大阪府内の解放会館と部落解放同盟支部の関係

昭和56年11月26日に、大阪府解放会館連絡協議会が発刊した「大阪府解連協設立10年のあゆみ」という本があります。この文献の中に、「大阪府解放会館名簿」というものがあります。この名簿では、大阪府内の解放会館(隣保館、あるいは人権文化センター)と部落解放同盟支部との対応関係が一覧表示されています。

部落解放同盟という組織は、中央本部-県連-協議会-支部という階層構造になっていまして、最小単位である支部は原則として同和地区に結成されます。地区が小さい場合には、複数の地区で1つの支部が結成されることもあります。いずれにしても、解放同盟の支部は同和地区と関係が深く、支部名は同和地区名を冠していることが多いです。

ということは、以下の資料からは大阪府の解放会館のほとんどが解放同盟支部と対応関係にあり、必然的に同和地区と対応関係にあることが分かります。

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大阪市同和地区解放会館条例

大阪市の同和地区といえば解放会館、解放会館と言えば同和地区なのですが、正式には「同和地区解放会館」という、まさにそのまんまの名前でした。当然、施設の存在は秘密でもなんでもなく、施設の位置、その周辺が同和地区であることは公然のことでした。

これらの施設はその後「人権文化センター」と名前を変え、現在は「市民交流センター」となり、徐々に廃止されているところです。

以下は、昭和52年当時の「大阪市同和地区解放会館条例」です。

昭和45年3月31日条例18号
最終改正・昭和52年9月29日条例39号

大阪市同和地区解放会館条例を公布する。

大阪市同和地区解放会館条例
(設置)
第1条 本市に同和地区解放会館(以下「館」という。)を設置し、その名称及び位置は、別表のとおりとする。
(目的)
第2条 館は、基本的人権尊重の精神に基づき、同和地区住民(以下「地区住民」という。)の社会的、文化的、経済生活の向上を図り、同和問題のすみやかな解決に資することを目的とする。
(事業)
第3条 前条の目的を達成するため、次の事業を行なう。
(1)同和問題の調査、研究及び啓蒙に関すること。
(2)地区住民の各種講習、相談及び指導に関すること。
(3)地区住民の自主的、組織的活動の促進に関すること。
(4)地区住民並びに関係機関及び団体との連絡調整に関すること。
(5)その他市長が必要と認める事業。
(使用の許可)
第4条 館の施設を使用しようとする者は、市長の許可を受けなければならない。
(使用の制限)
第5条 次の各号の1に該当するときは、使用を許可せず、又は使用の許可を取り消し、若しくは使用を停止することがある。
(1)第2条の規定の趣旨に適合しないと認められるとき。
(2)公安又は風俗を乱すおそれがあるとき。
(3)営利を目的とするとき。
(4)建物又は附属設備を損傷するおそれがあるとき。
(5)その他管理上支障があると認めるとき。
(使用料)
第6条 館の使用は、無料とする。
(附属設備の使用)
第7条 使用者は、市長の許可を得て、附属設備を無料で使用することができる。
(管理の委託)
第8条 大阪市住吉同和地区解放会館の管理については、社団法人大阪市同和事業促進協議会に委託する。
(施行の細目)
第9条 この条例の施行について必要な事項は市長が定める。

附則(略)

別表

名称 位置
大阪市立浪速同和地区解放会館 大阪市浪速区東1丁目
大阪市立加島同和地区解放会館 大阪市淀川区加島1丁目
大阪市立南方同和地区解放会館 大阪市東淀川区南方町
大阪市立日之出同和地区解放会館 大阪市東淀川区西淡路町1丁目
大阪市立飛鳥同和地区解放会館 大阪市東淀川区山口町
大阪市立生江同和地区解放会館 大阪市旭区生江3丁目
大阪市立両国同和地区解放会館 大阪市旭区清水5丁目
大阪市立浅香同和地区解放会館 大阪市住吉区杉本町
大阪市立住吉同和地区解放会館 大阪市住吉区帝塚山東6丁目
大阪市立矢田同和地区解放会館 大阪市東住吉区矢田矢田部町本通7丁目
大阪市立平野同和地区解放会館 大阪市平野区平野市町3丁目
大阪市立西成同和地区解放会館 大阪市西成区中開3丁目
大阪市立西成同和地区解放会館 大阪市西成区北津守2丁目

