東近江市長と部落解放同盟の政策協定

先月の市議会で東近江市の西澤久夫市長と部落解放同盟の政策協定のことが話題になっていたようです。その政策協定合意書が私の手元にありますので、ご紹介します。
同盟員各位
東近江市長選挙における政策協定合意書
今年の2月に東近江市長選挙があって、現在の市長が当選したわけですが、これはその選挙に関して締結された政策協定合意書です。協定は、部落解放同盟東近江市協議会の青木博議長との間で締結されたもので、内容は、要は同和対策や同和教育を推進し、そのために各自治体の人権政策関係の部署や部落解放同盟と連携するというものです。ここまではよくありそうな政策協定書なのですが、最後にこう書かれています。

2007年8月に発生した東近江市民の電話による愛荘町役場への同和地区問い合わせ事件は明確な「差別事象」と位置づけ、県行政、愛荘町役場、運動団体、と足並みをそろえ早期問題解決に取り組み、市行政主導による学習会、勉強会を実施しながらあらゆる差別事象根絶にむけ努力するものとする。

同和地区問い合わせは差別ではないとしていた東近江市ですが、最近は差別事件であるという前提で職員にマニュアルを配布したり隣保館や集会所の設置条例で黒塗りで公開するという状態になっているのは、この影響が大きいと考えられます。


これを見て思ったことですが、何年か前から選挙の度に話題になる「マニフェスト」というのは悪影響が大きいですね。選挙と言うのは代議員なり代表者を選ぶためにあるもので、個別の具体的な政策を決定するためのものではありません(もしそうなら、選挙が住民投票や政策アンケートと同じことになってしまい、一昔前なら「アンケート政治」と言って批判されました)。
例えば、選挙の争点は同和対策だけではないので、西澤氏に投票する人が、その人の提示した公約なりマニフェストの全てにもろ手を挙げて賛成しているなんてことは、あり得ないわけです(そもそも、こんな協定の存在は選挙前は一部の人しか知らなかったでしょうか)。また、選挙が終われば当選した人は、投票しなかった人を含めて全ての人の代表者ということになるので、広い視点で利害関係を調整しなければいけません。でないと、今回みたいに一部の利害関係を代表する人が判を押しただけの協定が、金科玉条のごとく扱われて、多くの人の生活を左右することになってしまいます。
なので、「公約破り」が行われるのはある意味健全なことなのかも知れません。求められるのは、なぜ公約を破ったのかということを説明することだけです。

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