滋賀県庁には同和地区が分かる文書が存在する

非公開決定_2008-623

滋賀県知事宛のメールの回答で存在が示唆された同和地区を示す文書について確認するために行った情報公開請求の結果が送られてきました。結果は全面非公開です。
非公開理由は次のとおり、「不存在」ではないので、これで滋賀県人権施策推進課には同和地区の場所を示す文書が存在することが確認できました

滋賀県情報公開条例第6条第1号に該当
 特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがある情報であるため。

以前の記事でも指摘したとおり、小集落改良事業といった同和対策事業の対象地域名の多くがインターネットで公開されており、栗東市甲賀市等の自治体のサイトで確認することができます。従って地名程度の情報であれば今さら公開したところで個人の権利利益を害するといってもあまり説得力がありません。もう1つの考え方としては、「別に公開してもらわなくても、大体の場所は知っているよ」ということです。
正直なところ、私とっては滋賀県内の「同和地区がどこにあるか」ということより「同和地区がどのように把握されているか」という情報が重要であり、このブログをご覧になっている多くの方の興味の対象も後者であると思います。具体的には、文書というのが地名リストなのか、地図なのか、世帯名簿なのか、という点です。
ということで、同和地区を示す文書のうち、少なくとも表題、様式、内容の項目名等、地域や個人名を判別できない部分は公開するように求めて異議申し立てをしました。

愛荘町役場に同和地区の場所を示す文書は「不存在」

愛人第16号愛人第12号


愛荘町に対して同和地区の場所を示す文書を情報公開請求した結果、6月19日付で公文書非公開決定通知書が届きました。非公開の理由は「不存在」です。もう1つの情報公開請求も同様の結果です。文書が存在しない以上、公式には同和地区の場所を町は把握していないということになりますので、今後は電話で問い合わせしたところで「把握していないので答えられない」、ということになると思います。
ちなみに、愛荘町就労指導員設置要綱が送られてきたことについては、異議申し立ての結果、愛荘町側が誤った文書を特定したと認められたため、複写料金の請求も含めて取り消しとなりました。

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県立高校にある「同和地区出身生徒の名簿」について保護者から突っ込まれる

