続・鳥取市は「解放同盟」市か?

前回の鳥取市人権推進課へのインタビューの続きです。
Q. 鳥取では、いわゆる同和関係者に対する融資制度が存在しますね?
A. まだ就職支度金といった制度は生きているようです。
Q. 鳥取市住宅新築資金等貸付条例については?
A. 現在は償還分だけになっています。それが終わらない限りは条例をどうこうするわけにはいきません。
Q. 研修で元号は天皇制を認めるから使わないといった指導がされているようだが。
A. 行政側は元号を使っているので、行政が直接行う研修ではそれが生きてくると思う。任意団体では、西暦について指導があるようだが、天皇制を認めるから、といったことについては把握していません。
Q. 鳥取市の研修に部落解放同盟の方は関わっているのか?
A. 運営に関わっているということは、実態的にはあると思います。
Q. 部落解放同盟は綱領で天皇制を否定しているが。
A. そこが直接主催してということであればそうなのかも知れません。ただ、どこかの任意団体に運営役員として入っているという場合は任意団体そのものの考えの範囲でやるので、部落解放同盟がこうだから、その任意団体もそうだというのは違うと思います。
Q. 冊子の最後に「いつごろ差別はなくなるの?それは、あたなに聞きたい…。」と書いてあるが、あなたとは鳥取市民のことか?
A. 市民対象の冊子なので、そういう意味では市民と言うことになるんでしょうが、個人個人の意識が変わることによって差別がなくなるんですよ、という意味合いを込めたものです。
Q. 行政側として解決のスケジュールは出しているのか?
A. 同和対策総合計画に基づく実施計画等というのは当然定めており、それはそれで一定の効果をあげてはいるが、実際に差別事象というのは起こっているわけですよ。それが起こっている限りはなくなっていないわけですよね。本当はすぐに差別をなくしたいんですが、なくなっていないので継続している。
Q. いつになったら、差別がなくなると判断するのか、見通しはあるのか?
A. 見通しは立っていないと思いますね。
Q. 冊子の12ページに学歴主義や能力主義や戸籍制度が部落差別を生み出す背景だといった意味合いのことが書かれているが、差別の解消と言うのはそれらをなくすことなのか?
A. (15秒ほど沈黙)…
Q. これらがあっても部落差別はなくなるということなのか、これらをなくさないと部落差別もなくならないということなのか?
A. 戸籍制度と書いてありますか?
Q. 戸籍制度や「家」を単位とする諸制度と書いてあります。
A. (30秒沈黙)…戸籍制度を否定するのではないんで…(30秒沈黙)…身元調査やそういったものに関連して戸籍を取ることが容易であったことがあるわけですね。…スペースの関係で誤解を与える表現になってしまったかも…
Q. 学歴主義や能力主義をなくす、というのも不可能だと思いますが?
A. 弱者を排除するような、ということで考えていただきたいです。
Q. こういった内容について、行政内で異論がでるようなことはないのか?
A. 今のところ、異論や抗議を受け付けたということはないです。一応冊子を作る過程では検討委員会を作り、専門研究者などの外部の意見を取り入れて作っています。
Q. 鳥取の役所というのは、部落問題や人権問題について自由に意見できる雰囲気はあるのか?
A. 市も職員研修をやっておりまして、その中でグループ討議をしており、「実は私は以前は差別的な考えもあったんだけども、研修を受けるうちにこうやって変わってきたんだ」といった意見が聞かれたりします。それは自由に、討議をできるような環境にはあると思います。
Q. 否定的な意見は出せる雰囲気なのか?
A. 冊子などを他の課に配ったとき、ここはどうなんだ、といった意見が入ってくることもあるので、そういった指摘を自由にできる雰囲気にはあると思う。


ちょっと田中康夫ばりの質問をしてみましたが、反応は予想通りでした。「学歴主義や能力主義や戸籍制度が部落差別を生み出す背景」と書かれていることについても、しどろもどろになるだけで、まともな回答は得られませんでした。
「自由に意見できる雰囲気はあるのか?」という質問で、グループ討議を出しています。おそらく、私の予想が正しければ、グループ討議というのは、とても自由に意見できるものではないでしょう。私の中学の頃の同和教育のグループ討議というのは、教師の指導に対して否定的な意見を言えば、周囲の冷たい視線を浴びながら、延々と説得されるといったものです。
先日は鳥取市解放大学についてコメントをいただきました。「リーダー養成講座」というちょっと怪しげな名前の講座です。これもおいおい調べてみようと思います。

コメント

コメント(4)

  1. 県民A on

    「学歴主義や能力主義をなくす」とか
    プロ市民の寝言を学校で教えて、
    小学生がなんとも思わんと思ってんのかね?
    俺らは小学生のころから、鼻でせせら笑って、
    裏で嘲笑のつばを吐きかけてたけどな。

  2. 鳥取ループ on

    不思議なのは、子供でもおかしいと思うような論理をいい大人が平気で語れるところだな。同和教育がらみだと、教師が判を押したように同じ事を言うので、気持ち悪かった。
    鳥取の公務員連中は研修漬けで完全に洗脳されているのか。それともプライドをかなぐり捨てて特定団体の犬に成り下がったか。
    人はそれぞれ違う、人間を尊重しましょうと言いながら、1つの思想を強制することが矛盾している、ということは子供でも分かると思うけどな~

  3. 奇妙だ on

    http://www.nnn.co.jp/news/051205/20051205009.html
    舞台発表では、人権学習に取り組む小学生7人が「三年とうげ」と題する劇を披露。ある峠で転んだら3年で死んでしまう-という言い伝えをお年寄りが打ち破る内容で、児童らは最後に「何の根拠もないことに苦しめられるのはたくさん。本当の幸せをみんなで求めていこう」と訴えた。
    言い伝えの奥深さが学習できない。
    根拠がないというのは、一つの意見。
    偏見・差別とは関係ない。
    非合理や不合理とも異なる問題。
    貧しき言語文化環境にするつもりか。
    文化大革命の二の舞だ。

  4. 鳥取ループ on

    コメントどうもです。
    根拠がない迷信が、即差別だとか人権侵害に結びつくとは思えないんですけどね。伝統とか文化、というものは根拠があるかどうかということより、共同体が同じ価値観を持つ、ということに意味があるのですから。
    もちろん、部落差別のような悪い伝統はなくすべきだと思いますが、迷信と呼ばれるものを善悪を考えずに全て排除することが好ましいとは思いませんし、そもそもそんなことは不可能です。
    鳥取市は、こんなのもやってます。
    http://www.city.tottori.tottori.jp/cgi-bin/odb-get.exe/jinken_kouen.pdf?WIT_oid=icityv2::Content::46156&WIT_ctype=application/pdf&WIT_jasminecharset=SHIFTJIS
    語りと音楽による人権講演会、とのことですが、芸術と政治的なものを結びつけるのはなんとも気味が悪いですね。これも市民の税金です。