月刊「同和と在日」2012年1月号発売

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月刊「同和と在日」2012年1月号を発売しました。

同和と在日14

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鳥取県琴浦町の「風の丘」。ここでは2003年に石碑に書かれた「東海」の文字が政治団体からの猛抗議で削除された。その現場から、今まで知られていなかった“斜め上”の実情をレポート。
クラスメートの前で部落出身を告白する「立場宣言」。当時の教育関係者の証言と文書から、謎を解き明かす。同和教育にからむトラウマを抱える方におすすめ。

目次
●拡大版リベラルな電波グラビア館
・韓国水曜デモ1000回アクション in Tokyo「 外務省を「人間の鎖」で包囲しよう!」 バーチャル劇場
●特集「あの騒動は今」 歪んだ日韓友好のツケ・鳥取県琴浦町「風の丘」の痛すぎる話
・気がつけばメディアは韓国だらけ
・赤碕《あかさき》と韓国の交流の原点とは?
・消えた東海、公園はトラブルメーカー
・9号線を怪しく彩る不思議な風車
・4億円を使ってできた朝鮮風の箱庭
・施設の随所で見られる片山善博の名前
・日韓交流から「恋人の聖地」に脱却か?
・一体、誰に向けての施設なのか?
・痛々しい東海削除の傷跡
・ハングルで「韓日」表記があちこちに
・配慮が必要な友情と友好とはなんだ?
・物産館は民団の運営、言いだしっぺは片山
●連載・僕らの部落民宣言 第1回 ~立場宣言は如何にして行われたか~
・米子の立場宣言
・教育委員会の指導方針
・立場宣言の理論と実践
・学力保障と進路保障
●緊急レポート“強盗国家”韓国を許すな 狙われた敦賀市・常宮神社の国宝「新羅鐘」
・民間の文化財も韓国人が奪いに来る!
・明治時代以来の国宝「新羅鐘《しらぎのかね》」
・有光《ありみつ》健《けん》氏が返還運動のフィクサーか?
・それでも公共放送? 中継で返せと騒ぐ韓国人レポーター
●声に出して読みたい「同和と在日」文献の旅
・部落問題研究所五十年のあゆみ
・解放運動裏年表 内ゲバの歴史

部落地名総鑑のセールストークと八鹿高校事件

1970年代に企業に出回ったという、「部落地名総鑑」。今となっては現物が残っているかどうかも分からないので、どのような内容だったのか調べようがないのですが、その購入案内の一部が滋賀県の「採用にあたって」(74、75ページ)に、滋賀県・滋賀県教育委員会の見解の中で引用されています。

…同和行政については、各政党は重大な社会問題であるとして、激論をかわしているものの抜本的な解決策が何らなされていないのが現状である。…
…八鹿高校問題の様に暴力事件、リンチ事件が発生して社会的な問題となっている。
 これは一高校の問題であるとして見過ごすことはできない。この様な事は、企業においても起こりえないとは断言できない。これらの人々の採用が果たして妥当であるかということは、封建時代のイデオロギーとして残されたものであり問題ではないとすますことが出来るでしょうか。
 観念的、心情的に同情することも考えられるでしょう。八鹿事件に見る如く行動の多くに疑問が山積しているのではないでしょうか、問題は今、大きくクローズアップされている。企業において人事担当の各位にはこの点について如何様にお考えでしょうか。
 現在、我が国におきまして、昭和37年の総理府統計によると、4,160部落、111万人をこえる人口千人に対して11.8人という比率が出ている。実情は5,366部落を超えて現存している。私達は、この際、この様な事実関係を正確に認識して企業百年の将来のためにも誤りなきを期してゆかなければなりません。
 今般、企業の担当の各位に、その実態と実情を詳述した「部落地名総鑑」を提供して人事調査と人事考課に一助の資料としてお手許に届けたいと考えております。」

つまり、「部落民を会社に入れると、八鹿高校事件のような暴力行為を起こしかねないから、企業がリスクを回避するためのツールになる」というのが部落地名総鑑のセールストークだったわけですね。

当時、部落地名総鑑が出回ったのは、決して、「部落民が汚れているから」というような迷信に基づいたものではなくて、当時は(ある意味今でも)当たり前だった過激派や共産党排除のようなことの延長線上にあったわけです。

法務省が再び個人情報保護審査会の答申を無視

以前お伝えしたとおり、内閣府情報公開・個人情報保護審査会は大阪市同和地区一覧は公開情報であり、開示すべきと判断しました。しかし、今月1日付けの裁決書で、法務省は答申を無視し、大阪市同和地区一覧を不開示としました。以下がその裁決書です。

裁決書-H23-12-1.pdf

裁決書の5ページでその理由が説明されています。

 それらは、その内容が事実であるか否かを問わず、差別を助長するおそれのある情報として、人権擁護機関が長年にわたしその排除に取り組んできた対象そのものである。そのような情報を開示することは、それ自体上記取組と相反するものであって、人権擁護機関に対する国民からの信頼が失われ、人権侵犯事件の処理において、関係者からの情報提供、調査への協力を得ること等が困難になることが明らかである。このような事態は、人権擁護行政に係る事務の適正な遂行に対する重大な支障となるものである。

さて、審査会の答申では、この情報を開示すべき2つの理由が示されていました。1つは、これは情報公開ではなく個人情報の開示であるので、本人がブログに掲載している情報を本人に開示してもこれ以上の情報の拡散はあり得ないことです。もう1つは、大阪市同和地区一覧は個人情報ではない上、既に大阪市人権協会が出版頒布し、図書館でも閲覧できるものなので、開示することで誰かの権利利益が侵害される余地はないことです。

法務省はこの2点を完全に無視しました。人権救済法の議論がされている中で、法務省としてはメンツを潰したくないのでしょうが、個人情報保護制度や情報公開・個人情報保護審査会の権威を犠牲にしてまで守るべきものなのか、気になります。

そもそも、法務省は最初の段階で何度も対応を誤りました。まず、大阪市人権協会の出版した本をブログで引用したことを人権侵犯事件として扱ったことが理解に苦しみます。個人情報開示請求された後も、鳥取県みたいに全部開示しておけば、私は審査請求できないので、知らん顔をしていても全く問題はありませんでした。どうせ同和がらみということで、めったに表沙汰にはならないでしょうし。

今までの経緯を以下にまとめました。

2010年2月15日 当時FC2ブログを使用していた鳥取ループに、「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」は「ざる法」という記事を載せる
2010年2月20日 同様に大阪市の消滅した同和地区(中津・舟場)を載せる
2010年4月21日 FC2から大阪法務局から上記の2つの記事に対して削除要請があったと警告が来る、こちらから大阪法務局に電話して要請を拒否
2011年1月11日 大阪法務局に「人権侵犯事件記録」を個人情報開示請求
2011年3月28日 事件記録を部分開示。記録内にある大阪市同和地区一覧が黒塗りにされる
2011年4月11日 黒塗りにした大阪市同和地区一覧の開示を求めて審査請求

個人情報開示制度というのは比較的新しい制度ですが、この制度ができた背景も、実は同和がらみだったりします。どのようなものかは、こちらをご覧ください。