六曜は差別

滋賀県では「六曜は差別」ということになっておりまして、草津市の人権センターにもこのようなパネルが掲げられております。

今から6年前のことですが、大津市の職員手帳に六曜が書かれていることに部落解放同盟滋賀県連が抗議しまして、手帳が回収されるということがありました。

六曜記載、人権配慮欠く 大津市が手帳全面回収

なぜ、六曜が差別や人権侵害につながるのか説明してあるのがこのパネルですが、これを読んでもよく分かりません。そもそもカレンダーには六曜だけではなくて、七曜が盛大に書かれているわけで、「日曜日が安息日」というのも何の科学的根拠もないのですが、単に突っ込みやすいから突っ込んだだけのように思います。

本当のところを説明しますと、同和対策が行われた時代というのは、とにかく「これが差別だ」といちゃんもんをつければ金がもらえたので、「被差別者」の方々はそれこそ目を皿のようにして「差別」というものを探していました。六曜というのも、90年代にその中で槍玉に挙げられたテーマです。そういう経緯がありまして、もし市役所の手帳に六曜が書かれたのがそのまま放っておかれると、過去に「六曜は差別だと」主張した人々の人権…ではなくてプライドが侵害されてしまうのです。そこで「二度とメンツを潰すようなマネをするなよ」ということでこのようなパネルが掲げられているというわけです。

月刊「同和と在日」2011年9月号を発売しました

電子雑誌 月刊「同和と在日」8月号を発売しました。これで通算10号です。

今回の見所は「同和ではない」という理由で嘱託職員への応募者を選考から門前払いした草津市の「就職差別事件」。これまでにないディープさで事件の真相を追います。本誌が入手した「選考の白紙撤回」の通知文書も掲載しております。

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草津市で「就職差別事件」発覚! 原因となった地区の内情を生々しいまでにレポート。
爆発火災事故から明るみになった虎姫改良住宅のまた貸し事件の真相を追う。ほか

●リベラルな電波グラビア館
・フジテレビデモ参加者必見! 冬ソナ俳優も参加する北朝鮮支援「北側オリニパン事業」って何?
●草津市 出自を理由に採用から排除した解放同盟と行政の「就職差別」
・応募から半年以上放置した上、突然選考を中止
・隣保館職員の同和枠採用の仕組み
・不自然な長期雇用と、残業
・住民のあつれきとモラルの低下
●日本最大規模、虎姫改良住宅のまた貸し事件の真相に迫る!
・悪村と呼ばれた“タイガープリセンス”こと虎姫
・火災から発覚した改良住宅のまた貸し事件
・持ち家か、借家か? 契約書すらない改良住宅
●シリーズ なぜ二重詐取が行われたのか ~福岡の朝鮮学校と行政の不透明な癒着の謎を追う
●シリーズ「自演」 立花町連続差別ハガキ事件 第4回
・八女から福岡へ
・ゆとり教育の受け皿だった地域活動指導員
・踊らされた運動体と行政
●滋賀県同和行政バトル日記⑩
・第5回口頭弁論
・「緑色の地区界」は個人情報か

史料 鳥取藩における被差別部落の歴史

鳥取県の図書館では同和関係の資料に利用制限がかけられ始めているようですが、そのような資料の1つを、とあるルートから入手しました。
史料 鳥取藩における被差別部落の歴史

題名は「史料 鳥取藩における被差別部落の歴史」。著者は宇田川宏氏で、鳥取では有名な部落史研究者です。発行されたのは昭和54年で、非売品でした。図書館などに配布されたようです。
史料 鳥取藩における被差別部落の歴史

エタ村の地図です。「古海エタ村」という記述があります。もし県立博物館などにこの地図が置かれていたら、今なら大問題になってしまうでしょう。

史料 鳥取藩における被差別部落の歴史

左側のページには鳥取市田島、西品治町、倉吉市福吉町2丁目、米子市富士見町2丁目が「都市部落」であることが明記されています。昭和54年と言えば「部落地名総鑑事件」から4年後の年だったはずですが、それでも当時はこれだけ大らかでした。

右側のページにもよく知っている地名が列挙されています。私の認識が正しければ、「同和地区」でない地名もあるようですが、おそらく穢多の世帯数が非常に少なかったために、戦後には被差別部落として認識されておらず、地区指定されなかったのではないかと思います。

書籍版「部落ってどこ? 部落民ってだれ?」発売

来週8月15日、2冊目のリアル書籍「部落ってどこ? 部落民ってだれ?」を発売します。電子書籍で好評だった「同和はタブーではない」の書籍化版です。

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滋賀県の同和地区を舞台に繰り広げられる、最初から最後まで気の抜けない手に汗握るノンフィクションです。見どころは同和地区の情報公開を巡っての町役場との頭脳戦、謎の人物による900人以上にも及ぶ部落解放同盟の名簿流出と、文部科学大臣が来場する部落解放大会への爆破予告。事件を通して同和地区とはどこで、同和地区出身者とは誰なのか、とことん解き明かしていきいます。

