広島高裁松江支部第1回口頭弁論

既に忘れられかけている鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判ですが、まだ続いています。

以下が双方が提出した書面です。

控訴状.pdf
控訴理由書.pdf
甲33 部落解放1988-03神林村判決.pdf
甲34 部落解放研究1988-05神林村判決.pdf
訂正申立書.pdf
鳥取市長-答弁書-H270917.pdf

判決は11月25日 13:00に言い渡される予定です。

昔、「神林村差別裁判」というのがありまして、これは神林村の湯の沢という地区が、いわゆる未指定地区だったのですが、同和地区を対象とした貸付制度の対象にならないとはおかしいと裁判になった事件です。この時は、裁判所が湯の沢は被差別部落であり、同和貸付制度の対象となると認定しました。

同和対策にとって有利な事例では、具体的な同和地区の場所を示して審理したのに、同和対策に不利になれば審理すらしないのはおかしいというのが控訴人の主張です。

鳥取市の主張は、要は「同和地区の場所が分かる文書の提出命令を申し立てて墓穴を掘ったのは控訴人側ではないか」ということです。

住所でポン!が提訴されました

私が開設している、いわゆる「住所でポン!」、現在名称「ネットの電話帳」が京都の島崎法律事務所というところから提訴されました。

裁判のための特設ページを設置したので、訴状などの資料はそちらを御覧ください。

代理人とされる弁護士は、旧社会党系のいわゆる人権派弁護士のように見受けられます。しかし、法律事務所のサイトを見るといわゆる「ネットに強い弁護士」のようでもあります。

私が訴えられる側なので、今回は逆に私が解放同盟になったつもりで対処してみようかと思います。今後は特設ページと、したらばのスレで報告します。

鳥取地裁判決

鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判の判決が出ました。判決文は以下にアップロードしております。

鳥取地裁-判決-H270605.pdf

やはりと言うべきか「下味野の同和減免の資料を高裁も最高裁も開示させなかったので、下味野で同和減免があったかどうか分からない、よって却下」という判決です。この判決を利用すれば、同和地区を隠れ蓑にいろいろと出来そうな気がします。

例によって控訴して、高裁判例にして、最高裁にも持っていきます。

鳥取地裁―判決言渡し期日が決まりました

鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判ですが、ようやく結審しました。

判決は 6月5日 13:10 に言い渡されます。

どのような結果になるかは予想もつきません。

勝つか負けるかはともかく、同和減免の是非に踏み込むのであれば「日本最古の法律」の問題を裁判所が判断する可能性があります。しかし、難しい問題に直面すると、それ以前のところで判断を回避して逃げられてしまうということが、日本の裁判所ではしばしばあります。

鳥取地裁―2015年3月25日弁論準備手続

3月25日に鳥取地裁で弁論準備手続が行われます。以下の書面を提出しました。

原告第6準備書面.pdf
甲32 鳥取市監査委員-鳥取市職員措置請求に基づく監査の実施について(通知)-H240801.pdf

鳥取市は前回の弁論準備手続で、そもそも下味野に同和減免があったかどうか特定されていないと主張しました。

しかし、住民監査請求の過程で同和減免の存否が問題になったことはなく、原告は対象となる同和減免の期間、場所を指定しており、市が保有している情報をもとに、対象となる処分を過不足なく特定できることを主張しています。

鳥取地裁―まだまだ続く弁論準備手続

鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判について、本日、口頭弁論準備手続が行われました。鳥取市からは以下の準備書面が出されています。

鳥取市-被告第7準備書面.pdf

鳥取市の主張によれば、そもそも住民監査請求の時に対象となる財務関係上の行為又は怠る事実が特定されていなかったということのようです。なぜ、今さらこのような主張をするのか分かりませんが、最高裁の決定により、下味野に同和地区が存在するということが秘密になったので、そもそも下味野に同和地区があったかどうか、同和減免があったのかどうか分からなかったと主張したいということのようです。

