鳥取市の同和減免関係の書類の開示について審議中

鳥取市の同和減免について情報公開請求と個人情報開示請求で拒否処分された件で異議申し立てをしたのですが、鳥取市情報公開・個人情報保護審査会で審議が行われています。

情報公開請求関係の理由説明書と意見書は次の通りです。

不開示等理由説明書-H23-1-14-1.pdf
意見書-H23-2-4.pdf

個人情報開示請求関係の理由説明書と意見書はこれです。

不開示等理由説明書-H23-1-14-2.pdf
意見書-H23-2-3.pdf

ポイントは、情報公開請求と個人情報開示請求で判断に違いが出るかどうかです。情報公開請求は情報の公開を求めるものですが、個人情報開示請求は当事者への個別の開示を求めるものです。そのため、両者は似ているようで、全く意味は違います。

しかし、今回の場合は個人情報開示請求の当事者が「地域住民」ということがミソです。情報公開についての意見書に書いたとおり、下味野の住民は1600人以上いるので、それだけの人数に対する「開示」は、もはや「公開」と変わりがないとも言えます。

鳥取市情報公開・個人情報保護審査会の会長は寺垣琢生氏ですが、実は例の鳥取県部落解放企業連合会にからむ情報公開裁判の県側担当もこの方でした。鳥取県では有名な名物弁護士なのですが、果たしてどうなるでしょう。

「滋賀の部落」、閲覧不許可

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ところで、話題の書「滋賀の部落」の部落巡礼特集を滋賀県立図書館に閲覧・複写申請したのですが、不許可になってしまいました。

再度目的を変えて申請しようと思ったのですが、県立図書館には他にも似たような本が開架に置いてありまして、普通に借りることができました。今、ここに書くと制限図書にされてしまいそうなので、裁判が終わった後にでもご紹介いたします。

法務省が情報公開・個人情報保護審査会の答申に反して情報を不開示

本サイトに掲載した偽の部落地名総鑑の扱いについて、情報公開・個人情報保護審査会が答申の中で行政機関個人情報保護法に基づいて開示すべきとの判断を示しましたが、法務省は答申に反して不開示としました。その理由については、以下の裁決書をご覧ください。

裁決書-H23-1-27.pdf

滋賀県教育委員会も同様のことをしたように、審議会の答申というのは、何の法的拘束力もないので、その扱いとういうのはこの程度のものです。同和対策審議会答申のように45年経っても金科玉条のように扱われている方が、むしろ特殊な例でしょう。

興味深いのが非開示の理由です。行政機関個人情報保護法14条7号を根拠としているのですが、これは「事務事業遂行情報」と呼ばれるものです。法務省の説明によれば「人権擁護機関に対する国民からの信頼が失われ」ることが事務事業に支障が出る理由だそうです。以下、法務省の説明を引用します。

文書4(註:偽の部落地名総鑑のこと)には大津地方法務局が調査の過程で収集した特定の地域に関する情報が標題とともに多数掲げられたものが記載されている。審査請求人は、文書4の不開示部分は、審査請求人が自ら開設している特定ブログ等の内容を印刷したものであり、審査請求人が知り得ている情報であると主張するが、審査請求人が知り得ている情報か否かにかかわらず、当該部分には特定の地域に関する情報が多数掲げられ、その内容からして、それが事実であるか否かを問わず、差別を助長する可能性のある情報として、人権擁護機関が長年にわたりその排除に取り組んできた対象となるものと認められる。当該部分の情報は、削除要請の対象であるから、同部分を開示することは、それ自体上記取組と相反するものと言わざるを得ない。このような性質の収集情報を自ら開示することになれば、人権擁護機関に対する国民からの信頼が失われ、人権侵犯事件の処理において、関係者から情報提供、調査への協力を得ること等が困難になるなど、職員による事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。

