大阪高裁の判決言い渡し日が変更されました

滋賀県が保有する同和対策地域総合センター要覧を公開させるための裁判大阪高裁では第1回の口頭弁論で結審し、本日9月28日に判決の予定でしたが、裁判所から連絡がありまして、以下の日時に変更されました。

10月19日 13時15分

判決は結審の日から2ヶ月以内に出されるのが原則で、それが延期されたということは、判決が複雑なものになるか、あるいは何か別の事情があるものと考えられます。

鳥取地裁第4回口頭弁論

鳥取市下味野地区の固定資産税の減免要件の公開を求め鳥取市を提訴した件、昨日9月26日に第4回口頭弁論が行われました。

いつも通り、双方が事前に提出した書面のとおりに陳述、各証拠書類が提出されたことが確認されました。

書類はこちらにアップロードしています

まず、裁判官から指摘されたことは文書提出命令の申し立てについてです。これは、鳥取市は下味野の小集落改良事業の文書を提出するように原告が申し立てていたものです。

しかし、「存否応答拒否をすると非公開情報を公開することになる事例」の記事で説明した通り、鳥取市が小集落改良事業は同和対策事業であることを事実上認めてしまいました。この鳥取市による開示請求拒否処分決定通知書は甲28号証として裁判所に提出しています。この点について裁判官は次のように述べました。

「甲28号証から、開示命令の申し立ての対象となっている文書の内容がどのようなものか窺い知れるようになっています。小集落改良事業の文書は結局は同和減免の文書と同じような物なので、裁判所としてそこまで踏み込むことはできないなと思います。」

つまり、小集落改良事業の文書を提出させると事実上同和減免の文書を開示させたのと変わらなくなってしまうので、文書提出命令は出せないということです。これは確かに裁判官の言うとおりでしょう。下味野に同和地区が存在するということが公知であることを証明するという意味でも、文書の提出は無意味になってしまいました。

次に、裁判官が指摘したのは、市の提出した文書では不十分だということです。

「条例を被告から提出してもらいましたが、同和減免の要綱から参照されている鳥取市税条例が欠けています。これは被告から提出していただきたいと思います。また条例の運用に関する規定集のようなものがあればお願いします。」


「それから、これはどの地区でということではなく、市全体として一般的な資料として、住民への説明資料などを出してください。そこに「○○地区の皆様へ」と書いてあるならマスキングしても構いませんので。同和減免がどのような制度なのか理解するために必要ですので。」

結局のところ、住民に向けての同和減免の説明資料は次回までに出てくることになります。

そして、原告からは次回までに下味野に同和地区が存在することが公にされている、さらなる証拠を提出する予定です。

次回の口頭弁論は11月14日 13時30分からとなりました。

さて、この日にさらに訴状を提出してきました。これは、8月28日付の住民監査請求結果に対して、さらに住民訴訟を提起するものです。住民訴訟では、同和減免の資料の公開の是非だけでなく、そもそも同和減免が適法かというところにまで踏み込みます。

原告と被告が実質的に今回の裁判と同じなので、おそらく併合されるのではないかと思われますが、現時点では未定です。

ちなみに、訴訟書類をネットに載せないように鳥取市が求めた意見書については、スルーでした。

26日11時から鳥取地裁第4回口頭弁論です

鳥取市下味野地区の固定資産税の減免要件の公開を求め鳥取市を提訴した件、9月26日11時から鳥取地裁で第4回口頭弁論が行われます。双方から提出された書類は次のとおりです。

被告意見書-H24-7-26.pdf

原告意見書-H24-9-3.pdf

被告意見書・準備書面-H24-9-19.pdf

その他、全ての書類はこちらです

7月26日の意見書では、鳥取市から「原告らに対し、被告の同意なく被告が提出する準備書面、書証その他の訴訟書類をホームページ上に公開することを直ちに中止するよう求める」との意見が出されています。理由は民事訴訟法91条1項、3項だそうです。しかし、これは裁判所内部の事務手続きの話で、原告が裁判所の外で何をするかには全く関係ありません。よって無視します。

また、前回、下味野の小集落改良事業の書類の提出命令を申し立てていましたが、市側が「裁判所を通して請求して欲しい」と言っていたのに、なぜか釈明を求められました。一応原告も反論していますが、法廷外において小集落改良事業は同和事業であるということを事実上市が認めているので、確かに文書はもう必要ないのかも知れません。

さて、一番重要な部分である、「下味野には同和地区がある」という点について開示できない理由は「ある地域が同和地区に該当するかどうかといった事項は、当該地区に居住する者や当該地区を出身地とする者にとって秘密にしたいと考えるのが一般というべき」ということだそうです。

平たく言えば、同和地区住民にとっては「同和地区住民と思われたくない」と思うのが普通なのだそうです。しかし、同和地区外住民が「同和地区住民と思われたくない」と思うことは、それこそ差別で、同和地区住民も出自を隠さないように教えられてきました。

また、原告に開示した場合は書籍やホームページに公開される可能性が高いことも問題なのだそうです。

だったら、情報公開制度って何なんでしょう? 情報を公開するための制度なのに、公開された情報が多くの人に見られると問題だというのは矛盾しています。うちの自治体はガラス張りですと見栄を張るためでしょうか。