4月21日「映画・八鹿高校事件」上映会を東京都中野区で開催します

示現舎は4月21日(日曜日)、東京都中野区において「映画・八鹿高校事件」上映会を開催いたします。参加は自由でなおかつ無料ですが、参加ご希望の方は右下のメールフォームから参加表明をお願い致します。人数を把握したいだけなので、匿名(名前、メールアドレス空欄)で構いません。

開催日:2013年4月21日(日)15:00
場所:桃園区民活動センター 洋室3
〒164-0011 東京都中野区中央四丁目57番1号
JR中野駅南口から徒歩10分
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/174200/d002444.html

八鹿高校事件とは?

1974年11月22日、兵庫県養父郡八鹿町(現在の兵庫県養父市)の兵庫県立八鹿高等学校の教員役60名が部落解放同盟員に監禁・暴行され負傷者48名を出した事件です。日本教育史上最悪と言ってもいい事件なのですが、同和事業・同和教育の黒歴史ということもあって、事件の存在自体が長らくタブー視されてきました。しかし、同和マニアの間では非常に有名な事件でしょう。

Wikipediaに詳しい記事があります。

今回上映する「映画・八鹿高校事件」は、その翌年に兵庫県高等学校教職員組合但馬支部により被害者側の視点で作られた、約1時間のドキュメンタリー映画です。示現舎はこの貴重なフィルムを入手することができました。

4月14日「第十六回文学フリマin大阪」に出店します

示現舎が4月14日(日曜日)に堺市産業振興センター イベントホールで行われる「第十六回文学フリマin大阪」に出店します。当日は示現舎の出版物を特別価格で発売します。ぜひおいでくださいませ。

第十六回文学フリマin大阪
開催日 2013年4月14日(日)
開催時間 11:00~16:00
会場 堺市産業振興センター イベントホール
アクセス 地下鉄御堂筋線「なかもず駅」、南海高野線「中百舌鳥駅」徒歩3分
※詳細は交通アクセスをご覧下さい
主催 文学フリマ事務局

広島高裁松江支部に控訴しました & 次回口頭弁論準備書面

鳥取市下味野の旧赤池部落の同和減免の関連文書の公開について争っていた件で、鳥取地裁で全面敗訴してしまいましたが、3月29日に広島高裁松江支部に控訴しました。控訴状は以下の通りです。

控訴状-H24-3-29.pdf

控訴の目的ですが、鳥取地裁の判決によれば、地域を対象とした税の減免であっても、対象地域を公開しなくてもよいという判断がありまして、これが判例として確立されれば地方自治体の税務担当者はかなり楽になるので、ぜひ高裁判例にして最終的には最高裁判例にしてみようということです。これで、市町村がこっそりと特定の地域の固定資産税を減免できるようになり、地方自治体の権限が広がります。

広島高裁松江支部が本当にこれを高裁判例とするのか、あるいはどんな屁理屈をこねて判断を避けるのかが注目されます。

また、鳥取市が同和減免された固定資産税を徴収しなかったことの違法確認を求めた裁判について、次回の口頭弁論は5月15日になりますが、準備書面を提出しました。

原告第2準備書面.pdf

前回の書面で、鳥取市が同和減免の件数と総額を答えていますが、これがどうも下味野だけではなくて、鳥取市全体のもののようなので、裁判の対象であるところの下味野の総額を答えるように求釈明しています。また、平成20年3月の鳥取市議会で田中克己総務庁調整監が言っている「属地・属人」というのは具体的にどういう意味なのか、固定資産税の減免の申請書に人権福祉センター所長の署名捺印が必要なのはなぜなのか、それぞれ求釈明を求めています。

鳥取市がどのように釈明するのか、あるいは釈明を回避するのかが注目されます。