鳥取県の「県民の声」で面白いやりとりがされているのでご紹介します。2008年5月27日の「学校内での人権意識」についてです。

問1:ホームページの意見欄になぜ「同和地区リスト」と記載されないのですか。
(答) 過去の回答において、「同和地区リスト」の表記を使用しなかった理由についてですが、「同和地区リスト」という表記は、結婚差別や就職差別に利用された「部落地名総鑑」を連想させることから、あえてその表記を行わなかったものです。
問2:県立高等学校における「同和地区リスト」の作成状況について回答してください。
(答) 「部落地名総鑑」の類のものは当然のことながら所有していません。
 「同和地区出身生徒の名簿」(以下「リスト」と表記します。)の作成状況についてですが、平成14年3月31日に「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(特別措置法)が失効するまでは、国庫事業を主とする同和対策事業 (地域改善対策事業)が実施されていたので、事業実施の必要からリストが作成されていたと認識しています。
 なお、現時点における各県立高校におけるリストの作成状況については把握していません。
 収集した個人情報は教育活動にどのように活かしていくかという点が重要であり、管理方法が、リストなのか、個票なのか、特定の教職員の記憶の中にとどめるのかといったことは、その学校の規模やその個人情報の活用方法等によって異なり、それぞれの学校の判断に委ねています。
問3:引き続き各学校への指導を継続したいということですが、どのような指導をされるのですか。具体的に指導内容についてお答えください。
(答) 前回の回答でも触れましたが、「人権に配慮された安心して学べる環境づくり」についても人権教育の一環として位置づけており、各学校では、障害や病気、国籍や同和地区出身であることなど、理由の如何を問わず、いじめや仲間はずし、あるいは差別的な発言や落書き等が起きないよう十分留意するとともに、収集した個人情報も活用しながら、人権課題の当事者となる可能性がある生徒に対して日頃から配慮するよう各学校を指導しています。
 また、学校で人権学習に取り組む際においても、当事者の心情を考慮し、当該生徒の心に大きな負担を与えたり、不安を残すことのないよう、学習の進め方を工夫するなどの配慮を行う必要があり、こういった取組や手法等についても、各学校へ指導を行っています。(「日頃の配慮」)
 このことについては、平成20年4月に文部科学省から公表された「人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ]」にも次のとおり明記されています。
 「個別の人権課題に関する学習を進めるに当たり、児童生徒やその保護者、親族等の中に、当該人権課題の当事者等となっている者がいることも想定される。教職員の無責任な言動が、児童生徒の間に新たな差別や偏見を生み出すことがあることを認識するとともに、個人情報の取扱いには、十分な配慮を行う必要がある。」
 傷ついた心を癒すことや、一度崩れた人間関係を修復することは困難で時間がかかります。不登校や退学に発展する可能性もあり、将来に大きな影響を残すこととならないよう、日頃からの配慮が重要である旨学校への指導を行っています。
問4:「指導を行う上で必要な生徒のみの当該情報」とありますが、なぜ、同和地区に住所があるだけで指導を行う上で必要な生徒」に該当するのですか。同和地区に住んでいるだけで、なぜ指導が必要なのですか。
(答) 前回の回答に誤解が生じているようです。説明不足をお詫びします。
同和地区に住所があるだけでは指導が必要な生徒には該当しません。
 保護者の方との面談や家庭訪問の際に、「子どもが差別を受けて傷つくのではないか」と部落差別に対する不安や「差別に負けない人間になってほしい。」など保護者としての希望をお聞きすることがあります。その場合には、当該生徒に対し、生徒面談の機会などを利用し、学校生活全般を通じて不安を抱いていないか確認するとともに、必要に応じて不安を取り除くよう指導を行うこととしています。また、学校で人権学習に取り組む際にも、事後に感想を聞くなど確認した上で、必要に応じて指導を行うこととしています。(「必要な指導」)
一方、保護者の方との面談等の際に、「同和地区出身だけど、子どもを同和地区出身者として扱ってほしくない。」、「同和地区出身だけど子どもに特別な配慮は必要ない。」といったお話を伺うこともあり、そのように不安を抱えておられない場合には、原則としてこのような指導を行うことはありません。なお、生徒の様子から指導が必要と判断した場合には、保護者の方と相談の上で指導を行うこともあります。
問5:この問題は、私だけの問題ではなく、同和地区保護者全体の問題だと考えますので明確な回答を願います。
(答) 質問に対する回答は概ね説明のとおりですが、これらの取組が必要とされるのは、現在においても残念ながら部落差別が存在しているからです。
平成17年に県が行った「同和問題についての県民意識調査」において、半数を超える方が「部落差別は存在する」と回答されています。また、子どもの結婚の際に相手の身元調査を行うことに約35%の方が肯定的な回答をされています。
このような現状の中、県教育委員会としては、同和問題を含むあらゆる人権問題の解決に向けて、学校教育のみならず社会教育の場面でも人権教育を推進していくこととしています。
同和地区出身の方々の中にも色々なご意見があることは承知していますが、現実に部落差別に不安を感じている保護者の方や生徒がいる以上、学校としては前述の「日頃の配慮」と「必要な指導」に取り組む必要があります。そのためには、個人情報保護条例に基づき適切に管理することを前提に、生徒の同和地区出身である旨の個人情報を保有しておく必要がありますのでご理解いただきますようお願いします。
 
