毎日新聞が、7月7日に「大阪市:同和地区明記、HP公表 区長公募論文、指摘で削除」と報じています。
大阪市の区長公募で都島区長に就任予定の元コンサルタント、田畑龍生(りゅうせい)氏(37)が応募時に提出した論文に、都島区とは別の区の地域が同和地区だとの記述があり、区長内定者の論文を市のホームページ(HP)上に掲載していた同市が外部の指摘を受けて5日に削除していたことが分かった。
で、その削除された論文というのがこちらです。
現在、大阪市のサイトに掲載されているのはこれを修正した後のものです。
修正前の論文を読んでみたのですが、確かに問題ですね。
- 東淀川区は日の出、飛鳥、西中島という同和地区と呼ばれる地域が3つ隣接するエリアを有しているが(2ページ目)
- 実際、未利用地や築年数が30年を超える市営住宅などは、中島(飛鳥)・淡路(日の出)といった同和地区と呼ばれるエリアに集中している(4ページ目)
- 尚、日の出、飛鳥という同和地区と呼ばれる地域に付随している“暗いイメージ”に関しては前節で述べたエリア開発案により大幅に改善が見込めると考える(5ページ目)
予想以上に同和地区、同和地区と連呼しているあたりに何とも味わいがあります。しかし、問題なのは同和地区でないところを同和地区としている事実の誤りや、地名表記の間違いがあるところです。
なお、作家の塩見鮮一郎氏も神奈川県小田原市で同じような間違いを犯しまして、詳しくは今月号の同和と在日で記事にしております。(追記:塩見氏の場合は地元の解放同盟から「部落ではない」と指摘されたのですが、実は塩見氏の方が正しい余地が残されております)
それにしても、中田宏・前横浜市長、千代松大耕・泉佐野市長だけでなく、飛鳥地区に住んでいた橋下市長も論文に目を通したというのに、気付かなかったというのが驚きです。本当に読んだのでしょうか? あるいはわざとなのかも知れません。
大阪市の同和地区に関しては、部落解放同盟の事業サイドである大阪市人権協会から、以下の詳細な解説が出版されているので、これを読んでしっかりと勉強していただきたいものです。拙著「大阪同和大帝国」もお勧めです。
50年のあゆみ.pdf