オイレスECO株式会社の「従業員差別発言事件」

また滋賀県の話ですが、解放新聞に問われる企業の社会的責任 興味本位に繰り返し発言 業務中の差別で報告学習会という記事がありました。インターネット版では社名が伏せられていますが、滋賀版の解放新聞によれば記事中のA株式会社というのはオイレスECO株式会社のことです。

06年11月からA株式会社内で発生。同社の従業員B(栗東市十里在住)、C(栗東市内在住)、D(同)の3人が通常グループを作り業務にあたっている。
 その業務のなかで、CはBやDとのコミュニケーションをはかるつもりで「二戸一があるところは同和地区」「同和地区は家賃が安い」「栗東にも部落があるのか」などの発言を、インターネットから得た不正確な情報をもとに興味本位にBやDにくり返し発言し、部落にたいする差別意識や偏見を助長した。
  Cが発言を繰り返すなかで、十里在住のBは部落にたいする差別意識に憤りを感じるとともに、自身が住んでいる地域のことを知っての発言かと、強く不安を抱くようになった。
  BはCの発言をうけて十里に所在する隣保館「ひだまりの家」に相談する。しかし、ひだまりの家はその内容を十里支部や栗東市役所内の関係部署に報告せず、そのまま放置していた。
  07年2月、Cの発言から3か月悩んだ末にBがその旨を会社の上司に報告し、会社が栗東市役所に相談をしたことから事件が発覚したもの。

「インターネットから得た不正確な情報」とありますが、インターネットの情報は案外正確です。インターネットで検索すると、実際に十里は同和対策として行われた小規模住宅地区改良事業により改良住宅が立ち並んでおり、改良住宅は家賃の減免制度があります。地区の過去と現在はこちらのサイトで紹介されていますし、航空写真でも確認できますね。


ここまで大っぴらに同和対策をやってきたのなら、話題にすることの何が問題なのかよく分かりません。
正直、十里支部やオイレスECOがこういうことをやっていると、「十里は住環境のとてもよいところだけど、話題にするだけでいちゃもんをつけてくる連中がいる。」という印象を持たれるだけのような気がします。とにかく同和対策については解放同盟の手の届かないところで話題にしてもらっては困る、詳しいことを知られてしまっては都合が悪い、ということなのでしょうか。
ところで、「同和地区」と「被差別部落」の関係について近頃疑いを持つことがあります。うがった見方かも知れませんが、国や県から補助金を得て事業をする対象としての「同和地区」と、いわゆる「えた・ひにん」身分とのつながりを持つ「被差別部落」は一致しないにも関わらず、「同和地区=被差別部落」という既成事実を世の中に定着させ、「触れてはならないもの」との印象を持たせることで、同和対策事業にまつわる「後ろ暗い」部分を隠したい人々がいるのではないかと邪推してしまいます。
栗東市十里で同和対策事業が行われたことは分かりましたが、それが歴史的な意味での部落差別とどう結びつくのかはインターネット上の情報だけでは分かりません。

コメント

コメント(3)

  1. ラストサムライ on

    [太字]ほんと差別事件は、滋賀がおもしろいね。[/太字]解同の勇ましい言葉が紙上を踊るけれど、一体何が差別なのかさっぱり伝わってこない。「ある地域が同和地区であるかどうか」「栗東にも部落があるのか」を知ることは、「部落差別」とは言えない。そこが「同和地区」と特定されることによって、事業も運動も進められてきたんですからね。解同は、明らかに「ダブルハンド」を使っている。行政には指定を要求し、市民には隠す。かくして「同和地区」なるものは「ありそで、なさそで、ウッフン」の存在にされる。「ダブルハンド」から脱却してこその部落解放運動なのに、それがわかっていない。まあわかれと言ってみても、無理だろうな。
    [太字]がんばれ鳥取ループ。応援してます![/太字]

  2. 鳥取県民 on

    確かに「同和地区」指定で厳しい生活実態の改善を追求してきたわけですが、同時に「啓発」によって偏見や差別の解消をめざしてきたのが「部落解放運動」だろうと思います。前者は指定が必要ですが、後者は必ずしも必要ではなく、啓発の進展によってむしろいつまでもこだわっていることが偏見だということになる。この矛盾が統一され、県民みんなが納得すればいいのになあ、と思います。その一つが、生活が厳しい立場にあるあらゆる人々に対するさまざまな行政的手立て。「同和地区」を指定し、行ってきたさまざまな手立てのノウハウを生かしながら、今本当に苦しんでいる産業や地域・人々へ厚い手立てを行う。直接的な財政的支援については同和地区であっても厳格にし、所得に応じてるなど。すでに実施されているとは思いますが、そのあたりをPRすれば、一方的な批判に終わらないと思うのですが、どうでしょう・・・。さまざまな減免措置や特別対策を、偏見が増長されると警戒して秘密裏に処理してきたことが、一つの原因のような気がします。情報公開が一番だと思います。血税の使途は県民誰もが納得したいのですから。

  3. 鳥取ループ on

    コメントありがとうございます。
    私は同和地区は最初から不要であったのではと思い始めています。不良住宅が立ち並んでいたり、防災上危険があれば住宅地区改良法を適用して、国の補助を受けられたはずです。住宅地区改良法は事業計画の告示や公開を定めているので公正に行われます。
    では、なぜ同和地区指定する必要があるのかと言えば、所得や生活実態とは無関係に「部落民だから」というだけの理由で優遇措置を講じようという意図があったとしか考えられません。例えば「栗東市改良住宅家賃の減免及び徴収猶予に関する要綱」には所得や生活実態によらず市長の裁量で家賃の減免を適用できることが定められています。他の自治体の公共住宅の規則も調べてみましたが、減免が認められるのは原則として低所得者や災害時だけで、栗東市の例は特殊だということになります。
    そしてもう1つ、記事でも触れていますが、本当に同和地区は被差別部落だったのでしょうか。啓発等でまるで日本全国が被差別部落を差別してきたかのように教えられますが、実際はいわゆる「貧乏な村」を周囲の村が見下すといった局所的な差別だったのではないでしょうか。同和教育や人権啓発はおよそ事実とはかけはなれたプロパガンダではないかと疑っています。