滋賀県情報公開審査会により同和地区地域総合センター要覧等の非公開は妥当という判断が出ました

同和対策地域総合センター要覧等の文書が非公開になったことについて異議申立てした件ですが、答申では非公開の判断は妥当とされました。答申の内容は以下から見ることが出来ます。
滋賀県情報公開審査会答申第45号
条例により非公開とする以上は、事実上公然となっている地域が差別対象であると認定しなければならず、差別の方法を示すことになると再三警告したつもりですが、受け入れられなかったようです。
この答申により認定されたことは、例えば次の事柄です。

同和対策事業特別措置法の制定趣旨などから、従来同和問題が存在することは明らかであり、現在でも差別事件が発生していることや、差別意識の解消が十分に進んでいない状況であることは、実施機関の示す県民意識調査などから認めることができる。
このような状況において、「地区名」が公にされると、その地区の住民や出身者が差別を受け、当該個人の権利利益を害するおそれがあると認められる。

同和対策地域総合センターは同和問題解決のための各種対策を総合的に推進する地域の拠点としての沿革をもつことから、当該施設の所在地が同和地区であると推定され、その地区の住民や出身者が差別を受け、当該個人の権利利益を害するおそれがあると認められる。

「利用対象地域名等」が公にされると、その情報から同和地区が特定ないし推定され、その地区の住民や出身者が差別を受け、当該個人の権利利益を害するおそれがあると認められる。
また、このような請求に対し、「利用対象地域名等」が公にされると、同和地区よりも広い利用対象地域名であっても、それを同和地区名と関連づけられるおそれがあり、ひいては利用対象地域の住民の権利利益を害するおそれがあることも否定できない。

情報公開条例により個人情報として非公開にされるということは、漠然と差別があるということではなくて、具体的に関係者が不利益を受けるということ判断されたということになります。つまり、滋賀県情報公開審査会によれば、同和地区に住んでいたり、過去に住んだ経歴があると、差別対象となり、不利益を受ける可能性があるということです。例えば、同和地区の土地に対して低い判断をする場合に、今回の答申書は非常に説得力のある根拠になるかも知れません。
滋賀県内の全ての同和地区の詳細について、ほぼ調査を終えたので、本当に滋賀県情報公開審査会が認定したような事態が起こるのかどうか試すためにも、近日掲載する予定です。

コメント

コメント(1)

  1. 草津市の地域総合センター - 鳥取ループ on

    […] これが公開されていなかったのは、「インターネットによる相次ぐ差別書き込みが横行するなか、同和地区及び地区住民に対する差別書き込みを回避するため、また、ホームページへの掲載の方法によっては、逆に差別を助長拡散することにつながることも懸念し、掲載していませんでした。」ということだそうです。確かに、滋賀県や滋賀県教育委員会によれば、地域総合センターを公開すると同和地区の場所が推定されて住民が差別されたり、周囲は困難を抱える児童生徒が多い地域ということにはなっていますが、結果的に公開されているということは、全ての市町が常にそう考えているわけではないということだと思います。 […]