 なお、当初の県民の声で、「県立の高等学校内で、同和地区生徒のみを対象とした文書をクラス全員の前で配布された事があり」と記載されていましたが、さぞかし不快な感想を持たれたと思います。その行為は、明らかに前述の人権教育の一環である「人権に配慮された安心して学べる環境づくり」に反する行為です。
 よろしければ、「いつ」「どこの高校」で「どのような文書」が「どのような状況」で配布されたのかご連絡いただければ、当該県立高校の個別指導を行いたいと考えています。
【6月16日掲載】 

「同和地区出身生徒の名簿」の作成事務については以前、個人情報保護審査会に諮問されているようで、平成18年5月30日の議事録にそれらしい記述がありました。

【人権教育課(以下「人権」と略す。)説明】
同和地区生徒等指導事務について説明。
【質疑】
委員 要するに生徒をきめ細かく指導するために必要であるということか。
人権 そのとおり。
委員 人権問題の解決のためにという制限があるので特に問題はないのではないか。

学校で同和地区の児童生徒が把握されていることは秘密でもなんでもないことでしたが、そもそも「どうして同和地区の児童生徒を判別できるのか」という問題については、また詳報することになるかも知れません。

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滋賀県知事宛のメールの回答が届きました

以前私が滋賀県知事宛に送ったメールの回答が郵送されてきました。回答の内容は次のとおりです。

先日いただきましたメールについて、知事から人権施策推進課より回答するよう指示がありましたので、次のとおりご返事いたします。
はじめに質問1については、各市町の判断によるものです。
次に、質問2の提供先は、財団法人滋賀県人権センターです。
次に、質問3については、まず、えせ同和行為とは同和問題を口実に不当な要求をする行為であり、その相談窓口は各地方法務局や各警察署に設置されています。
また、部落解放同盟滋賀県連合会は、県内の同和地区を従前から把握しております。
なお、同和対策の特別措置は、県では現在実施しておりません。
次に、質問4については、県情報公開条例第6条(1)の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当するため、お答えできません。
最後に、質問5については、差別事件報告会の資料に関する質問であり、差別事件には当たらないと考えます。

私の問い合わせは差別事件ではなかったということで、ほっと胸をなでおろしたいところなのですが、1点聞き捨てならないことが書かれています。
質問4というのは、私が愛荘町内の地域総合センターの所在地が同和地区かどうか質問したものですが、同和地区の場所を示す文書ついては5月29日付けの決定通知書で情報公開条例に従い「不存在」と結論が出されたはずです。しかし、情報公開条例第6条(1)により答えられないということは、人権施策推進課には、同和地区を判別できる情報が存在するということになります。同和対策の特別措置を実施していないのに同和地区の場所が把握されているというのもおかしなことです。
滋賀県情報公開条例に従って説明責任を果たしていただくため、所管課を指定して公文書公開請求書を提出しました。請求した公文書は次のとおりです。
人権施策推進課が保有する以下の文書。
・同和地区の地名が分かる文書
・同和地区の区域が分かる地図
・同和地区に設置された地域総合センターが分かる文書

鳥取県議会で部落解放鳥取県企業連合会の入札制度の問題が質問される

度々このブログでとりあげてきた、部落解放鳥取県企業連合会の入札制度の問題が、鳥取県議会で採り上げられました。質問に立ったのは、共産党の錦織議員です。
鳥取県議会のインターネット放送でご覧ください。30分頃から本題に入ります。
ちなみに、ぱっと出てきた資料というのはこれのことだと思います。
[2001.4.26]企業連役員との協議会
[2001.5.27]同和地区建設業者育成連絡協議会
[2001.10.22]企業連役員との総括会議
[2002.5.13]企業連役員との協議会
[2002.8.28]企業連役員との協議会
[2002.9.25]企業連役員との協議会
[2002.12.13]企業連役員との協議会
[2004.5.20]企業連役員との協議会
[2005.6.6]企業連役員との協議会
市町村で行われている協議会の資料というのがこれです。これは鳥取市の分ですが、米子や倉吉など他の市町村でも公文書開示請求すれば出てくると思います。
[2002]鳥取市と企業連の協議会
[2003]鳥取市と企業連の協議会
[2004]鳥取市と企業連の協議会
[2005]鳥取市と企業連の協議会
[2006]鳥取市同和地区建設業者育成連絡協議会-参加要請
[2006]鳥取市同和地区建設業者育成連絡協議会-回答書
[2006]鳥取市同和地区建設業者育成連絡協議会-添付資料
私の知らない事実もあったようで、解放センター(企業連と部落解放同盟鳥取市協)で勤務していた商工会議所職員の給料は国から補助されていて、平成18年度から補助が打ち切られてからは市協がほとんど活動できない状態になっているようです。職員への給料の補助の打ち切り→市協が活動不能に→鳥取市の補助金が執行不能に…といろいろな事柄がリンクしてきました。