関西で政治活動に携わる人々には、おすすめできる一冊です。

滋賀県同和地区情報公開裁判第5回口頭弁論

8月4日は、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第5回口頭弁論でした。

まず、双方の書面の確認が行われ、次に裁判官から被告(滋賀県)へ質問がされました。

裁判官: 第2書面別紙にある乙4号証の抹消の理由はこれで全てですか?
滋賀県: 漏れているものはないので、これで全てです。

これはこの書面の22枚目以降の説明のことです。乙4号証(同和対策地域総合センター要覧)の黒塗りにした部分がどのようなものであったかを説明した資料なのですが、これが全ての削除箇所の類型を網羅しているのかどうかを裁判官は尋ねたわけです。

裁判官: 乙3号証(滋賀県同和対策新総合推進計画)、乙4号証(同和対策地域総合センター要覧)には地区名が書かれていますが、これはどちらも同じ地区名ですか?
滋賀県: 同じです。
裁判官: 数えると乙3号証は66箇所で、乙4号証は61箇所ですが、この違いは何ですか?
滋賀県: センターが設置されていない地区があるからです。

ここまでは何ということもない質問だったのですが、ここで「事務事業支障情報」という争点が問題とされました。

裁判官: 事務事業の支障とはどのようなものですか? 例えば部落地名総鑑ができて差別が助長される意外に何か支障がありますか。
滋賀県: 啓発に支障が生じるということです。
裁判官: もっと具体的なことはありませんか?
滋賀県: 第2準備書面の21ページにあるように、同和地区の問い合わせや、身元調査をしてはいけないと啓発していることと、矛盾するということです。情報が出てしまうと、問い合わせや身元調査を行われる蓋然性が高いです。
裁判官: (質問の趣旨は)事業への支障ということを翻訳すると規範としてどのようなものがあるかということです。
滋賀県: 自ら情報を公開してしまうと、県民の信頼を失って、事業の存続の障害となるということです。
裁判官: 抽象的に弊害があるとしても、具体的に何に支障が出るのですか?
滋賀県: 身元調査をしてはいけないと啓発しているので、県が公開すると矛盾してしまい、県民が言うことを聞かなくなるということです。
裁判官: それは理解できるが、具体的な事業がなにかという店を、整理してもらえますか。
滋賀県: 整理します。

この点は私も準備書面で問題としているのですが、県がいう「事務事業への支障」というのが曖昧すぎるため、条例の条文に該当すると考えるのは無理があるのではと裁判官は考えているものと思われます。

情報公開条例の上で「事務事業への支障」が生ずる情報というのは、典型的なものでは「実施前の試験の問題」が挙げられます。試験の問題の内容が事前に明らかになってしまえば、当然のことながら試験ができなくなってしまいます。ここでいう事務事業は「試験」、支障というのは「事前に問題が分かると試験の結果が意味をなさなくなってしまう」ということなので、具体的で明快です。

しかし、事務事業が「啓発」、支障が「県民からの信頼が失われる」というのは具体的ではありません。例えば「身元調査お断り」だけが啓発ではありません。学校で「立場宣言」をやって「部落民としての自覚を持ち、それを誇れる社会を作る」という啓発のやり方もあるかも知れません。であれば、同和地区名が公開されても啓発はできるわけです。また、「県民からの信頼が失われる」ということが事務事業への支障と言えるのであれば、後ろ暗い公金の使途が書かれた書類を公開して県民からの信頼を失うことも「事務事業への支障」ということになってしまうでしょう。しかし、それは明らかに情報公開条例の趣旨に反します。

次回までに県は上記の点についてさらに説明をし、私は「緑色の同和地区の境界線」についての県の主張に反論する書面を提出することとなりました。

次回期日は9月22日、13:30です。

滋賀県同和地区情報公開裁判第5回口頭弁論準備書面

8月4日10時30分より大津地方裁判所で、地域総合センターの名称・位置、同和地区名等の公開を求め滋賀県を提訴した裁判の第5回口頭弁論です。双方が提出した書面は以下の通りです。

原告準備書面・証拠書類

被告準備書面・証拠書類

前回の口頭弁論で本サイトの同和地区一覧を滋賀県が裁判所に提出したのですが、中途半端だったので、パーフェクトなものを提出しました。これが判決に影響することはあまりない気がします。

それよりも重要なのは、滋賀県が提出した書面により、非公開とされた地図には愛荘町内の同和地区(長塚、山川原、川久保)の境界線が緑色で示されているということです。どういった基準で線引きしたのかはまだはっきりとはしませんが、おそらく各地区の自治会の勢力範囲を適当に囲ったのではないかと思われます。

