部落解放鳥取県企業連合会との協議会は県においても毎年定例で行われていることが、県が開示した資料より分かりました。以下は、本年度の協議会資料です。
[2006]企業連協議会.pdf
協議会は県土整備部、農林水産部との間で行われている他、鳥取市同様「同和地区建設業者育成連絡協議会」という名前で各総合事務所においても行われています。同和地区建設業者育成連絡協議会の参加要請は松田秋夫・企業連理事長に加えて、中田幸雄・部落解放同盟鳥取県連委員長の名前で出されています。
鳥取市同様、企業の倒産防止策、会員企業への積極的な指名発注、職員への同和研修について質問が出されています。
そして、実際に県土整備部でも農林水産部でも、会員企業1社辺りの指名件数は非会員より多くなっており、指名されない業者は少なくなっています。鳥取市と異なり、こちらは仕組みが分かっていて、県土整備部の回答では「指名選定における地域貢献度の部分で5点加算をすることにより、積極的な指名発注につながっていると考えている。」としています。
以前の記事でも指摘したとおり、「鳥取県県土整備部建設工事指名業者選定要綱の施行について」という文書に次の記述がありました。さらに、この記述は今年の4月10日に「鳥取県県土整備部建設工事指名業者選定要綱」に組み入れられています。
(規定例1)
部落解放鳥取県企業連合会が実施する建設業者のための研修(○○県土整備局長が指定するものに限る。)を受講した同会の会員である有資格者については、歴史的・社会的事情によりその中でなければその者は受注が困難と認められる区域(その者について○○県土整備局長が指定する区域とする。)内で施工される対象工事に限り、5点を加点する。
(規定例2)
部落解放鳥取県企業連合会が実施する建設業者のための研修(○○県土整備局長が指定するものに限る。)を受講した同会の会員のうち、当該年度において同種県工事の請負契約を未だ締結したことがない有資格者については、5点を加点する。
企業連が同和地区企業の団体であることを考慮すると、この規定の意味するところが明らかになります。「規定例1」は、同和地区を対象とした公共工事は企業連に優先して発注されるということです。「規定例2」は、さらにそういった工事が持ち回りに近い形で発注されるということです。
結果、同和地区の建設業者が同和対策の公共工事を受注するためには、企業連に入会せざるを得ない状態となっています。
なお、県からは「建設業新分野進出研究調査事業補助金」の実績が示されており、平成17年では県全体で15件、うち会員企業2件となっています。件の資料では土木工事の有資格業者は県全体で733、うち企業連会員は200なので、企業連会員に対する新分野進出事業はあまり進んでいないようです。
(次回に続きます…)