即時抗告に対する相手方準備書面が届きました。
鳥取市の主張は、文書提出命令申し立てを却下した地裁の理由説明と同様です。下味野の場合は土地登記簿から同和地区の範囲が分かるのではという抗告人の主張については、同和地区が明らかになるものではないと否定しています。
抗告人は、「差別というのであれば同和減免自体が解放令に違反しており行政による部落差別ではないのか、差別を口実に違法行為を隠ぺいし不適切な状態を是正する機会まで奪うのは本末転倒ではないか」という趣旨の主張もしているのですが、それについてコメントはありませんでした。
また、毎度のことですが、訴訟記録をウェブで公開していることを問題としています。しかし、訴訟記録をウェブで公開することを禁止する法律はありませんし、これは住民訴訟であって、原理的には不特定多数が当事者であり利害関係者であり原告になり得る裁判なので、公開されない方が逆に問題かと思います。場合によっては税の追納を求められる人もいるのに、知らないところで物事が進められるということになってしまいますから。
5月21日に鳥取地裁での口頭弁論が予定されていますが、同和減免の核心部分に関わる書類の提出を求めたこの即時抗告について結論が出ないことには裁判が進められないので、実質的には何も審理しないことになりそうです。
即時抗告が認められなければ、最高裁までやるので、他の上告した裁判が全て半年以上放置されていることから考えると長引くかもしれません。最終的に文書提出命令申し立てが認められなければ「同和を口実に違法行為を隠蔽できる」「同和が絡めば租税法律主義の制約を事実上回避できる」と裁判所が認めたことが確定しますし、文書提出命令申し立てが認められれば、同和減免の対象地域が公開されます。裁判所がどちらを選ぶか、あるいは工夫してどちらでもない回避策を見つけ出すのか、大いに注目されるでしょう。