国の同和対策事業が始まって2年後の昭和45年の福岡県北九州市の同和行政の資料を入手しました。以下にアップロードしています。
この資料は、当時の北九州市の同和行政に関する、財政データ及び関係例規集です。14~17ページには同和対策のために設置された施設の名称、所在地の一覧が掲載されています。
個人給付的な事業としては、地区住民の職業訓練、住宅修繕、高等教育の学費、中小企業、農業・漁業のために公金が支出されていました。
8ページに予算の推移が出ていますが、昭和45年度の同和対策予算は6億99万8000円。前年の2倍近くになっていますが、実は国の事業が始まる前にも、それなりに事業が行われていたことが分かります。
同和対策事業に国が支出した予算は33年で15兆円と言われますが、このように地方自治体独自の事業もあるので、実際の金額はもっと大きいわけです。
107ページ以降にある、国や他の自治体のデータも興味深いです。ダントツなのはやっぱり大阪市で、昭和45年の予算が109億2793万5000円となっています。2番手の神戸市の23億9563万2000円を大きく引き離しています。
大阪市ではその予算の大部分が、今でも残っている同和地区の学校、同和地区解放会館(現在の市民交流センター)、公営住宅の建設に使われました。