鳥取地裁第7回口頭弁論

便宜的に第7回としていますが、正式には鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判の3回めの口頭弁論が今日ありました。

こちらが、鳥取市がら提出された書面です。

鳥取市-被告第1準備書面.pdf

重要なのは以下の点でしょう。

・平成23年度の7月20日以降に減免された件数は1623件、総額は2558万7400円。
・対象地域は、要は同和地区
・対象資産は、同和地区住民が所有する土地、家屋、農地等

しかし、まだ分からないことがあります。上記の総額は件数からして鳥取市全体の総額に見えるのですが、原告が求めているのは下味野の同和地区で行われた減免措置の違法確認です。その件数と額が分からないと、住民訴訟の対象の処分が分かりません。

それから、鳥取市の説明だと、いわゆる「属地主義」のように見えますが、市議会では総務調整監が「属地・属人」主義だと明言しています。場所で分かるなら、なぜ同和減免の申請用紙に人権福祉センター(旧隣保館)長の印が必要だったのかこれでは分かりません。これは言ってしまえば、少なくとも最近まで鳥取市の隣保館の職員の採用は同和枠(解放同盟の推薦)であって、館長も同盟員なので、本庁が属人認定を隣保館に委託していたということなのだと思いますが。

今回は質問の機会がなかったため、次回の口頭弁論で質問することになります。

また、裁判官から鳥取市に対して、この減免措置が鳥取市税条例58条第1項に当たる具体的な事情を明らかにするように求めがありました。以下の条文の太字の部分です。

第58条 市長は、次の各号のいずれかに該当する固定資産のうち、市長において必要があると認めるものについては、その所有者に対して課する固定資産税を減免することができる。
(1) 貧困により生活のため公費の扶助を受ける者の所有する固定資産
(2) 公益のために直接専用する固定資産(有料で使用するものを除く。)
(3) 市の全部又は一部にわたる災害又は天候の不順により、著しく価値を減じた固定資産
(4) 前3号に定めるものを除くほか、特別な事情がある者の所有する固定資産

どう回答するべきでしょう。

次回口頭弁論は5月15日13時15分に行われます。その前に4月26日までに鳥取市から書面が提出されます。

滋賀県の上告理由書と上告受理申立理由書

滋賀県が保有する同和対策地域総合センター要覧等を公開させるための裁判ですが、最高裁に記録が到達して事件番号が決まりました。双方が上告と上告受理申立をしているので、4つの事件番号が振られています。

滋賀県による上告
平成25年(行ツ)第30号
滋賀県による上告受理申立
平成25年(行ヒ)第37号
私による上告
平成25年(行ツ)第31号
私による上告受理申立
平成25年(行ヒ)第38号

上告は憲法違反等を審理してもらう手続きで、上告受理申立は法令違反などを審理してもらう手続きです。法律上は、前者は憲法違反等があれば最高裁は必ず審理しなければならず、後者は審理するかどうかは最高裁の裁量次第となっていますが、前者であっても憲法違反等があるかどうか判断するのは最高裁自身でなので、外から見る限り事実上はあまり違いがないようです。要は最高裁の気分次第です。

滋賀県の上告理由書および上告受理申立理由書はこちらです。

滋賀県上告理由書-H24-12-26.pdf

大阪高裁が公開を命じた地域総合センターの名称電話番号所在地一覧について、これは滋賀県自らが作成した同和地区一覧という意味合いがあるので、部落地名総鑑をもしのぐ決定版になってしまうということが述べられています。もし、大阪高裁の判決が確定しまうと、さんざん同和地区一覧だと滋賀県が言ってきた情報が公開されるわけで、形式的には滋賀県の勝訴でも生殺し状態にされてしまうという危機感が伺えます。

また、インターネットで公開されている市町の条例で、センター要覧作成当時から変わっていないのは守山市矢島町にある同和対策集会所だけだという趣旨のことも述べられています。1つ1つ検討せずに、ほとんどの自治体の条例がネットで公開されているからと言って、一覧を全部出すのは雑だというわけですね。

ちなみに守山の同和対策集会所ですが、地元をよく知る人に聞いてみると、その名前に似合わず「校区全体で使われる公民館になっている」そうです。実際に地図を見ると「玉津会館」という、小学校区の名前を冠した公民館になっています。隣保館ではなく集会所であることから伺える通り、矢島町の同和関係世帯数は非常に少ないという事情もあるようです。

