日本海新聞より。
鳥取県議会企画土木常任委員会は二十一日、県が二〇〇七年度から実施を予定している男女共同参画推進認定企業を対象に公共工事の入札を優遇する新制度について、「認定企業が限られ時期尚早」などの理由で、全会一致で延期を執行部に要請した。
新制度は、〇七年度から県建設工事入札参加資格者の格付けを行う際に認定企業に加点。認定企業は受注を得る機会が増えるなどのメリットがある。新制度は今年の二月県議会で承認されたが、「建設業者の新たな負担となる」として慎重に対応するよう付帯意見が付けられた。
委員会では、石村祐輔議員(清風)が「認定企業は県内の建設業者の数%に限られている。認定企業が増えてからでも遅くない」と実施延期を提案。他の委員からも「二月議会の付帯意見が無視されている」などの批判が相次ぎ、執行部に再考を求めた。
一方、県県土整備部の田所正部長は「知事と相談して方針を決めたい」と答えた。
男女共同参画推進企業の認定制度は〇四年度に創設。女性管理職の登用や採用拡大の推進、育児・介護休業制度の整備推進などを審査し、知事が認定する。現在までに建設業者は、県内約二千七百社のうち十八社が認定されている。
以前から、中小企業いじめだと批判の出ていた制度でした。いくら男女共同参画といっても、土木工事の現場に女性を出すことは抵抗があるのが実情で、女性の働く場はどうしても事務職ということになります。すると、選任の事務職が配置されている大企業が有利になります。
こんなことをしなくても、鳥取では夫婦共働きが標準です。女性の就業率は全国で第3位と非常に高いです。県民所得の低い鳥取では、単に「旦那の給料が安いので働かざるを得ない」という事情もありますが、そういった意味では元々女性の社会進出は進んでいます。
この入札制度に関する政策は女性の社会進出を推進するというより、暗黙の合意の下に成り立っている職業構成に行政が介入するということに過ぎないのではないでしょうか。