人権局が差別があると判断する根拠

「今後の同和対策のあり方」
より抜粋

【差別事象の状況】

過去5年間の県内の差別事象の状況(県同和対策課に報告があったもの)は、次の表のとおりである。

県内の同和問題等に係る年度別差別事象発生件数(報告分)H13.12.20現在
年度 件数 差別事象の内容
結婚 就職 発言 落書 投書 その他
12
10 16
11 17 10
12 26 14 10
13
合計 75 36 30

結婚や就職の差別については、個人プライバシーの問題もあり事象としての報告がされにくい。しかし、結婚については、結婚式が出来ない、一方の親族が出席しない、親戚づきあいが出来ないなどの実態もあるほか、就職については、面接時点の違反質問などがいまだ後を絶たない。なお、結婚差別について平成12年に実施した「同和問題についての県民意識調査」(以下、「意識調査」という)で見てみると、「結婚について同和地区出身であることが不利な条件になっていると思う」の回答は、約半数の47.3%に上り、まだまだ差別が存在する。
また、差別事象を発生状況別に見てみると、落書きと学校現場での発言が非常に多いことがわかる。

県内の同和問題等に係る発生状況別差別事象発生件数(報告分)H13.12.20現在
区分 件数 差別事象の内容
結婚 就職 発言 落書 投書 その他
企業・団体・市民
落書き・投書 27 22
教育現場 34 28
その他
合計 75 36 30

最近の落書きの特徴としては、公然と人目に触れる場所への悪質な内容の落書きが多くなってきている。学校現場での発言は、人とふざけたり喧嘩をするなかで相手をちゃかしたり、脅し攻撃したり、蔑むために賤称語を利用するなどの状況が多くなってきている。

データだけを見れば、結婚、就職差別は確認されていない。
残りは落書きと投書である。「その他」の内訳は示されていない(要確認:公文書館に資料があるかも)。

奇妙なのはこの判断である。

「結婚や就職の差別については、個人プライバシーの問題もあり事象としての報告がされにくい。しかし、結婚については、結婚式が出来ない、一方の親族が出席しない、親戚づきあいが出来ないなどの実態もある」

事実結婚差別の報告がないのに、なぜ後半のような実態があることが分かるのか、説明されていない。事実を無視して、主観的な憶測で結婚差別があるという方向に無理に話を進めているように見える。

また次の部分については、別のページで検証する。

「就職については、面接時点の違反質問などがいまだ後を絶たない。」

そして、今度は意識調査を持ち出して、結婚差別について「まだまだ差別が存在する。」という結論で結んでいる。この意識調査の信憑性については、別のページで検証する。

確認されている差別事象は、主に落書きと教育現場での悪ふざけや喧嘩に伴う発言が主で、年間平均で15件程度である。

落書きについては、内容や、誰がどのような目的で行ったのか明らかにされて(要確認:解放同盟の「全国のあいつぐ差別事件」におそらく載っている)いないので、何とも言えないが、75件中28件を占める教育現場での発言を「差別事象」として扱うことに違和感を覚える。同和対策課や人権局が出る問題ではなく、学校や家庭の問題だと思うのだが。

[2005.11.11] 見やすいように表を手直ししました。

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