
部落解放同盟鳥取県連合会の友好団体などが16日、見直しが進められている県人権侵害救済条例の早期施行を求め、全国から集まった15万人分の署名を鳥取県と県議会に提出した。

オリエンタルラジオネタの隣保館職員処分へ

部落解放同盟青年部のホームページを運営し、部落解放同盟関係者でもある隣保館職員が、掲示板でオリエンタルラジオの武勇伝ネタをやっていた件で、処分される模様です。
以下、毎日新聞のインターネット版より引用します。
同和対策事業:鳥取市隣保館職員、個人HPで揶揄--市、処分検討 /鳥取
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tottori/news/20060615ddlk31040276000c.html

同和行政にあたる鳥取市立倉田隣保館(同市八坂)に勤務する20代の男性職員が今年3月、自分が運営するインターネットのホームページ(HP)上で、同和対策事業を揶揄(やゆ)する内容の書き込みをし、市民の指摘で削除していたことが14日分かった。市職員課は「公務員の信用失墜行為に当たるか調査中だが、何らかの処分は免れない」としている。
同市によると、職員は今年1~2月ごろ、自分が運営・管理する部落解放同盟青年部向けのHPの掲示板に「武勇伝、武勇伝」のフレーズで有名なお笑いグループ「オリエンタルラジオ」のネタに合わせ、同和事業をちゃかすような内容を数回書き込んでいた。隣保館内のパソコンも2、3回使用したという。(以下略)

続きを読む

同和問題研修に積極的に取り組んでいる事業所の一例

鳥取県内の同企連企業では社員向けの同和問題研修が行われます。特に、四社懇企業のように、非常に熱心な企業というのも存在します。
私の手元に「同和問題・人権問題研修資料-事業所における同和問題・人権問題の取り組み方-」(平成12年5月/鳥取県)という資料があります。その中に、同和問題研修に積極的に取り組んでいる事業所の「好事例」として2つの例が掲載されていました。
以下、1つめの企業の研修の中身を紹介します。

①新入社員研修会…合宿研修(社内・社外講師による公園 意識調査 2時間程度 1回/年)
②全従業員研修会…各部会単位(ビデオ・グループ討議・ワークショップ・社内・社外講師による講演1.5~2時間程度 2回/年)
従来の研修では、ビデオ、講演の後、感想あるいはアンケート調査により社員の意識の状況を把握していましたが、一方通行に終わりやすく、また、内容においても消化不良のままで終わってしまう懸念もあり、座談会形式の場を設定し、部落差別事象や啓発映画を教材として「常日頃から疑問に思っていること」、「同和問題に対する考え方」、「差別をなくすため自分としていかに行動するか」等につき、皆が自分の意見を発表し、グループ討議を行い、討議結果の発表、意見交換の後、社内講師による指導・助言を受ける相互研修方式をとり入れています。また昨年は、ワークショップも体験し自分にできる周囲への働きかけを認識することも行っています。
③ 役職員研修会…全役職員(主任・係長・課長・部長・グループ討議・社内講師による講演2時間程度 2回/年)
全従業員研修のグループ討議においてまとめ役をするための事前研修として実施。
④ 幹部研修会・協力会社幹部研修会…労使幹部、協力会社幹部(社外講師による講演 2時間程度 1回/年)
同和問題解決の中心的課題である就職の機会均等を柱に、講義方式と相互研修方式にて研修を進めています。

この企業がここまで熱心に同和研修に取り組むきっかけは、関連会社が「部落地名総鑑」を購入していたことに端を発します。徹底した同和研修は現在も続いており、2005年度も同様の活動を行っています。講演については、社内の講師によるもの、解放同盟によるもの、その他の学識経験者によるものと3パターンあり、その比率はおおよそ同じくらいです。気になる講師への謝礼については、同企連の活動の一環ということもあり、支払ってはいないということでした。関係者曰く、「ぶっちゃけた話、いくら払おうといった提案をしても、先方が必要ないというので菓子箱程度で済ます」ということです。

2005年度同和教育推進体制
この企業の2005年度同和教育推進体制

研修以外の活動では、ヒューマンライツ等の書籍を1冊づつ購入している他、「人権標語募集」というのがあります。これは「全社員その家族からも募集、入選者は人権週間に表彰、入選作品は各職場朝礼にて1ヶ月間唱和」するというものです。2004年の応募点数は523点で、社員の参加率は100%です。ちなみに、朝礼で唱和された優秀作品は以下の通りです。
・「差別の芽 見抜く心と摘み取る勇気」
・「差別だと気づく知識と言う勇気 誰かが待ってる あなたのひとこと」
・「摘みとろう 心に芽生えた差別の芽 咲かせよう やさしい心で人権の花」
・「ゲームのようにリセットできない心の痛み 意識を高める人権学習」
・「見つけよう 私の中の差別の芽 広げよう全ての人に人権意識」
ここまですると同和地区出身者の社員はかえって「引く」のではないかと思いますが、2つめの事業所はさらに上をいっていました。その詳細は、近日報告します。