しかし、監査結果を改めて見ると、「下味野」という地名がわざわざ伏せ字にされています。同和地区の場所が秘密情報なら、監査委員が下味野が同和地区であるこということを認識しており、伏せ字にすることでそのことが広く知られないように配慮した結果であると思います。下味野が同和地区かどうか監査委員が知らないのなら、「そもそも下味野で同和減免があったか分からない」と言えば、監査結果の一部を伏せ字にするなどという、異常なことをしなくて済んだはずです。

その点を3月25日11時に鳥取地裁で開かれる準備的口頭弁論で原告が主張することになろうかと思ういます。

滋賀県の同和地区公開裁判終結

2010年9月15日から4年の長きにわたった、滋賀の同和地区を公開させようという裁判が集結しました。結論からして私の全面敗訴です。以下が、最高裁の判決書です。

最高裁判所判決-H26-12-05.pdf

判決理由がなかなか分かりにくいかも知れませんが、要は滋賀県内の同和地区施設である同和対策地域総合センターの場所は市町の条例で公開されているが、滋賀県が保有する「同和対策地域総合センター」に掲載されたセンターの所在地一覧は、もろに同和地区一覧という意味合いがあるからダメ…ということです。

裁判の判決では非公開という結論になってしまいましたが、事実としては滋賀県内の同和対策地域総合センターの場所の一覧は明らかになっています。以下が、それをまとめた資料です。

地域総合センター一覧.pdf

滋賀県によれば、これは「滋賀県版部落地名総鑑」だそうです。また、これらの周辺に住んでいると分かると差別の対象になると最高裁も認めたことは、1人でも多くの人に知られるべきでありましょう。

最高裁で弁論してきました

昨日、滋賀県が保有する同和対策地域総合センター要覧等を公開させるための裁判の最高裁での弁論がありました。

滋賀県側は5人が出席、傍聴席はまばらな状態で弁論が始まりました。

最高裁と言っても、型どおり「書面の通り陳述しますか?」と裁判官から聞かれて「陳述します」と答える手続きは変わりません。ただ、最高裁では弁論要旨を読み上げる手続きがありまして、上告人と被上告人の双方が事前に裁判所に提出した弁論要旨を読み上げました。まず、上告人側の寺倉浩一人権推進課長が読み上げ、その後、被上告人である私が読み上げました。

以下が双方の弁論要旨です。

上告人弁論要旨.pdf
被上告人弁論要旨.pdf

滋賀県の主張は、地域総合センター一覧は滋賀県版部落地名総鑑であるという、いつもの主張です。

一方、私は上記の弁論要旨に加えて、最後に「人の世に熱あれ、人間に光りあれ」と言っておきました。

判決は以下の期日に、最高裁第二小法廷で言い渡されます。

12月5日 13:30

同和地区に関する訴訟の結果のまとめ

本サイトが行ってきた多くの訴訟について、結局どうなったのか分かりにくいので、確定したものを一覧にまとめて欲しいというリクエストがありました。以下、参考にしてください。

