地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第1回口頭弁論が昨日行われました。県側からの主張はなく、訴状の細かいミスの修正と、日程確認だけで終わりました。
次回口頭弁論までの日程は次のとおりです。
被告答弁書提出予定日 平成22年12月15日
第2回口頭弁論 平成23年1月27日 13:20
おそらく、12月20日ごろには私のもとに滋賀県側の主張が届いていると思います。
地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第1回口頭弁論が昨日行われました。県側からの主張はなく、訴状の細かいミスの修正と、日程確認だけで終わりました。
次回口頭弁論までの日程は次のとおりです。
被告答弁書提出予定日 平成22年12月15日
第2回口頭弁論 平成23年1月27日 13:20
おそらく、12月20日ごろには私のもとに滋賀県側の主張が届いていると思います。
同和対策地域総合センター要覧の公開を求めた裁判の初回口頭弁論がまもなく行われます。
平成22年10月28日 13時20分 大津地方裁判所 1号法廷
県側の答弁書を掲載します。
要約すると「裁判では争うが、答弁は先延ばしにする」という意味です。そのため、初回口頭弁論は県側の主張はほとんど出そうにありません。裁判はやや長期化することを覚悟するのがよさそうです。
平成22年9月15日 プレスリリース
今年4月13日、原告勝訴の東近江市裁判に続き
同和行政を検証するブログ「鳥取ループ」は15日、同和地区関係施設についての情報の公開を求め、滋賀県を大津地裁に提訴した。なお同様の情報の公開を求め、原告と近江市が争った裁判では今年4月13日、大津地裁が公開を命じる東近江市は控訴を断念し、原告勝訴の判決が確定している。滋賀県は原告の情報公開請求に対して同和地区関係施設の場所を公開することで同和地区の場所が判別でき、差別につながると施設の名称や位置等を非公開とした。しかし同和地区関係施設である隣保館及び教育集会所等は地方自治法が定める公の施設であり、自治体が定める設置管理条例により、名称や位置が公開されている。そのため施設の名称や位置はすでに多くの県民の知るところであり、その結果、同和地区の場所も事実上の多くの県民の知るところになっている。
しかし平成19年、滋賀県愛知川郡愛荘町役場に同和地区の場所を問い合わせた男性が差別を助長する行為をしたとして部落解放同盟滋賀県連に糾弾されており、愛荘町、東近江市、滋賀県もこの糾弾を支持し、同和地区の場所を知ろうとすることは差別であるとの見解を文書として示した。原告はそのことを不当に感じ、情報公開制度によりそれぞれの自治体に対して、文書で同和地区の場所を問い合わせた。しかし原告の行為は行政も同県連も差別事件としては扱っていない。
本訴訟の意義は事実上、公になっているにも関わらず同和地区の場所を知ろうとすることは差別であるとされていることについて一石を投じるものである。また滋賀県教育委員会では、名目上は一般対策事業とされている事業が事実上、同和地区を対象として行われている事例がある。そのような実態について議論する上でかつての同和対策事業の対象地域はどこであったのかということを公に議論できることは不可欠である。そもそも同和対策事業は対象地域が公になることを前提として始められたものである。また事業開始当初から同和地区内でいわゆる部落民と一般住民との「混住」が進んでおり、単に場所が明らかになることで即座に住民が差別対象になることはありえない。
原告はこの裁判を周知の事実を公に議論できるようにするための“王様の耳はロバの耳裁判”と位置づけ、滋賀県と真正面から争う姿勢である。なお訴状は滋賀県に対しても送付済みである。
訴状、関連資料は以下のアドレスで公開しています。
「子どもを支える人権のまちづくり促進事業」の関係書類について、滋賀県情報公開審査会は事実上の同和対策事業が行われていない地域の施設名、地域名は公開すべきとの答申をしていましたが、滋賀県教育委員会は、これに反して、平成22年8月19日付けで全ての施設名、地域名を非公開にするという決定をしました。以下が裁決書の全文です。
教育委員会の採決では「同和地区」ということにはふれられておらず、あくまで一般事業という建前を守り、「困難を抱える児童生徒が多く、特別な配慮を必要とすると市町が認める地域」だから公開しないとしています。どのみち今までの経緯から全面公開という判断が出されることはないし、部分公開という判断はどう考えても正気ではないので、必然的にこのような判断をせざるを得なかったということだと思います。いずれにしても、行政の説明責任、個人の権利利益の保護という情報公開条例の趣旨には、反しているとは思いますが。
「困難を抱える児童生徒」と言えば、つい最近、毎日新聞に校区内に「三条」という同和地区を抱える京都市東山区の弥栄中学に関する記事が掲載されました。その中で、こんな記述がありました。
法律の期限が切れたことと学力重視の風潮が相まって、同和教育は今、岐路に立たされている。来春の統合で名前が消える弥栄中も例外ではない。新しい学校で、部落差別の現実をどう教えるのか、同和地区の生徒をどう支えるのか。学力やルールを重視するあまり、困難な状況にいる生徒が置き去りにされることだけはあってほしくない。
上記の記事では「困難な状況にいる生徒」という表現になっていますが、これが行政における同和地区の隠語になりつつあるような気がします。
今年2月2日に行われた、「東近江市民による電話での愛荘町役場への同和地区問い合わせ差別事件真相報告学習会」ですが、これは東近江市職員等に動員がかけられていました。
以下は東近江市が公開した文書です。
集会への参加要請は西澤久夫市長だけでなく、小川脩哲教育長からも出されており、さらに下部組織を通じて、市のあらゆる部署に要請が出されています。
要請の文書はあて先によってまちまちで、最低2名以上とか、最低1名以上は参加してくださいといったことが書かれています。そして、参加確認票に名前を書いて提出するようになっています。
