去年鳥取県の小学校で立場宣言(部落民宣言)が行われる

鳥取県の議会の議事録を見ていたところ、去年9月に共産党の錦織陽子議員からこんな質問がされていました。

ことし2月、旧同和地区を有する小学校の6年生の人権同和教育の過程で、児童に校区内の旧同和地区名を知らせ、該当する児童に旧同和地区出身者であることを発表させました。この児童Aさんが中学に入学した7月には、部落差別の人権学習で、地区住民から体験談を聞いた感想を各クラス代表1名が発表する学年集会を持ち、AさんのクラスだけはAさんを含めて2人発表しました。Aさんは、旧同和地区の出身であることを話しましたが、このとき泣きました。そして当日、学級代表者の発表の後、生徒全員にその場で感想を述べさせ、当日どうしても感想を述べなかった3人の生徒がおり、翌朝、改めて学年集会を持ち、3人の生徒に感想を述べさせました。教育現場で、しかも人権の学習をする中で、生徒たちの発達過程も無視するようなことが行われています。私は人権侵害だと思いますが、教育長の見解を伺います。

それに対して横濱純一教育長がこう答えています。

そのような学習の中で、例えばいじめにかかわった経験だとか、あるいは外国出身のお母さん、お父さんがいるということとか、あるいは障害のある兄弟姉妹がいるということとか、そうしたことをより学習内容の充実につなげるため、児童生徒が自分自身と人権の問題にかかわるという面で意見発表する場面もございます。今の議員のお話で、学校の事例がございましたけれども、私どもの把握では、そのような事実は確認しておりません。生徒は、自分のことを発表できてよかった、あるいは友達が頑張れと言ってくれるのでうれしいというようなことを言っているというふうに聞いております。
このような取り組みでは、発表する児童生徒は自分の思いや願いを伝えていき、また、聞く側の児童生徒も発表の内容をしっかり受けとめて、自分自身の問題として振り返っていくことで、人権学習を深めていくというぐあいになっております。生徒が発表ができてよかったというふうに肯定的に話しているというのは、恐らく自分自身も思いを伝えることができましたし、周りの生徒もしっかり思いを受けとめてくれて、ともに差別をなくしていこうという思いを共有できたということを実感できたからではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、人権学習に取り組む際には当然発達段階のことも考えなければいけませんし、本人及び保護者の理解が大切でありますし、そうした方々の協力をいただきながら推進していきたいというふうに考えております。

要は立場宣言をやっているということのようです。

具体的な小学校は述べられていませんが、米子でやっていたということなので、この地図を調べれば、こういった見世物をする小学校はどれなのか、おのずと絞られるのではないかと思います。

鳥取県だけでなく、全国で行われていた、あるいはまだ行われている立場宣言は、昭和50年代の「狭山闘争」が起源です。狭山事件で石川一雄氏への無期懲役判決への抗議に、同和地区の児童生徒を参加させました。

平日に裁判へ抗議する集会に児童生徒を参加させれば、当然学校を休まないといけないので、「なんであそこの部落の奴らだけ休むんだ?」となります。すると、必然的にあそこは被差別部落だということを説明せざるを得なくなってしまいます。

当時は「寝た子を起こすな論」が強かったこと、さらにそれ以前の問題として教育の政治利用であり、とんでもないことだということで各地の教育委員会から反発があったのですが、鳥取県の場合は結局県教委が「黙認」してしまいました。そのため、同和教育については市町村教委の県教委に対する不信感が未だに尾を引きずっている、そんな話を聞いております。

今までは何とか行政の管理下にあった同和教育が暴走して、公然と運動団体の「解放理論」が教えられる、指導書からは政治的中立という文言もなくなってしまう、そんな節目となった出来事でした。

コメント

コメント(11)

  1. t on

    「自分は部落民です」ということを公にすることに何の目的があるのかよく分かりませんよね?部落民のアイデンティティから?部落民であることを皆に隠していることがつらくてつらくて,みんなに言いたいのでしょうか?言われた方もだから何?何それ?って感じだと思うんですよね。
    在日の人が,民族としての誇りを失いたくないと言って,実名を公表する場面や性的マイノリティの人が私はゲイですなんて言うのは,偽りの自分を演じるのは嫌だ,みんなにホントの自分のことを分かってほしい!いう心理から,「宣言」するのは分かります。でも部落民の立場宣言がこれに当てはまるのか私には理解できませんね~
    なんか勝手に自分たちでお涙ちょうだい的に盛り上がってるだけなんじゃ?とさえ思えてきます。

    • tottoriloop on

      脅しみたいなものでしょうね。こんなことするのなら、学校の教師もこの子には特別配慮せざるを得ません。

      そして、行政から特別扱いされる人間を育てていく。そういう結果になっている気がします。

  2. yonago on

    部落民宣言とは驚きました。
    わざわざ差別を作り上げてまで特別扱いをさせたいのでしょうか?
    よくわかりません。
    米子とのことでどこの学校か気になったのですが
    「この地図」に米子市中央隣保館が表示されていないのは意図的でしょうか?

    • tottoriloop on

      たぶん…ですが、中央隣保館のある富士見町は同和地区ではないと思います

  3. yonago on

    返信ありがとうございます。
    要するに意図的に外されたわけですね?

    • tottoriloop on

      ごめんなさい、富士見町2丁目は都市部落だと「鳥取藩における被差別部落の歴史」に書いてありました。

      • yonago on

        遅レスで申し訳ありません。

        都市部落ですか、
        なんともアレですが
        同和対策事業や人権政策などが
        結果的に過去の差別事例だけでなく
        当該地区を示し、後世に伝え続けているということになりますね。

  4. 滋賀県同和地区情報公開裁判第5回口頭弁論 - 鳥取ループ on

    […] ば「身元調査お断り」だけが啓発ではありません。学校で「立場宣言」をやって「部落民としての自覚を持ち、それを誇れる社会を作る」という啓発のやり方もあるかも知れません。であ […]

  5. ドンゾコ on

    僻地の小学校に通学していた自分の場合は、地区出身者が少数すぎるからか、「石川さんを返せ~」をやる日は全校生徒約120人、全員が黄色いゼッケンをつけて集団登校した覚えがありますw
    あの頃の故郷は地区内外関係なく電柱の捨て看板で荊冠旗を描いた「部落解放基本法を制定しよう」「狭山差別裁判糾弾」という文言が立ち並んでました。
    自分は奈良県民ですが、公立高校では一部で部落民宣言が行われていたという話を聞きます。大阪の私立高に進学した自分は実際の現場に居合わせておらず、実態はどのようなものか知りませんが、昨日まで普通の友達付き合いをしていた奴がいきなり部落民であると宣言することで、自ら壁を作っているようにしか思えず、結局のところ差別(利権)存置のためにやっているようにしか思えないです。

  6. 米子人 on

    富士見以外の米子の学校でしたが、県下でも非常に同和地区が多い学校の出身ですが、小中と普通にありました。その後片親や在日の所謂差別されるであろう、人たちの発表がありました。自分は片親なので、非常に屈辱感を覚えた記憶がありました。

  7. 鳥取ループ on

    ドンゾコさん、米子人さん

    コメント有難うざいます。
    なぜ立場宣言が行われたのかということが多くの人が気になるところだと思いますが、近いうちにこれは徹底調査して特集しようと思います。