愛荘町と滋賀県に対する情報公開請求の結果

滋賀-決定通知書

以前行った情報公開請求の結果が来ました。
愛荘町に対する情報公開請求は、5月28日付けで公文書公開決定通知書が届きました。しかし、公開請求書の公文書の名称または内容の欄には「愛荘町就労指導員設置要綱(平成19年4月1日告示第34号) 第1条にある、旧地域改善対策特別措置法(昭和57年法律第16号)第1条に規定する対象地域(いわゆる同和地区)」と書いたのに、決定通知書ではなぜか「愛荘町就労指導員設置要綱(平成19年4月1日告示第34号) の写し」書き換えられていました。
担当課に電話で確認したところ、もっと具体的に書いて再請求して欲しいとのことでしたので、長塚、川久保、山川原の各地域総合センターが所管する同和地区(同和対策あるいは地域改善対策としての固定資産税の減免や就労支援、住宅改良事業等の対象地域)が分かる住所一覧、地図等の文書。」とさらに具体的に書いて請求書を提出しました。
しかし、請求者に何の断りもなしに、請求対象を変えてしまうというのは、やってはいけないことのはずですし、そのようなことをされて複写料金を支払うわけにもいかないので、ウェブサイトでも公開されている「愛荘町就労指導員設置要綱」を送ってきたことについては複写料金の請求を取り消すように異議申し立てしました。
滋賀県に対する情報公開請求は知事から5月29日、教育長から6月2月付けで決定通知書が届きました。要点としては同和地区の場所を示すような文書は不存在とのことです。
愛荘町については、はぐらかされたような形になってしまいましたが、少なくとも滋賀県に関しては、堂々と同和地区を情報公開請求すると、文書不存在とはいえ知事または教育長の公印が押された文書で回答してもらえるということです。当たり前のことなのですが、あくまで条例に従って粛々と手続きが進み、事務処理上必要なことは聞かれますが、開示理由を詮索されたりということはありません。
愛荘町に電話で問い合わせた方の場合のように、門前払いされた上に差別事件として扱われて、あれこれ事情を聞かれるということもありません。情報公開制度を使わずに、電話で問い合わせた方にとっては、なんとも不条理で不公平なことになってしまいました。

人権問題関係新聞記事リストについて取市人権情報センターへの回答

遅くなってしまいましたが、過去の記事「鳥取市人権情報センターの人権問題関係新聞記事リスト」の、明日の日本を考える会から鳥取市人権情報センターへの質問状の回答を掲載します。回答は平成20年5月15日付けで出されています。
H20-5-15-人権情報センター1H20-5-15-人権情報センター2

問題の記事リストに解放同盟鳥取市協の補助金問題が掲載されていないことについては、多岐にわたる人権問題関係の記事を全て掲載することは困難という主旨の回答です。
なお、人権情報センターの役員名簿はこちらから見ることができます。皮肉なことですが、部落解放同盟鳥取市協議会議長(山田幸夫県議会議員)と、告発を行った中川俊隆鳥取市教育長の両者が理事に名を連ねています。