同和地区実態把握等調査とは(3)

さて、この同和地区実態把握等調査の回収率ですが、88.4%となっています。これは一見に高い回収率に見えますが、国勢調査の未回収率が4.1%(全国)であるのと比べると、11.6%が未回収というのは低い回収率です。なお、最低限世帯員について「世帯主との続き柄」「年齢」「性別」が分かれば調査完了とされています。
対象世帯が調査に協力しないのはどのような場合でしょうか?「調査の手引き」には調査に非協力的な世帯への対処方法の筆頭に次のことが挙げられています。

(1) 対象世帯が、調査の対象となった経緯について疑問を抱いた場合
今回の調査は、市町が本年6月から実施した地区概況調査実施時に作成した世帯主名簿に記載された世帯を対象とするものですが、対象世帯(世帯員)の中にはどのような経緯で自分の世帯が対象となったのか疑問をいだく方がいると思います。
このような場合は、「市町が○○○○○の方法で世帯主名簿を作成しましたが、その名簿に基づき今回の調査の対象とさせていただきました。」などと説明して協力を得ます。
また、世帯主の配偶者などが、この地区が同和地区とは知らずに生活しているなどの家庭内の事情をあらかじめ承知した場合には、世帯主のみに面接調査を行うようにするなど配慮が必要です。

このことから、知らないうちに自分の家が「同和関係世帯」として世帯主名簿に載せられているというケースがあることが伺えます。「○○○○○」の部分は、地区概況調査で地区の事情を知る隣保館などが名簿を作って市町村の同和対策課がとりまとめる、というのがおおよその手順です。この地区概況調査については取材続行中ですので、またの機会に採り上げます。
さて、同和地区実態把握等調査では世帯全体(世帯票)と、さらにその世帯に住む各住民(世帯員票)に対する調査項目があるわけですが、世帯員票には住民のプライバシーに深く関わる調査項目があります。それが、配偶者が同和地区出身がそうでないのかを尋ねる項目です。これは地区外との通婚が進んでいるかどうかを調べるためのもので、この種の調査は同対法が生きていたころには国レベルでも行われていました。しかし、事実上配偶者の出自暴きをすることになるためもはや行われておらず、今でも行っている地域は非常に珍しいのではないかと思います。
調査では配偶者が「この地区」か「他の同和地区か」か「同和地区外」での生まれかどうかを聞かれます。「他の同和地区」というのは、旧地対特措法の対象地域であれば鳥取県外も含まれます。県外から嫁いで来た人にまで身元調査をする是非について鳥取県に問い合わせてみましたが「通婚率を調査する必要があるので、やむおえない」ということでした。
この全国的にも非常に珍しい調査結果ですが、平成17年7月1日現在、鳥取県内の同和地区では夫婦とも同和地区の生まれのカップルは60.9%、一方が同和地区の生まれのカップルは30.8%となっています。25歳未満の最も若い世代ではそれぞれ9.3%、83.9%となっており、最近では8割以上は地区内と地区外の結婚です。
(次回につづく)

コメント

コメント(3)

  1. 匿名 on

    配偶者の出自暴き.
    しかり。
    カイドウが組織内調査をやる分には問題ないが。
    いまや公的にやることの個人情報保護違反は明白。

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  2. 鳥取ループ on

    上、非公開コメントなので見れない方には申し訳ないですがレスしておきます。
    ・同和地区実態把握等調査の存在
    私も実態調査が行われることは以前から聞いていましたし、役場には同和地区のエリアマップがあるという噂も聞いていました。しかし、ここまで住民のプライバシーに立ち入ったもので、世帯主名簿まであるとは知らなかったので、調べてみて驚いています。
    ・共産党について
    昔(1950年代辺り)は共産党も解放同盟と協力して同和対策を推進していました。単に差別だけでなく教育や所得の格差というもっと深刻な問題があったからです。
    ただ、同和地区に対して行政から特別の対策がとられるようになってくると「同和地区に限らず差別されている人や貧しい人はたくさんいるのに、なぜ同和地区だけが救済されて、それ以外は救済されないのか」という批判が出てきて、そういった意見を持つ人が多かった共産党は解放同盟と対立するようになりました。
    もちろん、共産党に限ったことではなく鳥取県内でも1970~1980年代には学校で保護者などから、同和地区に対する過剰な優遇についてかなりクレームが来ていました。行政側はそういった意見をとりこむよりは、押さえつける方向に動いていたと思います。
    ・糾弾会
    今は行政もオープンになってきてますし、マスメディアが黙っていても、いくらでもインターネットで意見が飛び交うので、密室で糾弾ということはやりにくくなっているのではないでしょうか。
    私自身も同和対策を批判していますが、同和対策を推進する側からあからさまに罵倒されたことはありません。

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  3. pool on

    宮部?

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