恵子に同和地区がある福岡県筑紫郡那珂川町では同和対策が行われている市町村を特定すると差別になる

タイトルの通りです。詳しくはこちらをどうぞ。
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事のあらましを簡単に説明すると、那珂川町で共産党の平山ひとみ議員が、同和事業として行われている個人給付について町議会で説明したところ、表題の趣旨で懲罰動議を出されたということです。同和行政が行われている自治体ではよくあることと言えます。

承知の通り那珂川町に限らず、同和地区の地名に関することは差別につながるから、ことごとく非公開とされているのが現状です。広報に同和地区名が明記されていようと、たとえ課税要件だろうと、最高裁も「差別につながるから非公開」という判断を下している以上、そういうことになるでしょう。

それはおかしいことではあるのですが、今回のことについては、党としての共産党もおかしいところがあります。

実は去年の4月に滋賀県の甲賀市で、同じような理由で共産党が懲罰動議を出しています。詳しくは、こちらを御覧ください。

甲賀市の件は、近江八幡で隣保館を全廃した副市長が甲賀市でも同和行政を縮小したので、解放同盟の支持を受けた議員がそのことを質問する中で、同和地区の数や世帯数を尋ねたことを、差別だと言って共産党が懲罰を求めたわけです。

結局、解放同盟にしても、アンチ解放同盟の共産党にしても、同和地区の特定が差別かどうかなんてどうでもよくて、それぞれが政争の種に利用しているわけです。

こういった不毛なことを無くすためには、私がかねてから主張しているとおり、同和地区の場所を公開することです。

那珂川町の恵子という場所には部落解放総合センターという、非常に分かりやすい名前の施設があったようなので、どうせ懲罰されるなら、共産党はそういうことも議会なり懲罰委員会で話題にした方がよいのではないでしょうか。

10月は「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」啓発推進月間です

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」啓発推進月間が始まりました。

啓発と言っても、何1つ正確な情報は伝えられないと思いますので、ここで事実を述べておきます。

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」はザルです。その理由は次の通りです。

  • 個人の居住地や出身地の住所を調査することは禁止されていない。
  • 個人の親族等の関係者の居住地や出身地の住所を調査することは禁止されていない。
  • 過去に大阪府や大阪市やその関連団体が同和地区の場所を出版物で明らかにしている。
  • 個人が部落解放同盟・全国地域人権運動総連合・全日本同和会・自由同和会・部落解放同盟全国連合会・全国水平同盟等の同和団体に所属しているかどうかを調べることは禁止されていない。
  • 調査業を行っていない人は条例による規制対象ではない。

例えば、探偵や調査業者に「この人が同和地区出身者か調べて欲しい」というと断られてしまうので、とりあえず「同和」という言葉は終始使わずに「この人と、できれば親兄弟の現住所と過去の居住地の住所一覧が欲しい」と依頼します。

業者から報告を受け取ったら、自分で、図書館等で読むことができる以下の資料と照合します。

50年のあゆみ地区紹介.pdf

大阪の同和事業と解放運動.pdf

大阪府解放会館名簿.pdf

大阪市同和事業史

「自分で」行うのがポイントです。調査業者の仕事が終わった後に、勝手に調べるのであれば条例は関係ありません。

個人が部落差別を受ける要件は何なのか統一した見解というのはありませんが、とりあえず司法において高裁レベルでは、同和地区に居住していた人、同和地区の出身者(言い換えると過去に同和地区に居住した経歴がある人)が該当すると判断されているようです。

同和地区環境整備事業について鳥取市情報公開・個人情報保護審査会の答申

鳥取市の合併特例債で行われた同和地区環境整備事業の記載計画書の一分が黒塗りされた件で異議申立てしていたのですが、情報公開・個人情報保護審査会の答申が出ました。もちろん不開示です。

H24-3-22 鳥取市決定書.pdf

理由は、同和地区が分かると住民にとって不利益になるからだそうです。西品治児童館と市道国安11号線の部分だけ黒塗りにしたので「西品治」と「国安」が同和地区の名前だと分かってしまったではないかと突っ込んだのですが、受け入れられませんでした。

ただ、付帯意見としてこんなことが書かれています。

本件処分は、工事名の内、具体的な町名部分のみを不開示としているが、異議申立人によると容易に施設名及び市道名が特定できるとのことである。この特定が正しいとしても、誤りであるとしても、特定された地域の住民にとって不利益となる可能性は否定出来ない。

