まず、鳥取県人権教育基本方針という冊子を紹介する。この冊子は実に71ページ渡って、鳥取県の人権教育について解説されているものである。他の自治体と全て比較したわけではないが、これほど詳細な人権教育基本方針を策定しているのは、全国でも非常に珍しいと考えられる。そのことからも、鳥取県が人権教育にいかに力を入れているか(予算と労力がつぎ込まれているか)が分かる。
この冊子の最後には、編集委員の名前が書き連ねられている。
〈同和教育〉 宇 山 眞 鳥取県同和教育推進協議会会長 中 野 俊 夫 部落解放同盟鳥取県連合会副委員長 村 島 祐 子 国府町教育委員会人権教育推進員 〈女性の人権に関する教育〉 井 上 耐 子 鳥取県連合婦人会会長 上 田 敏 夫 レディースあすか鳥取東部総括理事 増 田 孝 二 鳥取県PTA協議会会長 〈障害者の人権に関する教育〉 相 見 槻 子 鳥取県精神障害者家族会連合会理事 絹 見 重 夫 光の家福祉作業所所長 日 笠 真理子 日本自閉症協会鳥取県支部副支部長 〈子どもの人権に関する教育〉 藤 野 興 一 鳥取こども学園園長 安 田 裕 子 子どもの人権広場事務局長 横 木 永 子 三朝町社会教育委員 〈高齢者の人権に関する教育〉 宇 野 博 美 鳥取西デイサービスセンター所長 国 広 生久代 鳥取県社会福祉協議会介護実習普及センター所長 吉 野 立 呆け老人をかかえる家族の会鳥取県支部代表世話人 〈外国人の人権に関する教育〉 薛 幸 夫 在日本大韓民国民団鳥取県地方本部団長 西村ジュリエット とっとり国際交流連絡会会員 朴 井 愚 在日本朝鮮人総聯合会鳥取県本部委員長 〈病気にかかわる人の人権に関する教育〉 足 羽 泉 枝 日本てんかん協会鳥取県支部代表 池 原 正 雄 鳥取ピース・クロス世話人 福 安 和 子 用瀬保育所所長 〈個人のプライバシーの保護に関する教育〉 尾 崎 真理子 鳥取県人権文化センター専任研究員 白 尾 兆 成 司法書士 八 木 俊一郎 鳥取県人権教育アドバイザー 〈編集アドバイザー〉 阿久澤 麻理子 兵庫県立大学環境人間学部助教授
太字にした名前は、人権救済条例の原案作成に関わった、人権尊重の社会づくり協議会委員をしている人物である。
さて、やはりと言うべきか、ここでも朝鮮総連の朴井愚氏の名前が出てきている。鳥取県においては、朝鮮総連は条例の制定だけではなく、教育にまで関わっているのである。つまり、私が以前から指摘している通り、教育政策・研修によって県民の意識を操作し、それをまた政策に反映するというサイクルが作られようとしている可能性がある。
では、問題の「外国人の人権に関する教育」はどのように説明されているか、かいつまんで解説する。
まず、朝鮮・韓国籍の人について「過去の我が国による植民地支配などさまざまな歴史的経緯によって国内に定住するようになった人たちとその子孫」としている。そして、学習目標は「多くの在日韓国・朝鮮籍の人が日本に在住している歴史的背景について理解するとともに、その人たちに対する偏見や差別について考える」ということである。
ところで私は中学生時代、在日韓国・朝鮮人は全て強制連行で連れてこられたかのように思っていた。それは、学校の人権教育で、「戦時中に政治犯の子どもが強制連行でつれてこられた朝鮮人に助けられる」というようなストーリーの映画を見せられたからである。しかし、強制連行されたのは数千人であり、現在日本に暮らしている在日韓国・朝鮮人は日韓併合時代の出稼ぎ人か、朝鮮戦争時の避難民というのが実際のところである。一方、朝鮮総連の主張では数百万人を日本に強制連行したことになっている。
人権教育で植えつけられた在日韓国・朝鮮人のイメージと、実生活で体験とは全く異なる。まず、鳥取県で韓国・朝鮮人に差別があるかと言えば、少なくとも実生活では私は見たことがない。実際に、私の親戚は周囲がとやかく言うこともなく在日韓国人と結婚している。
さらに、次のことが触れられている。
- 鳥取県における県職員や教員の採用についての国籍条項の撤廃という施策
- 1998年、国連の自動の権利に関する委員会によって、日本政府に韓国・朝鮮学校出身の生徒の大学進学への不平等な取り扱いについての調査と排除が勧告された
- 1999年、外国人の指紋押捺制度が全廃された
- 地方参政権、無年金高齢者、障害者問題など外国人の生活上のさまざまな権利に関する課題がある
このように、非常に政治的な問題について触れられているにもかかわらず、一面的にしか取り上げてられていない。例えば、ロシア、中国、北朝鮮、キューバ、シリアといった国民の政治的な自由が制限されている国が皮肉にも民主主義を悪用しているために、国連の人権委員会が健全に機能していないと批判が上がっていることには全く触れられない。北朝鮮の拉致問題や政治犯、脱北者の問題、韓国の国民に対する住民登録制や指紋押捺、日本人にも多発している年金未納者との公平性の問題も同様である。
そして、外国人の人権問題にかんする社会教育について、次のようなことが書かれている。
また、国際化の時代にあって、異なる文化を持つ人とのさまざまな交流を活発に行うことにより、外国人の文化、言語、宗教、習慣等についての理解を深めることが大切です。その際、
在日外国人団体、民間の国際交流団体、㈶鳥取県国際交流財団、在日外国人教育研究会、外国籍企業や合弁企業などと連携し、さまざまな機会を通じて国際理解教育を推進することが必要です。
さて、在日外国人団体については総連や民団のことというのは分かりきったことなので、何も言う必要はないだろう。しかし、なぜ外国人の人権についての教育に営利を目的とする外国籍企業や合弁企業が関わってくるのか。本当に人権が目的なのか、疑問を持たざるをえない。
どうでもいいエピソードですが、私が大阪で暮らしていたころの上司が在日韓国人(途中で帰化した)だったのですが、拉致問題が発覚する以前、私が北朝鮮の怪しい歌について語っていると「北朝鮮はほんまヤバいし、シャレにならんからやめときや~」と言ってました。
もう一つ、朝鮮ネタですが、私の実家には戦前の日本地図があります。韓国もサハリンも台湾も日本国内で、朝鮮海峡には全く線が引かれていません。当時は朝鮮民謡のアリランが日本でも流行って、日本語とハングル併記の歌詞カードが出回るといったこともあったそうで、植民地支配をしたとか、日本が朝鮮の文化を奪ったと言うよりは、文字通り朝鮮半島を併合して国内化しようとした、というのが正しいのではないかと個人的には思います。
松田正 on 2007年4月25日 9:34 PM
あなたのお名前と御住所を教えて下さい/