実は、情報公開制度に限らず、そういった矛盾した制度は世の中にはたくさんあります。例えば裁判所の掲示場にはベタベタと個人名が書かれた公示送達が貼ってあります。あれは郵便で連絡が取れないから公示して本人からの連絡を求めるためにあるものなのですが、裁判所の掲示板なんて見る人はほとんどいません。それより裁判所のホームページに掲載してサーチエンジンにひっかかるようにした方がよほど効果的なはずですが、なぜそれをしないのかは推して知るべしでしょう。

本当は公開したくないのに公開したという名目作りのための公開というものがあります。別の理由として、あまり情報が簡単に共有されるとマスコミの仕事が減ってしまうというのもあるでしょう。

糾弾ビジネスと近江商人

滋賀県といえば近江商人。近江商人といえば「売り手よし、買い手よし、世間よし」の“三方良し”の精神が有名ですが…
請求書
この“糾弾ビジネス”については、いったい誰が得をしているのかよく分かりません。「三方」どころか、いろいろな個人・団体が入り乱れていますが、どれが売り手で、どれが買い手なのか。

「同和と在日」電子版2012年9月号で詳しくレポートしています。その中でも不可解なのは、上の請求書。「(不動産差別撤廃・人権擁護)学習会実行委員会」なる団体名で出され、振込先もこの団体なのですが、連絡先として記載されているのはなぜか野洲市役所。野洲市が、この団体の受付業務をしているということなのでしょうか? また、ここで「学習会実行委員会 委員長」とされている山口敏樹氏は、「部落解放同盟滋賀県連合会差別事件糾弾闘争本部 本部長」として企業に「対策会議」への開催案内を送っているのですが、なぜ請求書では別の肩書きなのか。

この研修会は主に滋賀県人権センターの職員により行われているのですが、センターの職員は固定給で働いているので、費用はかからないはず。とすると、研修会の最後に講師として出てきた奥田均近畿大学教授に支払われているのではないかと思いますが、なぜ滋賀県人権センターでもなく野洲市でもなく、正体不明の団体を介する必要があるのか。

残念ながら、野洲市にも、滋賀県人権センターにも、山口氏にも答えてはもらえませんでした。

ビジネスというのは、一見すると私利私欲に基づく行為に見えて、売手と買手の要求を満たすことはもちろん、社会全体の公益につながっています。私も本を売っていますが、私のところにお金が入って、読者も楽しめるというだけではなく、アマゾンにもいくらか渡っていますし、印刷にも何十万円という費用がかかっています。それで、ほんの少しだけですが出版業界の活性化にも貢献しているわけです。一部では「差別を利用して小銭を稼ぐ」だとか揶揄されていますが、押し売りしているわけでもなく、買ってもらえるような内容にするように努力しているつもりですので、別にやましい事は何もありません。

しかし、あの“糾弾ビジネス”はどうなのか。わざわざ作文例を渡して見解書や反省文を書かせることで、企業や業界団体の「人権意識」が高まるわけでもないですし、行政側の人間も所詮は定期的に異動しており、たまたま今の部署にいるだけ。“糾弾”ってそういうものだったのでしょうか。

少なくとも「買い手」は喜んでいるように見えないし、「売り手」も誇れるようなビジネスではないようです。

「同和と在日」電子版2012年9月号発売

「同和と在日」電子版2012年9月号を発売しました

同和と在日21

今回は「あなたの会社に同和がやってきたら?」というテーマで本誌の総力を挙げて徹底取材しています。総会屋であれば警察が取り締まってくれるし、いわゆる「クレーマー」の類も弁護士に相談すればよい。しかし、同和は? あからさまな「えせ同和」であれば、これも警察が取り締まってくれます。しかし会社側に弱みがあり、相手が解放同盟であって、しかも行政が糾弾(もちろん、彼らは絶対に糾弾とは言いませんが)を後押ししてきたとなれば、非常に長い付き合いが始まることになります。まさにそのような実例を追いながら、企業は同和にどう向きあえばよいのか、その手がかりを見つけて行こうと思います。

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スクープ! エイブルとパナホームが滋賀で糾弾された 行政が後押しする“糾弾ビジネス”の実態を解明する
大阪市人権協会が解散 大阪同和事業60年の結末とは 他

●リベラルな電波グラビア館
・国民の生活が第一・三宅雪子議員に流れる冷戦構造の遺伝子
●糾弾ビジネスの正体見たり!総力取材 「同和と企業」解放同盟に狙われたエイブルとパナホーム
・新快速停車駅・野洲から徒歩10分ほど
・11団体が結集して開かれた対策会議という名の糾弾
・同和だから家賃を安くするのはだめで、同和だから固定資産税を安くしてもよい?
・滋賀県人権センター館長「知っててもお答えできない」
・市役所から見解書の“文例”を渡された
・研修会参加費の振込先は実体不明の団体 しかし請求書の連絡先が野洲市役所に
・被害者が存在しない差別事件
●韓国マンセー! 杉浦正健元法相と真宗の最前線事情
●落日の同和大帝国 『50年のあゆみ』の発行元 大阪市人権協会が解散へ
・因縁の人権協会解散の報に本誌もビックリ!
・金網の街と呼ばれた土地を開発した人権協会
・年間4億を売り上げる駐車場事業
・当惑と怒りに包まれる協会の職員たち
●同和行政3方面バトル日記②
・大阪高裁は「一回結審」
・さらに泥沼化する鳥取バトル
・東京地裁の裁判官に不審に思われた?