平成16年度鳥取県人権意識調査

追記2006年1月15日意識調査の報告書が公開されました。
平成16年度鳥取県人権意識調査は以下のアドレスから見ることができる。
http://www.pref.tottori.jp/jinken/ishikichosa.html
この意識調査について、非常に奇妙な部分がある。以下の調査項目を見ていただきたい。
問4-①(公的機関への相談希望の有無)
あなたは、自分や家族が差別や人権侵害を受けたとき、公的機関(国や県、市町村の相談機関)に相談したいと思いますか。(○は1つだけ)
その結果の内訳は

  • 公的機関へ相談し支援を受け解決したい: 10.9%
  • できるだけ自分や家族・友人で解決したいが、公的機関への相談や支援も受けたい: 53.2%
  • 公的機関には相談したくない: 13.0%
  • わからない: 14.2%
  • 無回答: 8.7%

である。
そして、結果について。
「自分や家族が人権侵害を受けたとき公的機関に相談したいか聞いたところ、約64%の人が支援を求めたいと考えている。」
という見解が述べられている。
奇妙な点は「できるだけ自分や家族・友人で解決したいが、公的機関への相談や支援も受けたい」という回答もこの64%に加えられていることである。「自分や家族・友人で解決したい」という選択肢がないのである。
鳥取県人なら、鳥取には郊外や郡部で寄り合いの習慣が残っており、仲間内で物事を解決するしくみがあることをご存知だろう。にもかかわらず、「自分や家族・友人で解決したい」という選択肢が外されるのは不自然である。
仮に「できるだけ自分や家族・友人で解決したいが、公的機関への相談や支援も受けたい」という回答者のうち、本当に公的機関への相談を希望している人がごく少数であれば、「公的機関には相談したくない」という回答が「公的機関へ相談し支援を受け解決したい」を上回ることになる。
すなわち、人権救済条例の制定を意識して、わざと誘導的な設問にしたか、結果が歪曲されている可能性が高い。
2006年1月15日「誘導的な設問にした」が正解です。詳しくは追記を参照。
この意識調査には他にも不自然な点(例えば、鳥取県内にアイヌに対する差別が存在すると答える人が11.7%もいるなど)が多くあるが、ここでは詳しい説明は省略する。
詳しい説明はこちら→


救済制度のニーズ

人権救済条例の必要性の根拠として度々引き合いにだされる、「公的機関への相談を希望すると回答した人は64.1%にのぼる」という数字ですが、その実態が明らかになりました。
まず、「公的機関への相談を希望すると回答した人」であるというのは誤りです。この設問の部分を見てください。
人権意識調査 問4-1

私が指摘していた通り、「公的機関に頼らず解決する」という選択肢がありません。その代わり、「できるだけ自分や家族・友人で解決したいが、公的機関への相談や支援も受けたい」という玉虫色の選択肢を設けています。それも含めて出てきたのが64.1%という数字です。
公的機関へ相談したいという意思を明確にしたのは10.9%で、公的機関には相談したくないという意思を明確にした人(13.0%)をむしろ下回っています。特に若者(20-29歳)では顕著で、公的機関に相談したいというのは6.9%にすぎず、公的機関に相談したくないと答えた人が実に22.6%です。
いずれにしても、この設問はあまりにも誘導的で、条例が必要だという根拠にはなりません。もう一度調査をやり直すべきでしょう。
もう1つ私が突っ込んだ、アイヌに対する差別の問題ですが、「鳥取県内において『人々の意識』や『社会のしくみ』に差別が存在していると思うのは次のどれですか。(○はいくつでも)」という設問で「アイヌの人々に関すること」に○をした人の割合が興味深いです。若い人ほど多くなっています。
部落差別に関しては、30~39歳の割合が多いのが興味深いです。この年代の方は、丁度小中学生の頃に、狭山闘争のために鳥取県内の同和地区の児童生徒が一斉休校した出来事を経験しているはずです(この話題は、後々採り上げます)。

コメント

コメント(4)

  1. 鳥取県人権侵害救済条例反対!@青ブログ on

    OFF告知

    11/10(木)・ビラ印刷OFF in鳥取【日時】11/10(木)午後1時から午後5時まで(終了時間変更あり)【場所】さざんか会館2F アクティブ鳥取 印刷コーナー【持ち物】特にありません。指サックがあるといいかな。【現場責任者】yosimasa氏参加希望の方はスレに表明さ…

  2. 匿名 on

    私は中学生と高校生を持つ親です。先日中学校で同和教育の保護者研修会がありました。時間ばっかりかかって、一体学校は何を言いたいのか良く分からない会でした。「人権意識」という言葉が気にかかりインターネットで調べていたらこのページに行き当たりました。もっともだと思って読ませていただきました。この意見を知らずにいたら私は「やっぱり公的機関が必要だ」と思い込んでいたことでしょう。でもアンケートを作る段階で意図があるとしたら、県民の意識もつくられた物になっているわけですよね。そしてこのアンケートの数値をもとにさまざまな事業が行政主導で行われているのだとしたら・・・ 怖くなりました。 
    そして、「保護者会で落書き事件の話題」というのを読んで、一体これはどこの学校のことなのか気になりました。私が関心を持っていなかったからだとは思うのですがこういう話題ってあまり耳にしないです。でも、読んでいて「開同」(この字は変換できないのですね)というのは一体どういう存在なのかが気になりました。自分の知らないことが多いとよく分かりました。
     これからもこのホームページで勉強させてもらいたいと思います。よろしくお願いします。

  3. 鳥取ループ on

    コメントありがとうございます。
    私自身が持っている大きな疑問は
    「鳥取県には本当に深刻な人権問題が存在するのか?」
    「人権問題があるとすれば、それは行政によって作られているものではないか?」
    ということです。
    私の子供時代は、同和地区の友達とも普通に遊んでいました。親戚か帰化した在日の方と結婚しても、何も問題はありませんでした。村八分のような理不尽な事があっても、それを大人が話し合って解決する姿を見てきました。それゆえに、未だに鳥取に根強い差別があるという言葉を、そう簡単に受け入れることはできません。
    よそで書かれていたものをコピーしただけなので、字が間違っていますが「開同」は正しくは「解同」で、部落解放同盟のことです。
    「八鹿高校事件」で検索すれば、この団体が隣の兵庫県で大規模な暴力事件を起こしていることが分かります。また、現在調べているところですが、鳥取の自治体はこの団体に多額の補助金を出しています。
    私は偉そうにいろいろ書いてはいますが、鳥取で過ごしたのは子供の頃だけなので、実のところあまりオトナの世界の事情は分からないのです。私自身も、いろいろと勉強させていただくつもりでサイトを運営しております。

  4. なめ猫♪ on

    フェミ団体の動向に要注意

    北京JACというフェミ団体のことをご存知の方も多いと思います。北京JACホームページ版差別国際運動:北京JAC全国シンポ分科会へのお誘い昨日某市の女性センターで北京JAC