部分開示を行う場合は、既に公表されている情報等を踏まえ、不開示とした情報を推測されないよう開示方法に細心の注意をはらうように実施機関に対して要請する。

これは突っ込みどころがいくつかありまして。まず「特定が正しいとしても、誤りであるとしても」としていますが、以前、同和減免の対象地域を非公開にしたときは同和対策のための集会所と地区会館の名称と市は同和地区名を明らかにしたものではないので問題ないとしていました。「同和地区名が特定できる」ことが問題なのか、「同和地区名だと思われる」ことが問題なのか、はっきりしません。

ちなみに、答申の中に「異議申立人は、鳥取市のホームページ等で得られる情報の中から、工事の時期、予算額等により施設名、道路名が容易に分かると主張する」と書かれていますが。私は異議申立書に「ホームページ」というようなことは一言も書いていない上、照合した文書がどこにあるどの文書なのかということも書いていません。にもかかわらず「ホームページ」という言葉が出てくるのは、審査会の誰かか事務方が実際に鳥取市のサイトで確認したのだと思います。実際に確認すれば分かりますが「同和対策事業費」で行われた西品治児童遊園整備事業の金額とぴったり一致しますし、「同和対策市道」と堂々とかかれた書類には市道の名前がそのまま出ています。特定できることは確認済みのはずで、「特定が正しいとしても、誤りであるとしても」ととぼける理由がありません。

答申本文には「市の他の文書で確認できる工事は、単に事業名を公にしているものであり、同和地区名を公にしているものではない」と書かれていますが、「同和地区環境整備事業」なら同和地区名を公にすることになるのに、「同和対策事業費」や「同和対策市道」なら同和地区名を公にするものではないという説明は苦しいのではないかと思います。

「不開示とした情報を推測されないよう開示方法に細心の注意をはらうように」とは何を意味するのでしょうか。それなら、事業記載計画書をほとんど黒塗りにしてしまわないといけないわけで、そんなことをしていれば同和がからむ事業はほとんど「使途不明金」になってしまいます。かつて国費で同和対策事業をやっていた時代であっても、さすがにそんなことはしていなかったと思います。

滋賀県同和地区情報公開裁判 4月12日判決へ

地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第8回口頭弁論では双方が提出した証拠の確認がされました。これは、情報公開・個人情報保護審査会が大阪市の同和地区一覧は公開情報であると判断した答申と、それに反して法務局が大阪市の同和地区一覧を不開示とした裁決書です。

証拠と証拠説明書はこちらからご覧ください

これについては、審査会の答申と行政側の判断のどちらを裁判所が重視するかによって、判決に影響があるものと思われます。

そして、今回の口頭弁論で結審しました。

4月12日午後1時30分に判決が言い渡されます。判決の言い渡しは形式的なものなので、当日裁判所に言ってもたぶん法廷には裁判官と書記官以外誰もいないのでご注意ください。

19日は滋賀県同和地区情報公開裁判第8回口頭弁論です

明後日1月19日13時30分に、大津地方裁判所で地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第8回口頭弁論があります。

いつも傍聴室は空いているので、ぜひ大津地裁まで傍聴にお越しください。

滋賀県同和地区情報公開裁判第7回口頭弁論

昨日9月24日は、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第7回口頭弁論でした。

前回の口頭弁論では、滋賀県側は裁判官から、同和対策地域総合センターの全ての黒塗り個所について、どのような情報であるか説明することを求められました。そして、口頭弁論の前に小包で届いたのが338ページにおよぶ書類が滋賀県から届けられました。書類は、要覧の黒塗り個所があるページをまとめたもので、黒塗り個所の1つ1つについて、吹き出して注釈が付けられていたものです。

乙54 同和対策地域総合センター要覧非公開部分.pdf

今回の口頭弁論では、この書類についての確認がされました。

裁判官 「自治会名について、同和地区名が冠されているものと、そうではない単なる自治会名があるが、これはどのようなものですか。」
滋賀県 「同和地区の中の、さらに小さな単位の自治会名です。」
裁判官 「同和地区名とあるのは、自治会名が同和地区名であると。」
滋賀県 「そうです」

これで争点は出尽くしたようで、裁判官からこれで結審するかどうか検討するという発言がありました。ただし、次回の口頭弁論の期日は設定されており、それまでに裁判所から何らかの釈明を求められるか、あるいは私か滋賀県のどちらかが申し出て書面を出すことができます。ただ、私の方からこれ以上書面を出すことはないと思います。

次回の口頭弁論は来年の1月19日、13時30分です。

「同和対策地域総合センター要覧」の詳細な説明が滋賀県より出されました

滋賀県内の同和地区に設置された地域総合センターを解説した文書を、滋賀県は同和地区や施設名が分かる部分を黒塗りにして開示していたのですが、これに詳細な解説がつきました。黒塗り部分がどのようなものか、吹き出しで説明されております。以下からご覧になれます。