もちろん単にそれだけのことであれば、これは違法だと思います。なぜなら、そんなことが理由になるのであれば、例えば情報を開示すると実施機関の不正行為が明らかになるような情報も「国民からの信頼が失われ」る情報なので、非開示にしてもよいということになってしまいます。

問題は、その「事務事業」が法的保護に値するようなものかどうかです。もし、偽の部落地名総鑑が本当に人権侵害につながるものであれば、行政機関個人情報保護法14条2項にある「開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの」を理由にすればよいだけのことです。それをしないのは、偽の部落地名総鑑が誰の権利利益を侵害するのか、説明できないからでしょう。単に「長年にわたりその排除に取り組んできた」実績があることだけが理由であって、典型的な自己目的化のように思えます。税金の無駄遣いではないでしょうか。

とにかく、確実なのは次のことです。

  • 実際に人権侵害が起こるかどうか分からないような、単なる住所の羅列でも法務省から「部落地名総鑑」と認定してもらえること。
  • 実際に誰かの人権を守ることになるかどうかは関係なく、「人権擁護機関に対する国民からの信頼」を守るために、そのような情報を排除することが法務省の仕事であること。
  • 法務省は、部落地名総鑑が本物かどうか判断できず、また本物かどうかに関わらず部落地名総鑑をネットに堂々と掲載して、法務局からの削除要請を無視しても何のおとがめもないこと。

ということで、法務省が必死に排除しようとしている部落地名総鑑は以下のファイルですので、ぜひダウンロードしてどんな物か確認してみてください。「人権擁護機関が長年にわたりその排除に取り組んできた対象となるものと認められる」というのですから、ある意味本物です。

部落地名総鑑.zip

法務省人権擁護局の仕事は、その程度のもと見て問題なさそうです。月刊「同和と在日」2月号で三品純氏が指摘している、「人権運動が組織化した時、本当に守るのは「人」でなくなる」というのはこういうことでしょう。

ちなみに、今さらどうでもよいことですが、法務局に通報したのは部落解放同盟滋賀県連のようです。

滋賀県同和地区情報公開裁判第2回口頭弁論

本日、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第2回口頭弁論が行われました。

今回から法廷の様子をメモしましたので、克明にレポートします。

傍聴者は6人ほど、そのうちほとんどは県の職員のようでした。1人は鳥取ループのファンです。

最初は双方の提出した書類の確認です。双方が提出した準備書面、証拠書類について、手続上の問題等がないことが確認されました。

以降、裁判官が県側の弁護士を一方的に詰問するという展開となりました。おおよそ次のようなやりとりです。

裁判官「非開示情報について確認します。施設(同和対策地域総合センター)所在地は何丁目何番地何号まで書かれているのですか?」
「そうです」
裁判官「ここは、細かな議論が必要なので、被告の方で整理していただきたいです。(同和)地区名とは具体的に何ですか?」
「大字名または小字名です」
裁判官「施設名は全て所在地と関連性があるものなのですか?」
「全てがそうではありません」
裁判官「その点、細かく整理してください」

裁判では、地域総合センターの施設名、所在地、同和地区名が個人情報かどうかが争点となっているので、個人が識別できるほどに具体的なものかということが重要になります。裁判官はそのことについて1つ1つの施設について検証して欲しいということのようです。

裁判官は被告の準備書面について、同和について長々と解説してあるが、核心部分の法律論について説明が足りない、というような感想を述べておりました。確かに、常識的に考えればそういうことになるのだと思います。

次に、情報が滋賀県情報公開条例第6条1項に該当するかどうかの検証です。つまり、地域総合センターの名称と位置、同和地区名が「個人に関する情報」または「個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当するかどうかです。ここで、いきなり裁判官が核心を突きます。

裁判官「具体例として、公営住宅の名称と位置が明らかになると、そこに住んでいる住人が住所から分かりますよね。これも条例第6条1項に該当することになるのですか」
「…そういうことも、あると思います」