裁判所 事件の概要 事件番号・判決日 結果 判決について鳥取ループの解釈
広島高等裁判所
松江支部
(最高裁は上告棄却)
鳥取県に対して、部落解放鳥取県企業連合会(企業連)の研修の参加企業名の公開を求めた 平成20年
(行コ)第4号
平成21年2月13日
判決文
一部勝訴(50%) 企業連の研修参加企業は、事実上企業連会員企業であり、なおかつ会員企業の経営者は同和地区出身者と考えられ、公開されると商取引を忌避されるなどを差別を受けて企業が不利益を受ける蓋然性が高いので非公開とした。
一方、研修の合否は公開しても支障はないので、企業名・担当者を黒塗りの上公開とした。
大津地方裁判所 滋賀県東近江市に対して同和対策施設(隣保館・教育集会所・人権啓発センター)の設置管理条例の公開を求めた 平成21年
(行ウ)第16号
平成22年4月13日
判決文
勝訴 情報公開条例は、法律や条例により公開されている情報は個人に関する情報であっても公開することを定めているから、公の施設として設置された同和対策施設の設置管理条例は個人に関する情報であるかどうかを判断するまでもなく公開されなければならない。
東京高等裁判所
(最高裁は上告棄却)
鳥取ループブログに対して大阪法務局削除要請した大阪同和地区マップ等について、法務局が取得した情報の行政機関個人情報保護法による開示を求めた。 平成25年
(行コ)第89号
平成25年7月31日
判決文
一部勝訴(40%) 大阪同和地区マップを開示すると、それが事実かどうかに関わらず(事実であればなおのこと)、当該地域の住民が差別を受けて権利利益を侵害される。
また、法務局が同和地区マップを開示して差別助長したように誤解されるので、法務局の事務事業に支障が出る。
よって、大阪同和地区マップなどは開示できない。
ただし、同和地区マップ等以外で法務局の事務事業に支障のない部分の情報は開示しなければならない。
なお、法務局に同和地区マップの削除要請をされても従う義務はないので、法務局の行為は検閲にあたらない。
大阪市や大阪府が同和地区マップや同和地区名一覧を出版しているが、それは別問題。
広島高等裁判所
松江支部
(最高裁は上告棄却)
下味野の同和対策固定資産税減免(同和減免)の対象地域の公開、あるいは住民による個人情報開示を求めた。 平成25年
(行コ)第6号
平成25年10月9日
判決文
敗訴 租税法律主義は、課税要件の公開を政府に義務付けるものではない。
同和減免の対象地域は同和地区と考えられるので、下味野に同和地区があると分かると住民の権利利益が侵害される。
同和減免の対象地域は個人情報ではないので個人情報開示の対象とはならない。

鳥取県の企業連の研修については、この裁判があったためかどうか分かりませんが、廃止となりました。実は、企業連の研修を受けた企業には、指名競争入札の基準となる点数が加点されていたので、企業連会員に限らず、県に登録されている業者の点数と加点基準を全て公開させておけば、丸裸にできたのにと悔やんでおります。

大阪法務局に対する裁判では、東京高等裁判所が同和地区マップや同和地区一覧をインターネットで公開する行為について、事実上違法性がないと判断したのは画期的なことでした。

下味野の同和減免については、減免自体に違法性がなかったかどうか問う住民訴訟はまだ継続中です。

最高裁での弁論の争点

提訴から4年、いよいよ最高裁へと持ち込まれた、滋賀県を相手とする裁判ですが、弁論の期日が近づいております。

答弁書等をこちらで公開しました

答弁書はもう少し手直しするかも知れません。

最高裁は、滋賀県情報公開条例6条1号に関係する事柄を争点から除外して、条例6条6号だけを争点としようとしています。これが何を意味するかというと、滋賀県情報公開条例を見ると分かる通り、6条1号は個人の権利利益が関係していますが、6条6号は県の事務事業への支障が関係します。

おそらくですが、「同和地区施設の場所が公開されると個人の権利利益が侵害される」という議論は既に破綻してしまったためだと思われます。特に、法律や条例等で公開される情報は公開されることが滋賀県情報公開条例に明記されているので、地方自治法が公の施設である同和地区施設の場所の公開を予定している点と、事実市町の条例で公開されている点を主張されると、裁判所としてもどうしようもないことになります。

すると、非公開ありきで判決を出すには「県の事務事業」という個人の権利利益とは関係ない議論を進めるしかないわけです。

この状況でも、最高裁が「滋賀県の同和地区施設マップを作ることは人権侵害だ」という趣旨のことを言うのか注目されます。また、「同和地区住民と分かると権利利益が侵害される」と言うのかどうかも注目でしょう。おそらく、さすがにそれは言いたくないので最高裁が6条1号を排除したのだと思いますが、今回の裁判はかなり異例な展開なのでどうなるのか最後まで分かりません。

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