東京地裁の判決が出ました

人権侵犯事件の証拠開示を求めて法務省と争っていた裁判の判決が言い渡されました。

判決-H24-2-7.pdf

形式的には3対1で私の勝訴となるのですが、判決内容は要は「大阪市同和地区マップ以外の部分は開示」ということなので、同和地区マップを開示させられなかった以上、実質的には私の敗訴となります。従って、控訴するつもりです。

判決内容については控訴する時に詳しく解説しますが、一番重要な点は法務局が大阪市同和地区マップを削除要請したことは、公共の福祉に適合するので、憲法違反ではないという点でしょう。

また、部落地名総鑑のようなものを排除するのが法務局の正当な業務ということです。しかし、それならば図書館から大阪市の同和関連の文献を残らず焚書しなければ、その業務の目的は達成できないということになりまして、事実上永久に差別はなくならないということになります。

示現舎ムック 同和と在日7―糾弾ビジネスの正体見たり! 予約受付開始

電子雑誌「同和と在日」の書籍版第7弾、「同和と在日7―糾弾ビジネスの正体見たり!」の予約を開始しました。

「同和と在日」シリーズはこれが最終巻となります。また、電子雑誌「同和と在日」もひとまずこれで終わりとなります。

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本号の見どころは、滋賀県で密かに行われたパナホームとエイブルネットワークに対する糾弾。その背後を探ると、企業からの怪しげな金の流れと、野洲市行政による集金代行が明らかに。そして、公費で行われた部落問題講演会で講師の口から語られたのは「同和地区に住めば、あなたの子供は50年後には差別される」ということ。“糾弾ビジネス”と差別の無限ループの実態に、これまでになく深く迫ります。

鳥取県からは、本誌最後で最大の電波物件、「糾弾地蔵」をレポートします。他にも本誌でしか読めない話題が満載です。

目次
リベラルな電波グラビア館
メディアの暴走 |VS[#縦中横] 同和タブー 週刊朝日「ハシシタ 奴の本性」の『本性』
総力取材 「同和と企業」 解放同盟に狙われたエイブルとパナホーム
韓国マンセー! 杉浦正健元法相と真宗の最前線事情
鳥取県琴浦町・日韓友好交流公園「風の丘」に民団特権は実在した!
同和事業の黄昏を見つめる怨念の「糾弾地蔵」―鳥取県岩美町
本誌「同和と在日」が全国放映!個人情報保護とソフトウェア規制という愚民化政策
ひっそりと“小西”の名を留める「飛鳥会」の今を追う
神奈川県三つ巴同和事情
鳥取県の同和事業の貴重な文書が次々と廃棄処分中
鳥取市の同和向け住宅貸付資金の実情は?
同和行政3方面バトル日記③ 2012年11月
同和行政3方面バトル日記④ 2012年12月

横須賀市の同和住宅について、こんな記事が…

全日本同和会大阪府連合会の機関紙、「あけぼのKANSAI」2011年3月1日号を読んでいたら、このような記事がありました。
あけぼのKANSAI
神奈川県でYの付く市と言えば横浜市と横須賀市しかないので、同和と在日をご覧になった方は、ご存知のことかと思います。

横須賀市の担当者にしてみれば、自分が担当の時だけ何事も無く終わればいいと考えるのが人情で、行政のトップが決断を下さない限りはズルズルと問題は長引いでしまうでしょう。何より、問題の存在自体がメディアに採り上げらることはなく、横須賀市民にほとんど知られていません。

鳥取地裁第6回口頭弁論

鳥取市下味野地区の固定資産税の減免要件の公開を求め鳥取市を提訴した件、1月11日午後3時30分に第6回口頭弁論が行われました。この裁判は、今回で結審です。

一方、減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判は今回が2回めの口頭弁論ということになり、まだ続きます。

今回の口頭弁論で提出された書面はこちらです。

まず、情報公開訴訟について、鳥取市側が乙11~12号証を提出したことが確認され、これで結審するという旨が裁判官により宣言されました。

原告被告双方とも意義はなかったため、判決言渡し日時は3月15日13時10分に設定されました。

情報公開の件に関しては、少なくとも原告の全面勝訴の可能性はありません。というのも、原告が公開を求めた文書のうち、同和減免の対象区域を定めた地図については、裁判を通じて一切触れられていないので、これについて公開命令が出される可能性がありません。

あり得るとすれば、ひとまず、存否応答拒否処分が取り消され、改めて公開か非公開の処分が鳥取市によりされるべきという判決が出ることです。もちろん、存否応答拒否処分が維持される可能性はありますが、事実上下味野に同和地区があるということは明るみになってしまっているので、その点を裁判官がどう説明するのかということが注目すべき点です。