私が準備書面で「草津にある同和向け公営住宅の住人を調べれば、誰が同和関係者が分るじゃないか」という趣旨のことを書いたのを意識してか分りませんが、非常によい突っ込みです。

裁判官「例えば団地名と所在地で識別できるのは、そこに住む人全員であって、あるグループとしての人になるので、個人ではないのではないか。そういうことを議論してほしい」

さらに、「個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」についても裁判官は突っ込みます。

裁判官「情報公開法では、例えば「未発表の著作物を公開してしまうと、誰が権利者か分らなくても人の権利を侵害することになる」「カルテのように、誰のものか分らなくても病歴などの情報が本人の知らないところで流通する」ということを想定しています。立法趣旨からするとそういうことではないですか」

つまり、どう考えても「1人の人間」とは結び付けられない同和地区という情報を、個人の権利を害すると解釈することを、情報公開法は想定していないということです。

「これは県の条例ですから…」
裁判官「書いてあることは国の法律とおなじことでしょ」

ここまで述べられたことに加えて、滋賀県情報公開条例第6条6項つまり県の事務事業に支障を生ずるような情報であるかどうかも、もっと法律的な議論を整理するように県に宿題が出されました。

県の準備書面提出期限は3月18日です。

そして、次回口頭弁論は4月21日13時10分に設定されました。

まだまだ裁判は続きます。

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目次
●“ザル条例”大阪府部落差別調査等規制等条例に企業はどう向き合うべきか
・条例に抵触せずに同和地区の場所を調べる方法
・アイビー・リック事件と解放同盟による糾弾
・行政が無視したい“本物の”同和地区リストの存在
・人権擁護法と共通の危惧
・“本物の”同和に狙われた工業市場研究所
・対抗すべきは「“本物の”同和」
●内ゲバ発生! 反日御殿「ナヌムの家」のトホホ“お家騒動”
・水曜デモの前線基地、ナヌムの家
・“日韓の架け橋”ナヌムの家の研究員、村山一兵氏が解雇
・ナヌムの家が「これ以上、私たちと共に仕事ができない」と反論
・平和の理想郷、ナヌムの家の人間臭い労働環境
・水曜デモに向かう途中で事故、ハルモニたちと参加を決行
・女性国際戦犯法廷10周年のシンポジウム参加の裏側
・韓国の市民運動の「北」と「宗教」シンドローム
・解雇騒動、見守らざるをえない日本の支援者たち
●滋賀県同和行政バトル日記④特別編
・行政主導で同和対策事業を終わらせた高島市
・ふるさとは葡萄(ぶどう)とともに
・原告第1準備書面提出
●速報 部落解放同盟滋賀県連・建部(たけべ)五郎(ごろう)委員長が退任へ
●直方(のおがた)市の条例がネットから消えたのは、市の“自主規制”

第2回口頭弁論の原告準備書面と証拠書類

地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第2回口頭弁論に向けた原告準備書面と証拠書類をアップロードしました。

全ての書類はこちらからご覧ください。次回口頭弁論の主張内容を記載した準備書面はこちらです。

要約すると、滋賀県は「同和地区に関係すると個人の権利利益が侵害されるおそれがある」と主張するが、原告が訴状に列挙した同和地区全てにそんなことが言えるのか、ということです。

次回口頭弁論は、大津裁判所1号法廷で2011年1月27日13:20に開廷予定です。

その場で問答になることもありますし、あっけなく終わることもありますし、この先の展開はその時になってみないと分かりません。

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」改正案のパブコメ募集中

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の一部改正(案)【概要】」に対する府民意見等の募集についてと題したパブリックコメントの募集が始まっています。

改正案では禁止される行為は次の2点です。

  • 調査する土地に、同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
  • 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。

しかし、大阪府下の自治体では同和地区には大抵解放会館があり、現在も人権文化センターのように名前を変えて存続していることから、同和地区の場所の調査は非常に容易です。また、以前にも指摘した通り、同和地区の所在地の一覧表は少なくとも大阪市に関しては行政が制作に関わった冊子が刊行されています。

