本日、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第4回口頭弁論が行われました。
最初に双方から提出された書面についての確認がありました。以下のリンクからご覧ください。
原告から出した書面
被告第3準備書面と証拠
滋賀県側の準備書面では、私が愛荘町長塚地区の住宅案内図を写真に撮って証拠としてネットにアップロードしている、大阪の同和地区一覧を掲載している、これはけしからんということが述べられていますが、今回は特にその話題は触れられませんでした。
私からは各市町が作成した地域総合センター関連施設の設置管理条例と、それをまとめて表にしたものを提出しました。地元事情通の方の協力により作成できたのが以下の表です。なかなか圧巻です。
地域総合センター一覧.pdf
まず裁判官から滋賀県に対して質問がされ、つぎのようなやりとりがありました。
裁判官:同和対策事業に関する地図とはどのようなものですか?
滋賀県:同和対策として行われた道路整備などの事業を地図におとしこんだものです。
裁判官:個人に対する施策もあるのですか?
滋賀県:道路整備、下水道工事、作業所の建設などのハード事業、地区の環境改善事業です。
裁判官:それらが表記されていると。それは各地区についてあるのですか?
滋賀県:全ての地区についてあります。
裁判官:地域の外の事業はあるのですか?
滋賀県:ありません。ただ、道路が地区の外まで伸びているといったものはあります。
裁判官:何をやったか、ということも書かれているのですか?
滋賀県:地図上の番号があって、その事業が表になっています。
センター要覧ばかりに目がいって忘れかけていたのですが、全面非公開となった地図があります。その地図がどのようなものかということが、これで明らかになりました。地図は、全ての同和地区の全ての事業を詳細に記録したものということです。もし、公開されたら、同和対策特措法時代に何が行われたのかを知る、一級の資料となることは間違いないようです。
次の裁判官の質問は、「そもそも地域総合センターとは何か」ということでした。
裁判官:証拠説明書と一緒に施設の一覧がありますが、センターと建物はどのような関係にあるのですか?
鳥取ループ:おそらくセンターがソフトなら、隣保館や教育集会所、老人憩の家はハードということになるのではないかと思います。私も実態がようやく分かり始めているところで、たぶん被告の方が詳しいのではないかと思います。
この先、少し長いやりとりが行われました。裁判官の疑問は、要は地域総合センターというのは施設なのか施設でないのかということでした。
私の考えは、おそらく隣保館や教育集会所など複数の施設を統括する組織が地域総合センターであり、どれかの建物に事務局が置かれているのではないかということです。ただ、完全に実態は把握しておらず、市町によって扱いが異なるようです。例えば旧虎姫町ではセンターは施設ではなくて機能であるという考え方をしており、条例ではなく規則でセンターを設置していました。
滋賀県によれば、地域総合センターは方式のことであって、隣保館や教育集会所により地域対策をすることを「地域総合センター方式」と呼んでいたとのことです。
しかし、センター要覧には地域総合センターの一覧表があり、そこにセンターごとの住所が書かれているので、その住所が何を基準に決められているのかよく分からないと裁判官から指摘がありました。
最後に、滋賀県同和対策新総合推進計画についても説明されていないと裁判官から指摘がありました。滋賀県によれば、環境改善事業(ハード事業)だけを記したものということです。
同和対策事業についての地図がどのようなものか、地域総合センターとは具体的に何なのか、滋賀県同和対策新総合推進計画がどのようなものか、それを滋賀県は書面で説明するようにということが、裁判官からの宿題として出されました。
次回の口頭弁論は 8月4日(木)10:30、書面の提出期限はその2週間前です。私からも被告第3準備書面への反論を提出する予定です。
裁判を通して、滋賀県において同和対策事業のために設置された地域総合センターとはどのようなものなのか、徐々に明らかになってきているのが興味深いです。