次に、固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求める裁判について、原告は準備書面と甲5~12号証を提出し、鳥取市側は乙1~2号証を提出しました。原告の資料は、下味野に穢多村があり、そこで同和減免をしたことは解放令に反して違法であることを主張するものです。一方、鳥取市は特に主張はせずに、裁判所の求めに応じて市税条例など税の制度に関する資料を提出しました。

次に裁判官はこう言いました。

「原告が平成23年7月20日以降の減免について違法確認を求めているのは、住民監査請求の1年前からという趣旨だと思います。被告からは、減免措置が廃止になったという資料が提出されていますが、具体的にいつの時点で廃止になったのか分からないので、そのことを説明した準備書面を出して欲しいと思います」

この意味するところですが、地方自治法によれば、住民監査請求そして住民訴訟の対象になる税の減免は、住民監査請求の日から1年前までなので、それより前の減免については裁判で争うことができません。そこで、実際に請求の対象となる税の減免があったのかどうかということを裁判官は確認したいものと考えられます。

鳥取市は約1か月後までに書面を提出し、3月8日午後3時15分に次の口頭弁論が行われることが決まりました。

私が把握している限り平成23年7月20日以降の同和減免は、全て経過措置として行われているもので、実は同和減免は平成22年度いっぱいで廃止されています。仮に平成22年度までの減免が違法なものなのであれば、その廃止を前提とした経過措置としての減免も違法なのかということは興味深いものだと思います。

今回の目的は同和減免が違法なのかどうかを判断してもらうことなのですが、確かに裁判所としては「元の減免が違法か適法かに関わらず、経過措置は適法」と判決して、同和減免についての判断を避けるという方法があるのかも知れません。しかし、違法な税の減免があっても、その経過措置なら適法という判決を出すのは、それはまたそれで凄い気がします。

行政が見解書のテンプレートを用意して行われる糾弾会

同和と在日9月号でレポートした「糾弾ビジネスの正体見たり!総力取材 「同和と企業」解放同盟に狙われたエイブルとパナホーム」。糾弾された企業、業界団体、そして行政は「見解書」を用意させられました。こちらにそれをアップロードしております。

パナホーム&エイブル事件行政見解書.pdf

パナホーム見解書.pdf

これらを見て、最初に思ったことは、妙に立派な見解書だということです。滋賀県と始めとする行政に関しては、この手の「差別事件」は初めてではないですし、人権擁護局からも支援を得られるので手馴れたものでしょう。しかし、民間団体である宅建協会、全日本不動産協会、さらにパナホームの見解書までもが、言ってみればベタベタの文章になっているのは不思議な事です。

これには裏がありました。これら民間企業や団体に対しては行政側から「テンプレート」が用意され、この文例に沿って見解書が作られるわけです。

見解書テンプレ.pdf

ちなみにこの見解書、本ブログでも以前に紹介したオイレスECO株式会社の「従業員差別発言事件」のものです。こうやって、作成された見解書はまた後々の「学習資料」として使われます。

さて、糾弾会の中盤になって企業側が見解書の作成や糾弾会への参加を徹底拒否したらどうなるのでしょうか? 当然、解放同盟の面子は立たないし、解放同盟の矛先は企業から行政に向かうことになります。そこで、行政としてはこのようにわざわざ「テンプレート」を用意してでも、何とか見解書を書いて下さいとなるわけです。

しかし、これがどのように「部落解放」につながるのか、地区住民の権利利益につながるのか、そういう視点は全く無いように思われます。全ては「差別事件の処理」というマニュアルに従って、行政と運動団体のメンツを立てるために、形式的に事が進められていくのが現状です。

同和減免された税の徴収を求めた裁判の争点

鳥取市下味野で同和減免された固定資産税を徴収するように求めた裁判の次回弁論に向けた準備書面を提出しております。

原告第1準準備書面.pdf

今回の争点は明治4年太政官布告第449号、すなわち「解放令」です。

そもそも、同和減免は租税法律主義に反していて、憲法84条違反だ、地方税法367条違反だという考えもありますが、今回の件に関してはそんなことは瑣末な問題で、一般論で終わらせては意味は無いので、具体的に下味野の旧穢多地に対して税を減免したことが違法だと主張することにしました。

住民監査結果で伏せ字にされた解放令や、下味野という具体的な地域について、ちゃんと説明してもらうには、そうするしかありません。

東京地裁第2回口頭弁論

人権侵犯事件の証拠開示と人権侵犯事実不存在の決定を求めて国を提訴した件、12月11日に2回めの口頭弁論がありました。被告(国)と原告(私)が提出した書面はこちらです。