解放同盟に言われたので、とりあえずそれらしい物を作ってお茶を濁したというような、府職員のやる気の無さが見えてくるようです。

実際の事案では、調査会社が「○○1丁目問題地域」や「○○は、地域的に問題を抱えるエリア」「○○地域は、地元で有名な問題あるエリアとして敬遠されている」と同和地区遠まわしに表現していたようですが、同和地区でなくても実際にそのような地域は大阪にいくつかある(例えば釜ヶ崎など)ので、何をもって同和地区の場所を調べたと言えるのか、非常に分かりづらいところです。とにかく、ザル条例にさらにザル条項が加わることに間違いはないようです。

また、調査を規制すること自体が暗に「調査すれば同和地区の場所が分かる」と言っているようなものですし、「同和地区は忌避される地域」と言っていることでもあります。そういった暗黙の主張をすることで得をする人というのが大阪にはいるようです。

直方市 同和施設所在地 HPに 条例に番地 全文を削除 九州21自治体も

西日本新聞に、このような記事が掲載されていました。

福岡県直方市が、市内の同和地区内にある公共施設に関する条例を、施設の詳細な所在地を記載したままホームページ(HP)で公開していたため、部落解放同盟から「被差別部落が特定される恐れがある」と指摘を受け、HPから条例全文を削除していたことが29日分かった。西日本新聞の取材では、少なくとも九州の21の自治体が所在地を含めて同様の条例をHPで公開していた。識者は、1970年代に同和地区の地名を記載して差別を助長したと批判された書籍「部落地名総鑑」問題を挙げ、「第2の地名総鑑になる危険性がある」と指摘している。

直方市によると、問題の条例は72年施行の同和対策施設等改善条例。集会所など41カ所の施設について、設置目的と小字(こあざ)や番地まで記載。情報公開の一環で、他の条例と一緒に2003年からHPに公開していた。

向野敏昭市長は、「条例制定時と違い、不特定多数がインターネットで自由に検索できるようになり、人権上の配慮が必要と判断した」ということで名称を含めて条例改正も検討しているとのことですが、条例を「公布する」ということの意味がよく分かっていないものと思われます。

公開することが問題なのではなくて、隠すという行為と、隠す理由が問題だという発想がないのでしょうか。条例は便所の落書きではないのですから、消すことができるわけではなく、改正したところで、過去に公布された内容は永久に残ります。そのことは、東近江市に対する裁判で証明したことです。

解放同盟直方市協議会が「施設の周辺が被差別部落だと特定される可能性がある」、直方市が「人権上問題がある」、部落解放同盟福岡県連合会の吉岡正博書記長が「HPに掲載する条例に被差別部落の施設所在地を載せる必要は全くない。差別を助長する恐れがある」、福岡県人権研究所理事長の森山沾一・福岡県立大教授が「『部落地名総鑑』と同じだ。人権侵害を再び繰り返す危険がある」と言っている条例の全文は以下のとおりです。

○直方市同和地区等改善施設条例
(昭和47年3月29日直方市条例第3号)
改正
昭和47年7月1日条例第13号
昭和48年7月16日条例第18号
昭和49年3月16日条例第3号
昭和49年6月25日条例第20号
昭和50年8月18日条例第17号
昭和51年1月5日条例第1号
昭和51年5月24日条例第21号
昭和51年10月8日条例第34号
昭和52年3月31日条例第4号
昭和52年6月30日条例第19号
昭和53年4月1日条例第2号
昭和54年3月31日条例第3号
昭和55年7月15日条例第17号
昭和56年10月1日条例第21号
昭和57年3月15日条例第2号
昭和58年12月17日条例第18号
平成17年3月18日条例第9号