鳥取市同和問題企業連絡会会員名簿

鳥取市同和問題企業連絡会の会員名簿と役員名簿が公開されました。
役員名簿の個人名は代表幹事を除いて不開示となっており、企業名だけが公開されています。役員名簿の筆頭にある中国電力、鳥取三洋、日ノ丸自動車は同企連のコアグループとして重要な役割を果たしている企業です。鳥取の主要都市にある同企連の全身は、これら3社にさらにオムロン倉吉を加えた四社合同同和問題連絡会(略称・四社懇)です。これらの企業に共通することは、いずれも部落解放同盟の糾弾を受けていることです。そのきっかけとなったのは、1980年前後に起こった「部落地名総鑑事件」でした。中国電力、鳥取三洋、オムロン(オムロン倉吉ではなく京都のオムロン本社)はい部落地名総鑑を買った企業です(日ノ丸自動車については未確認です)。
四社懇の設立は1982年であり、これらの企業では早くから社内での同和研修に取り組んできました。しかし、なぜかその後もこれらの企業では「差別事件」が続発します。そして、1990年には鳥取市同和問題企業連絡会が設立されました。
鳥取市同企連は9つのグループに分けられています。以下は、役員名簿と各グループごとの名簿です。鳥取市の名だたる企業はほとんど名前を連ねているので、鳥取市にお住まいの方は、お勤めの企業名が入ってるかも知れませんね。
代表幹事
中国電力㈱鳥取支社
副代表幹事
鳥取三洋電気㈱
日ノ丸自動車㈱
グッドヒル㈱
㈱鳥取銀行
鳥取いなば農業協同組合
幹事
鳥取中央郵便局
西日本旅客鉄道㈱米子支社・鳥取鉄道部
日本生命保険(相)鳥取支社
日ノ丸西濃運輸㈱
㈱損害保険ジャパン鳥取支店
大和建設㈱
鳥取県農業協同組合中央会
㈱山陰合同銀行鳥取営業部
㈱鳥取大丸
やまこう建設㈱
リコーマイクロエレクトロニクス㈱
会計監査
朝日生命保健(相)山陰支社
山陰リネンサプライ㈱
第1グループ
㈱鳥取銀行
鳥取中央郵便局
朝日生命保険(相)山陰支社
住友生命保険(相)鳥取支社
鳥取市立病院
鳥取信用金庫
日ノ丸慣行㈱(ニューオータニ)
日ノ丸産業㈱
日ノ丸ハイヤー㈱
㈱斧谷晴壹商店
第2グループ
グッドヒル㈱
西日本旅客鉄道㈱米子支社・鳥取鉄道部
㈱HRD
大鳥機工㈱
㈱三協商会
聖和精機㈱鳥取工場
太洋住研ホーロー㈱
日立金属㈱鳥取工場
ミサワホームサンイン㈱
鳥取県畜産農業協同組合
第3グループ
西日本電信電話㈱鳥取支店
やまこう建設㈱
えびす本郷㈱
(財)中国電気保安協会鳥取支部
中電プラント㈱鳥取事業所
東部タクシー㈱
鳥取瓦斯㈱
㈱モリックスジャパン
第4グループ
鳥取三洋電機㈱
大和建設㈱
山陰リネンサプライ㈱
菌興椎茸協同組合
弘信観光㈱鳥取営業所
㈱田中建設
第一生命保険(相)鳥取支社
大山乳業農業協同組合鳥取支所
富国生命保険(相)鳥取支社
(財)鳥取県保健事業団
第5グループ
中国電力㈱鳥取支社
リコーマイクロエレクトロニクス㈱
アクサ生命保険㈱鳥取支社
資生堂販売㈱鳥取支社
商工組合中央金庫鳥取支店
㈱中電工鳥取支店
鳥取市水道局
日本海信販㈱
日本海テレビジョン放送㈱
三井生命保険(相)鳥取支社
第6グループ
鳥取いなば農業協同組合
日ノ丸西濃運輸㈱
㈱ウエスコ鳥取支社
コクヨ事務用品工業㈱
㈱サンマート
㈱ソルコム鳥取支店
第一道路施設㈱
日本通運㈱鳥取支店
㈱日照プレス
㈱マルテ
第7グループ
㈱損害保険ジャパン鳥取支店
日ノ丸自動車㈱
イオン㈱ジャスコ鳥取店
㈱エヌ・ティ・ティネオメイト東中国鳥取支店
㈲亀井堂
三洋製紙㈱
㈱大晃工業
日本放送協会鳥取放送局(NHK)
㈱藤原組
第8グループ
鳥取県農業協同組合中央会
日本生命保険(相)鳥取支社
㈱今井書店
公立学校共済組合鳥取宿泊所
全国共済農業協同組合連合会鳥取県本部
鳥取県信用農業協同組合連合会
鳥取県農業共済組合連合会
日本交通㈱
富士火災海上保険㈱鳥取支店
第9グループ
㈱山陰合同銀行鳥取営業部
㈱鳥取大丸
大同生命保険㈱鳥取支社
山陰信販㈱鳥取支店
㈱富士通中国システムズ鳥取事業部
全国農業協同組合連合会鳥取県本部
日本赤十字社鳥取県本部
明治安田生命保険(相)鳥取支社
医療法人明和会 渡辺病院

次のページ →