鳥取市解放大学(リーダー養成講座)というものがあります。この講座は、市役所の管理職や、鳥取の主要な企業の人権啓発担当者が参加する一種の人権・同和研修です。
ではなぜ、「リーダー養成講座」なのでしょうか?「リーダーの養成」については、鳥取県の資料に記述があります。鳥取県商工労働部による「企業における同和問題・人権問題の取り組み方」(平成10年7月)という冊子です。
「企業における取り組みのあり方」という章に以下の記述があります。
(3)研修推進の課題
同和問題の研修を推進するためには、次の条件を整備することが必要です。
第1は、研修リーダの養成と、その資質の向上です。研修には画一的なマニュアルはなく、同じ企業の中でも職場によって研修の内容は異なります。指導者は、職場の実情に合わせて、自分の言葉でわかりやすく語りかけ、みんなと十分に話し合うことが大切です。画一的な、硬直した研修会は、結果として差別を拡大・再生産する恐れすらありますので、すぐれたリーダーが必要です。研修リーダーの養成と資質の向上に努めてください。
特に研修リーダーとなる人については、「差別の存在」に気づき、またそれを見抜く力を備えていることが問題解決にとって必要不可欠ですので、具体的な事例をひいて自らの差別性を絶えず点検することも大切なことです。
この資料は8年前のものですが、現在のリーダー養成講座も、内容は大差ないものと思われます。
「画一的な、硬直した研修会は、結果として差別を拡大・再生産する恐れすらあります」と認めていますが、実際の企業研修は「画一的な、硬直した」ものではないのでしょうか?
結論から言えば、「画一的な、硬直し」ていない研修が民主的で、自由な研修であるならば、それは不可能であると思われます。それは、この冊子に導くべき答えが指定されているためです。企業研修は、必然的に用意された結論に到達しすることになります。以下に、この冊子から抜き出した模範解答を列挙してみます。
こういった結論を真っ向から否定する主張をすることは、実際のところ無理でしょう。例えば、社員研修の感想文で本音をありのままに書いたところ、「差別感想文」として問題にされるといったことが実際に起こっています。