鳥取市の同和対策縮小の米子市への影響

既にご察しの通り、当ブログ管理者は鳥取市の出身であるため、どうしても鳥取市の情報に偏ってしまっていたのですが、県内第二の都市である米子市の情報も採り上げたいと思います。
鳥取市ほど多くはないのですが、米子市にも同和地区とされる地区があります。米子市の資料に寄れば平成17年度の鳥取県同和地区実態等把握調査の時点でその数は6地区、278世帯、904人です。米子市の人口は約15万人なので人口比率ではわずか0.6%です。米子市在住者に同和地区について尋ねてもほとんど知られていないのは、その人口比率の少なさによると思われます。米子市民100人にいてもそのうち同和関係者とされる人は1人いるかいないかなのですから。
そんな米子市ですが、平成19年度第1回米子市同和対策審議会議事録(平成19年4月17日)を読んでいたら興味深い記述を見つけました。以下は抜粋です。

(B委員)
新聞によると、鳥取市が同和対策事業について廃止する方向ということで、市の同和対
策審議会のほうに相談されているということだ。米子市ではそのような方向では考えていないということだと思うが、その辺の気持ちを聞かせていただきたい。
(人権政策課長)
鳥取市は、現在まだ同和対策審議会に諮っている途中であり、全部が確定したものではないと聞いている。ただ、方向として色々な事業の見直しをされているということは伺っている。
米子市としては、実態調査の結果、なお差別が存在しているという状況から、引き続き必要な事業は進めていかなければならないと考えている。ただ、非常に財政状況が厳しいということがあるので、その中で全ての事業にわたって適切な見直しを行っていかなければならない状況である。
そういうことで、差別の実態があるということで当然すすめていかなければならない部分はあるが、その中で、市全体の財政状況を考慮し、見直しすべきものがあるとすれば、それは考えていかなければならないと思っている。

(中略)

(議長)
地区を離れていった人はもっとひどいことになっている。地区で学んでいるから子どもは耐えることが出来る。
鳥取市では、同和教育をやめようとか隣保館事業を全部やめようとか、補助金カットしようとか非常に厳しい意見が今出ている。それがすんなりなるようであれば大変なことである。鳥取市にいる同和地区の人たちがどんな怒りをもって、どのようになっていくのかということもなるので、マスコミがいかにも同和事業の廃止を、決まったような書き方をするというのは失礼なことと思う。

なお、この議事録の全文はこちらで公開されています。
このように、鳥取市の同和対策縮小方針は米子市にもそれなりの影響を与えており、関係者が必死に抵抗している様子が分かります。なお、鳥取市内関係者からは、同和対策の縮小方針については鳥取市内だけでなく、外から(主に鳥取県)の抵抗がかなりあるといった声が聞かれます。
さて、問題の米子市のですが、鳥取市のように同和対策縮小の方針を明確に打ち出しているというわけではなさそうです。実は鳥取市以上の施策が現在も継続されています。


議長自身が全く中立性がないのもあれですが、冒頭にある発言も凄いですね。

(A委員)
同和問題についてはハード・ソフト両面でかなり改善されてきたが、アンケートにもあるように部落差別は依然として多発している。また、インターネットを使ったねらい打ちのような部落差別も発生している。そのような中で、同和対策を後退させるような議員の発言も見られる。

こんな発言をして議会から叱られないでしょうか。

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