鳥取県同和地区マップを消させるための対策会議資料

月刊「同和と在日」8月号のAndroidマーケット版を発売しました。Androidスマートフォンをお持ちの方はこちらからどうぞ

さて、鳥取県では鳥取県内の同和地区マップを消させるための対策会議が行われています。最新の会議録はこちらで見ることができます。

また、過去の会議資料を鳥取県に情報公開請求していたのですが、全て公開されました。以下からご覧ください。

鳥取県同和地区マップ削除会議.pdf

注目すべきは、会議の資料として提出された各種同和地区マップも全て公開されていることです。鳥取だけでなく、以下のような大阪の同和地区マップも公開されました。

法務局の場合は個人情報開示請求に対して同様の情報を非開示としましたが、それを公開してしまうのがさすが鳥取県という気がします。重要なのは、個人情報の「開示」ではなく、情報の「公開」をしているところです。これが何を意味するのか、月刊「同和と在日」8月号で詳しく解説しております。

また、対策会議では鳥取県立図書館等が所蔵している同和関係の資料や、歴史資料の利用制限について検討されています。鳥取県に限らないですが、残念ながら日本では同和事業や歴史の研究について「学問の自由」というのは存在しないようで、「許可」が必要なことが度々あります。今後ますますその動きが強まりそうです。

月刊「同和と在日」2011年8月号を発売しました

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復興担当大臣になったものの、暴言が原因で辞任した松本龍。メディアで語られない彼の素顔を地元福岡の事情通「なめ猫」氏から特別寄稿。
連載「自演」ではまさかのあの人物に直撃する。
滋賀県の裁判のレポートでは、同和地区の境界を示した地図の存在が明らかになる。
※掲載予定だった朝鮮学校への補助金支出問題の記事は都合により次号に持ち越しとなりました。

●松本龍 「解放の議席」と「同和減免」
●ネット規制に法律は不要! 同和地区マップを巡る行政・プロバイダの攻防
・何が「部落差別」かということが拡大解釈され、恣意的に判断される危うさ
・鳥取県の対策の稚拙さ
・自主規制がむしろ行政の介入を助長してきた
●シリーズ「自演」 立花町連続差別ハガキ事件 第3回
・二戸一住宅ができた理由
・八女市役所係長暴言事件
・卑屈なる言葉と怯懦なる行為
●ワイド 関西同和よもやま話
・大阪土地差別調査事件のその後
・八尾のコカコーラが糾弾される
・草津市隣保館嘱託職員の同和枠と高待遇が明るみに
●滋賀県同和行政バトル日記⑨
・「部落民」はどう特定されるか
・地図上で緑色で記された「地区界」

草津市の嘱託職員募集で就職差別

今から2年ほど前、滋賀県内の高速道路サービスエリアに、こんなポスターがありました。

「どこの人」ではなく、「どんな人」 信じ合い、認め合う心、それが宝物。

一方、こちらのコメント欄をご覧の方はすでにお気づきのとおり、滋賀県草津市では「西一の人」という条件で嘱託職員の募集が行われておりました。しかも、なぜか市の嘱託職員なのに部落解放同盟西一支部の支部役員が選考を行うとされています。

コメントによれば「同僚が転職するというので同和地域の会館の職員に応募したら開放同盟の方から数年前に引っ越してきて会員でないのが理由で断られたと相談をされた」とあるのですが、上記のチラシが’配布された時点では同盟員以外でも採用するつもりだったのですが、後で待ったがかかってしまったようです。結局、複数の応募者のうち同盟員だけが採用されています。

滋賀県では、公正採用ということに力を入れており、民間企業にも同和問題の啓発と、就職差別の防止のために「企業内同和問題研修窓口担当者」というのが設置されております。県の基準では20人以上の事業所に設置されることになっているのですが、草津市では10人以上の場合と、より強い基準になっています。企業が不公正な採用方法を行っていることが分かると、行政から指導があったりするわけです。

とは言え、民間の企業がどこの誰をどんな方法で雇用しようと、それは原則自由です。しかし、行政職員の採用で、しかも事前に知らせなかった条件を応募の後に明らかにして落とすというのは、かなりまずいのではないかという気がします。

この件の深層は月刊「同和と在日」でレポートする予定です。

同和地区の調査禁止が大阪から鳥取県にも進出中

最近「宅地建物取引上の人権問題に関する鳥取県行動指針の策定について」という文書が出されています。

宅地建物取引上の人権問題に関する鳥取県行動指針の策定について.pdf

最近、人が差別されるという事案が減ってしまったので「いや、人ではなく土地が差別されているんだ!」ということが、新たな啓発ビジネスの種となりつつあります。アクションプログラムによれば今年の7月には土地差別問題に詳しい大学教授の講演が行われることになっていますが、7月14日午後1時50分からとりぎん文化会館小ホールで、近畿大学の奥田均氏の講演が行われます。

アクションプランによれば、調査会社が建設業者への報告書の中で同和地区等を「不人気エリア」「敬遠されるエリア」などの差別的な記載をしていたということなのですが、これらの地域は、そこに住むと結婚や就職で差別されたり、商取引も敬遠されるエリアと鳥取県が認定しているので、調査会社の報告書は間違っていないように思います。

あるいは、行政が同和地区を調査する「同和地区実態調査」を、2005年を最後に鳥取県がやめてしまったので、民間に対して調査をするなと堂々と言えるようになったのではないか、そんなことも感じています。

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