当日受付で名前を確認していたのは、参加確認票だけ出して当日参加しないということを防止するためだろうと思います。
なお、同様の要請は愛荘町からも出されており、さらに部落解放同盟を通じて、同企連にも同様の要請がされていました。結果、八日市文化芸術会館が満席となるほどの盛況ぶりだったわけです。
判決が確定してから即座に東近江市より公開対象の文書が送られてきました。
東近江市公開文書-H22-4-30.pdf
裁判では、「非公開部分を掲載することは、東近江市版部落地名総鑑を作成しているに等し」いとか仰々しい主張もされましたが、要は単なる隣保館と教育集会所の設置条例です。逆に考えると、部落地名総鑑と呼ばれるものも、所詮は隣保館と教育集会所の設置条例程度のものにすぎないということです。
4月13日の大津地裁判決の控訴期限は4月29日でしたが、本日大津地裁に確認したところ、東近江市は控訴していませんでした。これにより、過去の条例に記載された同和地区関係施設(地域総合センター)の名称、位置は公開しなければならないという判決が確定しました。
少なくとも今後滋賀県内の自治体に対して、地域総合センターがあった場所が記載された例規を公開するように請求があった場合、自治体がそれを拒むためには、大津地裁に提訴されたら敗訴することを覚悟しなければならないということになります。
ただし、判決では周囲が同和地区であるとか、住民が差別対象になるといったことには触れられていません。地域総合センター周辺が被差別地域だということは、あくまで東近江市が(滋賀県もですが)言っている話です。
「人権侵犯事件」の相手方および被害者として通知を請求したものの、断られた件について、相手方または被害者から請求があれば通知すると法務省の規程に書いてあり、行政不服審査の対象になるようなので、4月19日付けで審査請求しました。
特に、事件の被害者は「同和地区住民」と書いてありますが、何を根拠に私が被害者ではないと判断できたのか、答えてもらおうと思います。
1 審査請求人
…略…
2 審査請求に係る処分
(1) 大津地方法務局が、特別事件「インターネット上の掲示板を悪用した差別助長行為」(平成21年第174号、以降「事件」という)について、人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令第2号、以降「規程」という)第20条第2項に基づく相手方への通知の請求を却下した処分(甲処分)
(2) 大津地方法務局が、事件について、規程第20条第2項に基づく被害者への通知の請求を却下した処分(乙処分)
3 審査請求に係る処分があったことを知った日
(1) 平成22年3月1日(甲処分)
(2) 平成22年3月30日(乙処分)
4 審査請求の趣旨
以下の採決を求める。
(1) 甲処分を取り消す
(2) 乙処分を取り消す
(3) あらためて相当な処分を行う。
5 審査請求の理由
(1) 甲処分について
処分庁が却下の理由とした、審査請求人が事件の相手方ではないというのは失当である。事件記録によれば、インターネット上の掲示板を悪用したとされているのは、審査請求人であるから、審査請求人は相手方である。
(2) 乙処分について
事件の被害者は同和地区住民とされているところ、審査請求人は同和地区住民として通知を請求したが、理由を示されずに却下された。理由を示さずに不利益処分を行った処分庁の行為は、行政手続法第14条第1項に違反する。
6 処分庁の教示の有無及びその内容
なし
4月13日に出された、大津地裁の判決文が届きました。以下に掲載します。
大津地裁判決-H22-4-13.pdf
要は、地域総合センターの位置を定めた例規の内容を全て開示せよという判決です。判決の主な理由は、非公開とされた情報は、公の施設の名称および位置にすぎないから、個人に関する情報には該当しないということです。
今月中に東近江市が控訴しなければ判決が確定しますし、控訴すれば次は大阪高裁です。
この裁判により分かってきたのは、情報を公開しないという行為自体が情報を公開することになるということです。情報公開制度には存否応答拒否というのがありますが、今回のケースはそれよりも高度で、存否応答拒否さえも情報の公開になってしまいます。なぜなら、公の施設の名称や位置が公開されないということは通常はあり得ないはずで、公開以外の処分が出た時点で、同和地区関係施設だと明らかになってしまうからです。
さらに、情報を公開することをあくまで拒むのであれば、その施設の近辺の住民が差別される惨めな存在であるということを、事実として延々と主張しなければならなくなります。例えば、これから同和地区に住もうとしている人に対して「同和地区に関わるとろくなことがない」と言っても、行政としては否定できません。「差別発言だ」とか「そんなことを言ってはいけない」という言葉の意味は、「間違ったことを言うな」という意味ではなくて、「事実だけど言うな」という意味になってしまうわけです。
しかも、実際は秘密でも何でもなくて、東近江市の場合は石塔町、梅林町、御園町、野口町、小脇町、平田町だと分かっているのですから、その建前だけの秘密に、ある意味公の場で特定の地域の住民を中傷するような主張をするという代償を払うだけの価値があるのか、よくよく考えてみる必要があると思います。
2月4日に結審した東近江市に対する情報公開裁判ですが、判決は17日ではなくて今日だったようです。17日は土曜日なので、おかしいと思っていました…。
裁判の結果、原告の請求が全て認められ、「東近江市長は同和対策が行われていた時期の隣保館と教育集会所の名称と位置を全て開示せよ」との判決が下りました。全面勝訴ということになります。
判決理由の要旨は、非公開とされた情報は、地方自治法で定められた公の施設の名称と位置であり、個人に関する情報ではないので、情報公開条例が定める非公開情報にはあたらないということです。
判決文は、届き次第掲載します。