集会所
名称 位置
直方市中泉集会所 直方市大字中泉1040番地1
直方市貴船集会所 直方市大字下新入566番地3
直方市二字町集会所 直方市大字山部1405番地
直方市山部教育集会所 直方市大字山部911番地4
直方市下境集会所 直方市大字下境3234番地
直方市中泉牟田集会所 直方市大字中泉1120番地
直方市川北集会所 直方市大字上頓野4846番地3
直方市下境三区集会所 直方市大字下境3910番地3
直方市植木光田集会所 直方市大字植木2107番地2
直方市江口集会所 直方市大字知古1281番地9
直方市天神山教育集会所 直方市大字植木171番地17
直方市赤地集会所 直方市大字赤地61番地1
直方市行定教育集会所 直方市大字下新入507番地6
直方市本洞集会所 直方市大字下境4078番地6
直方市日焼集会所 直方市大字下境3910番地28
直方市中泉八反田集会所 直方市大字中泉1264番地15
直方市中泉教育集会所 直方市大字中泉1028番地6
直方市感田中牟田集会所 直方市大字感田1472番地4
直方市感田若柳集会所 直方市大字感田2167番地2
直方市中泉犬田教育集会所 直方市大字中泉1018番地45
直方市日焼教育集会所 直方市大字下境3910番地401
直方市山部二区集会所 直方市大字山部835番地1
生活館
名称 位置
直方市感田生活館 直方市大字感田2194番地1
直方市本洞生活館 直方市大字下境3825番地1
直方市赤地生活館 直方市大字赤地16番地3
納骨堂
名称 位置
直方市下境納骨堂 直方市大字下境3227番地
直方市植木光田納骨堂 直方市大字植木2298番地1
直方市山部納骨堂 直方市大字山部1438番地3
直方市感田納骨堂 直方市大字感田1899番地6
直方市中泉納骨堂 直方市大字中泉1144番地2
直方市貴船納骨堂 直方市大字下新入559番地
直方市中泉今林納骨堂 直方市大字中泉848番地2
直方市中泉牟田納骨堂 直方市大字中泉1027番地3
直方市行定納骨堂 直方市大字下新入500番地1
直方市北打向納骨堂 直方市大字山部879番地6
直方市植木天神山納骨堂 直方市大字植木744番地4
直方市新感田納骨堂 直方市大字感田1902番地10
直方市江口納骨堂 直方市大字感田3229番地1
直方市本洞納骨堂 直方市大字下境3978番地265
直方市日焼納骨堂 直方市大字下境3909番地43
研修センター
名称 位置
直方市人権研修センター 直方市殿町7番45号

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滋賀県の準備書面と乙号証

地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判で、2011年1月27日13:20開廷予定の第2回口頭弁論に向けた被告準備書面と証拠書類をアップロードしました。

こちらからご覧ください。

準備書面の内容をつぎの通り要約しました。口頭弁論の1週間くらい前までに、これに対する反論の準備書面を用意することになります。

第1 請求の原因などに対する認否等

3 同和地区の定義について、同和対策審議会答申(乙5)によれば「当該地方において一般に同和地区であると考えれているもの」である。
県は「同和対策事業の対象地域を含む被差別部落をいう」と定義する(甲3)。
しかし、定義により差別が起こるのではなく、同和地区と見なされた地区に関係を持つ人が同和地区出身者と認識されて差別され得る。

4 同和対策地域総合センター要覧は部外秘として番号管理のうえ配布し、不要になったら廃棄するように徹底されていた。

7 原告の以下の説明は認める。
・部落解放同盟滋賀県連の名簿が流出したが、大きな問題にはなっていないこと。
・単純に住所だけで同和地区出身者を識別できないこと。
・住宅地図だけで地域総合センターの周辺住民が特定できること。
・県に説明通りなら、地域総合センターの周辺に住むと就職や結婚で差別を受けること。

第2 被告の主張
1 同和問題
(1) 同和対策審議会答申の説明
(2) 同対法、地対法、地対財特法の説明
(3) 同和対策事業の終了と、地域改善対策協議会意見具申の説明

