愛荘町は同和対策固定資産税減免をしているのに書類がない?

愛税第168号
愛荘町の同和対策固定資産税減免関係の書類を情報公開請求をした件で、9月11日付けで通知書が届きましたが、画像の通り対象公文書は不存在とのことです。
しかし、愛荘町は間違いなく同和対策固定資産税減免を行っており、公文書を公開しない理由は虚偽の可能性が高いと考えられます。なぜなら、愛荘町の平成20年3月定例町議会の議事録によれば、小杉勝三税務課長の発言として、同和対策減免について次のような答弁をしています。

固定資産の同和対策減免につきましては、小集落地区改良事業あるいは環境改善事業によって地区の環境が改善されてきましたけれども、このことに伴いまして、家屋や土地の売買が生じまして、特に新築家屋における固定資産税の負担が大きいというようなこともございまして、昭和53年から固定資産税の減免を実施してきているところでございます。
しかしながら、合併を機に一度見直すというような声もありまして、その方法、手法について、今日まで検討をしてきたわけでございますが、即やめようということになりますと、急激に納税者の負担が大きくなるということにもなりますので、やはり、減免率の激変緩和を考えていくべきと考えている次第でございます。そうした中、昨年来、地元関係者の方々と会議を開催させていただき、ある一定の方向性を見い出すことができました。
しかし、地元住民への啓発による期間も必要であると考えなければなく、平成20年度から新たなスタート、50%ですけれども、からスタートするということとし、時限的、段階的に同和対策減免の激変緩和を行うべきと、町としては考えております。そうしたことから、新年度4月には、再度、地元関係者の方々と協議の場をもち、最終的な結論を見い出したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
また、同和減免の影響額と言いますか、どのぐらいの額になるかというようなご質問でございますけれども、平成19年度の固定資産税の減免の額ですけれども、件数に直しますと402件、金額に直すと1,770万円程度になっております。平成20年度も同額であります。よろしくお願いをいたします。以上をもちまして答弁とさせていただきます。

町議会の録画(31:45あたりから)を見ても、確かに議事録の通りの発言をしています。
同和対策固定資産税減免の具体的な件数と金額を答えているので、少なくとも件数、総額等の統計資料は存在していなければこのような答弁はできません。また、同和対策固定資産税減免は今年の3月定例会でも話題になっているので、減免が行われていることは間違いありません。
通常、税金関係は自治体が非常に気を遣うところで、必ず条例をつくって、規則や要綱を定めてはじめて課税の条件が変更されます。憲法84条で租税についての条件は法律によらなければいけないこと、地方税法3条で地方税の税目、課税客体、課税標準、税率等は条例によらなければいけないことが定められているからです。同和対策固定資産税減免は愛荘町税条例の71条を根拠にしているようですが、同和対策であることや、議会での発言にあるような50%という減免率や、激変緩和措置のことは条例のどこにも書かれていません(このこと自体危険なことで、住民監査請求や住民訴訟をされると、おそらく非常にまずいことになります)。さらに、実際に減免を行うには、具体的な減免対象や対象者の要件、申し込み方法を実務を行う職員や住民に説明しないといけないので、要綱や要領がないと、そもそも事務手続きができません。
この件について昨日から愛荘町税務課に問い合わせていますが、担当者不在のためコメントを得られていません。

コメント

コメント(2)

  1. さき on

    >同和対策固定資産税減免は愛荘町税条例の71条を根拠にしているようですが、同和対策であることや、議会での発言にあるような50%という減免率や、激変緩和措置のことは条例のどこにも書かれていません。
    それでいて、同和対策固定資産税減免についての要綱なり要領がないというのが本当なら、[太字]地方税法違反[/太字]ということになりませんか?

  2. 鳥取ループ on

    多分、要綱要領があっても地方税法違反です。それどころか、条例があっても危ないと思います。
    租税の条件を変更するには、法律の委託があり、それによって条例を作ることで初めて可能になります。おそらく、愛荘町税条例の71条は地方税法の以下の条文を根拠としています。
    第三百二十三条  市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
    法律によれば、減免できる要件は災害や貧困によるものに限られていて、たとえ条例があったとしても、地方議会や町長の裁量で何でもできるというわけではないんですよ。
    例えば似たようなものに過疎地域の固定資産税減免がありますが、これは租税特別措置法の規定があって、過疎地域自立促進特別措置法により過疎地が定義され、さらに自治体が過疎地域の固定資産税の特例に関する条例を定めて、初めて実施されているものです。
    国民の財産を強制的に徴収するわけですから、そのくらいの厳密さが求められます。