鳥取市の合併特例債で行われた同和地区環境整備事業の記載計画書の一分が黒塗りされた件で異議申立てしていたのですが、情報公開・個人情報保護審査会の答申が出ました。もちろん不開示です。
理由は、同和地区が分かると住民にとって不利益になるからだそうです。西品治児童館と市道国安11号線の部分だけ黒塗りにしたので「西品治」と「国安」が同和地区の名前だと分かってしまったではないかと突っ込んだのですが、受け入れられませんでした。
ただ、付帯意見としてこんなことが書かれています。
本件処分は、工事名の内、具体的な町名部分のみを不開示としているが、異議申立人によると容易に施設名及び市道名が特定できるとのことである。この特定が正しいとしても、誤りであるとしても、特定された地域の住民にとって不利益となる可能性は否定出来ない。
部分開示を行う場合は、既に公表されている情報等を踏まえ、不開示とした情報を推測されないよう開示方法に細心の注意をはらうように実施機関に対して要請する。
これは突っ込みどころがいくつかありまして。まず「特定が正しいとしても、誤りであるとしても」としていますが、以前、同和減免の対象地域を非公開にしたときは同和対策のための集会所と地区会館の名称と市は同和地区名を明らかにしたものではないので問題ないとしていました。「同和地区名が特定できる」ことが問題なのか、「同和地区名だと思われる」ことが問題なのか、はっきりしません。
ちなみに、答申の中に「異議申立人は、鳥取市のホームページ等で得られる情報の中から、工事の時期、予算額等により施設名、道路名が容易に分かると主張する」と書かれていますが。私は異議申立書に「ホームページ」というようなことは一言も書いていない上、照合した文書がどこにあるどの文書なのかということも書いていません。にもかかわらず「ホームページ」という言葉が出てくるのは、審査会の誰かか事務方が実際に鳥取市のサイトで確認したのだと思います。実際に確認すれば分かりますが「同和対策事業費」で行われた西品治児童遊園整備事業の金額とぴったり一致しますし、「同和対策市道」と堂々とかかれた書類には市道の名前がそのまま出ています。特定できることは確認済みのはずで、「特定が正しいとしても、誤りであるとしても」ととぼける理由がありません。
答申本文には「市の他の文書で確認できる工事は、単に事業名を公にしているものであり、同和地区名を公にしているものではない」と書かれていますが、「同和地区環境整備事業」なら同和地区名を公にすることになるのに、「同和対策事業費」や「同和対策市道」なら同和地区名を公にするものではないという説明は苦しいのではないかと思います。
「不開示とした情報を推測されないよう開示方法に細心の注意をはらうように」とは何を意味するのでしょうか。それなら、事業記載計画書をほとんど黒塗りにしてしまわないといけないわけで、そんなことをしていれば同和がからむ事業はほとんど「使途不明金」になってしまいます。かつて国費で同和対策事業をやっていた時代であっても、さすがにそんなことはしていなかったと思います。