2 差別事業および意識調査結果等
(1) 昭和50年以降の部落地名総鑑事件の説明
(2) 滋賀県の意識調査で同和地区の家を買うことの是非について「いちがいにはいえない」という答えが多い。
奈良県の意識調査でも「問題があるとは一概にいえない」という答えが多い。
また結婚について考えないすように言うが11.7%あった。
兵庫県、岐阜県の意識調査でも結婚については奈良県とほぼ同様。

3 現在被告が実施している同和対策事業等
(1) 同和対策の一般対策への移行、人権教育のための国連10年、人権教育法の説明
(2) 滋賀県の今後の同和行政に関する基本方針、人権教育のための国連10年滋賀県行動計画、滋賀県人権尊重の社会づくり条例、滋賀県人権施策基本方針、人権意識高揚のための教育・啓発基本計画についての説明。

4 本件対処公文書および非公開部分について
(1) 請求対象文書
本件公文書1 同和対策事業の地図
本件公文書2 滋賀県同和対策新総合推進計画
本件公文書3 同和対策地域総合センター要覧

(2) 同和対策事業の地図は工事が集中している場所が同和地区だと分かるので、個人不利益情報、事務事業情報として非公開とした。
(3) 滋賀県同和対策新総合推進計画は同和地区名が一覧できるので、個人不利益情報、事務事業情報として非公開とした。
(4) 同和対策地域総合センター要覧は同和地区名が一覧できるのと、センターの位置から同和地区の場所が分かるので、個人不利益情報、事務事業情報として非公開とした。

5 非公開理由1(個人不利益情報関係)
(1) 条例第6条第1号の説明
(2) 個人不利益情報が広範に渡ること、法令等で公にされている情報は閲覧制限が設けられている情報ではなく、また時間の経過により非公開とされることもあることの説明。
(3) 本件情報の類型
類型ア 同和地区名
類型イ 同和対策事業に関する地図
類型ウ 地域総合センターの位置
類型エ その他同和地区名や所在地を推測させる情報

(類型ア)
同和地区名は通常は個人に関する情報ではない。
同和地区名は同和関係者に対する蔑称として使用されている。
差別が残っている現状では同和関係者には知られたくない情報である。
地区名が分かれば住宅地図や電話帳から同和関係者を確認できる。
結婚や就職で差別に利用される。
県内の同和地区名が網羅されたものは滋賀県版部落地名総鑑となり得る。
よって公にすることにより個人の権利利益が侵害される。

原告は同和地区名は滋賀の部落や設置管理条例から知ることができると主張する。
滋賀の部落は差別に使わない意図で出版されたものであり、滋賀県立図書館では閲覧制限され、国立国会図書館でも閲覧制限がされ得る。
設置管理条例は施設の名称や位置を定めているが、施設のある地域が同和地区であることを明らかにするものではない。
地域総合センターが同和対策事業として設置されたことを知るのは一部の人だけである。

(類型イ)
類型アの前半の説明と同様

(類型ウ)
地域総合センターは現在は地区住民の要望で名称変更や移転している例もある。
要覧の作成当時はセンターを同和地区内に置き、同和地区名を冠していることが大半だった。
昭和53年の部落地名総鑑は同和対策事業の資料(同和地区精密調査報告書のことと考えられる)をもとに作られた。
他は類型アの説明と同様。

(類型エ)
類型ウの説明と同様。

6 非公開理由2(事務事業情報)
(1) 条例第6条第6号の説明
(2) 当該条項が例示列挙であることの説明。
(3) 本件情報の公開は部落差別の解消を妨げる。
原告がブログに掲載した部落地名総鑑に対する法務省の削除要請を無視したり、部落解放同盟員の名簿を載せたことは差別を助長する悪質な行為である。

第3 結語
1 情報を非公開としたことは適法
2 原告の請求は棄却・却下されるべき

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