被告準備書面(2).pdf

原告第2準備書面.pdf

法務省の書面によれば、法務省は「個人情報開示制度において、本人がその情報を知り得ているかどうかは開示情報であるかどうかに関係がない」「国立国会図書館で閲覧できても、公開されていることにはならない」としています。これに対して総理府の所管する情報公開・個人情報保護審査会は既に逆の判断、つまり「大阪市部落マップは本人がブログに載せているのだから、知り得ているとどまらず、既に拡散されている」「大阪市部落マップは国立国会図書館で誰でも閲覧でき、公開されている」という趣旨の判断をし、それを情報を開示するべき理由としています。

重要なことは、このように個人情報に関する見解は政府機関の間でさえ食い違うことがあり、役所がそう言っているからと言って、必ずしもそれが真の答えとは限らないということです。法律を解釈する最終的な権限は裁判所にありますから、とことん争ってみないと分かりません。

今回は特に目立ったやりとりはなく、双方の書類を確認後、結審されました。

判決は来年、2013年2月7日1時15分に言い渡される予定です。

同和地区の場所を公開させるための上告理由書

滋賀県が保有する同和対策地域総合センター要覧等を公開させるための裁判、上告理由書と上告受理申立理由書を提出しました。最高裁は多忙で熟読してはもらえないということなので、いずれも3ページにまとめました。こちらにアップロードしています。

上告理由書.pdf
上告受理申立理由書.pdf

一昨年の9月以来、ブレずにひたすら同和地区の場所を公開させることを目的とし、大阪高裁では、同和地区の場所は非公開ながらも、同和対策地域総合センターの名称や位置等の公開を命ずる判決が出ています。

この件のいったい何がおかしいのか、一番下にある今回の裁判の最大の成果物である表に凝縮されているでしょう。この表のうち「センター名の類型」「施設名の類型」は私が調べたものですが、それ以外の情報は既に行政が公開しているか、大阪高裁の判決で公開が命じられた情報です。

そして、滋賀県はこの表は同和地区一覧と同等である旨を裁判で主張しました。私もそれに同意しました。事実、これらの施設は例外なく同和地区内か同和地区近辺にあるのですから。そして、そのことを裁判所も認めています。民事訴訟で両者の意見が一致していることを、勝手に裁判所が違うと言うことはできないですから。

ところが、裁判所の判決は「同和地区の場所を特定する情報は差別につながる情報だから非公開情報だ」「地域総合センターの一覧は個人の権利利益を侵害せず、公開しなければならない情報だ」というものでした。しかし、「地域総合センターの一覧は同和地区の一覧と同じようなもの」なわけです。滋賀県に至っては「滋賀県版部落地名総鑑」とまで言っておりました。これでは、裁判所はいったい誰の権利利益を守りたいのか分からないわけです。

この判決が確定したら、滋賀県は「同和地区の場所を晒すのは許されない差別行為だ」と相変わらず言い続けることができるでしょうし、一方で私は「裁判所も差別される場所と公式に認定した、滋賀県版部落地名総鑑が公開されました」と言うことができます。裁判所によれば、どちらも正しいのです。

一方でまた、裁判所は今の時代一度流布された情報は取り返しがつかないとも言っています。これは正確には誤っていて、部落解放運動や同和対策事業により何十年も前から同和地区の場所の情報は流布されていて、特に滋賀県の場合は解放同盟が滋賀県と一緒になって同和地区の一覧表を出版したわけですから、半永久的に情報が消えることはないと考えられます。

そのような中で「建前だけの秘密」を貫くことが、差別解消のために何の役にも立たないことに気づくべきではないかと思います。過去に公表され、図書館にも所蔵されているような情報を今さら知るな、言うなということは表現の自由、学問の自由に反することはもちろん、知っているのに知らないふりをして白々しい議論をすることを強制するのは、非常に気持の悪い世の中です。

だからこそ、今の時代になっても同和は気持ち悪がられるわけです。

もし、大阪高裁の判決のまま最高裁で確定して、何かいい事があるとすれば、「最高裁判例」ということを錦の御旗にして同和対策事業で作られた公共施設の場所を、各地の自治体に情報公開請求しまくれるということくらいでしょうか。それでいて、同和地区は差別される場所だから公開できないので、施設の意義や事業の成果を自治体が説明するのは難しいでしょうね。

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