乙54 同和対策地域総合センター要覧非公開部分.pdf

これは滋賀県同和地区情報公開裁判の第7回口頭弁論に向けて滋賀県が裁判所の求めに応じて提出したものです。まだ文書の公開は決まっていないのですが、その前に実質的に文書の内容が明らかになっているような状況です。

ここまで解説されてしまえば、時間をかけて調べれば黒塗り部分のほとんどを穴埋め問題のように解いてしまえそうな気がしますね。

滋賀県同和地区情報公開裁判第6回口頭弁論

昨日9月22日は、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第6回口頭弁論でした。

毎度の事ですが、最初は型通りの書面の確認です。原告側は原告第4準備書面のとおり陳述、被告側は被告第5準備書面のとおり陳述と確認されました。

今回は、最初に私への質問です。

裁判官:台帳は請求の対象文書に入っているという認識ですか?
原告 :はい

台帳というのは、同和対策事業に関する地図に書かれた番号に対応する事業の内容が書かれた台帳のことです。この台帳の存在は、裁判で滋賀県の説明があるまで知りませんでした。私は台帳は地図に付属しているものと思っていたのですが、滋賀県によれば、別々のもののようです。そこで、前言を翻して、

原告 :別のものということであれば、被告が言うとおり請求の対象でないということに異論はありません。

と、答えておきました。重要なのは同和対策地域総合センターと地図で、台帳については、もし必要なら裁判で争うまでもなく別途請求すればよいと考えたためです。

次に、裁判官から県に対して質問がなされました。

裁判官乙4号証(同和対策地域総合センター要覧)についての内容説明について、これだけではよく分からない部分があります。こちらから1つ1つ指摘するよりも、被告の方でまず全部説明してもらえますか。
滋賀県:時間をいただければ。

第3回口頭弁論で、県はセンター要覧の黒塗り部分について説明しているのですが、主要な部分を抜き出して説明しただけです。県は全ての類型について説明したと言っていたのですが、裁判官はその点に疑念を持っているようでした。「全部説明」というのは、つまりは表紙と目次を含めると398ページあるセンター要覧の全ての黒塗り部分について1つ1つ解説せよということではないかと思います。

県の書面の提出期限は10月31日です。私の悪い予感が当たれば、再び小包で大量の書面が届くのではないかと思います。

次回の口頭弁論は11月24日、13時10分です。

滋賀県同和地区情報公開裁判第6回口頭弁論被告準備書面

前回に続いて、今回は被告(滋賀県側)の準備書面です。

被告準備書面・証拠書類

今回は、県人権施策推進課長の長文の説明書が付属しています。

前回の口頭弁論で、裁判官からなぜ同和地区の情報が情報公開条例第6条第6号(事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報)に該当するのか説明を求められていまして、書面はそれに答えるものです。要約すると、滋賀県民が同和地区がどこにあるかといった情報を入手したり、調査してはならないと啓発をしており、同和地区の場所を滋賀県自らが公開してしまうと、啓発の内容と矛盾してしまい、県民から不審と疑念を抱かれると説明されています。

準備書面もおおよそ同じような内容で、同和地区の所在地を調査することは差別行為と書かれています。

しかし、私が何度も説明してきた通り滋賀県では情報公開条例により誰でも県が保有する行政文書の公開を求める権利を保障しており、その上で県は同和地区の所在地が書かれた行政文書を保有しています。従って、同和地区の所在地を調べることは、条例により保障された当然の権利であって、差別行為でも何でもありません。つまり、滋賀県は事実に反する誤った啓発を県民に対して行っているわけです。

滋賀県は同和地区の所在地を公開することは県が行っている啓発と矛盾すると言っていますが、本当は同和地区の所在地を公開することが正しくて、啓発の内容の方が間違っているから矛盾が生じているだけではないかと思います。

滋賀県同和地区情報公開裁判第6回口頭弁論原告準備書面

9月22日13時30分より大津地方裁判所で、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第5回口頭弁論が行われます。既に原告側の準備書面を提出しました。被告側のものも近く届くと思われます。

原告準備書面・証拠書類

毎回原告側が同和地区はどこで、同和地区住民が誰なのか詳細に解説するのが恒例となりつつありますが、今回は愛荘町の長塚地区について解説しています。要は、地元でここまで大っぴらになっている情報を、特別に保護する必要はないのではないかということです。また、同和地区のようにある程度の大きさを持った土地の区域を個人情報として扱うのは、条例を拡大解釈し過ぎではないかということに触れています。

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