京都市の同和地区の実名入り資料

高校の同和教育資料

これは1996年に鳥取県東部の高校の同和教育で実際に配られた資料です。
・資料1
1995年11月7日糾弾会で取り上げられた鳥取県内の差別事件

  1. 鳥取砂丘休憩舎トイレ差別落書き事件(1994年5月24日発覚)
    同(1995年4月12日発覚)
  2. 米子市公園協会・社会福祉事業団の職員採用選考違反事象
  3. 「鳥取市長選挙に係る」市民差別発言事件
  4. 米子市民による差別身元調査発言事件
  5. 用瀬町農協便所差別落書き事件(6件)
  6. 建設省大谷公衆便所落書き事件
  7. JR鳥取駅トイレ差別落書き事件
  8. 岩戸海水浴場公衆便所差別落書き事件(1993年7月16日発覚)
    同(1993年10月30日発覚)
  9. 米子市立M中学校暴行誤認事件
  10. 鳥取市立H小学校教頭・K中学校教頭問題発言事象

(ここに米子市民による身元調査差別事件の糾弾に関する解放新聞のコピーがあります)
・資料2
(各種統計資料です。*があるのは、京都市に実在する同和地区の地名が書かれているもの)

  • (奈良県内の)長欠・不就学の子供たち(1951年実施)
  • *(京都市の被差別部落の)戸数および人口密度(年代不明)
  • 義務教育の不就学率(京都市/年代不明)
  • *生活保護率(京都市/年代不明)
  • *水道普及率(京都市/1935年,1951年)
  • *上水道1栓当り利用世帯数(京都市/年代不明)
  • 1世帯当たり電灯数比較(京都市/年代不明)
  • ガス使用の普及率比較(京都市/年代不明)
    ・資料3
    「オール・ロマンス」事件
    (前略)ことの重大さにはじめて気づいた市長と日をあらためて、話し合いがじっくりとおもなわれました。
    「教育長にうかがいます。長欠・不就学の児童が多くて、教育行政の上で困っておられるところはどこですか。」
    「消防庁にうかがいます。大変道が狭くて、火事が起きると消防車が入っていけないところ、消火栓がなくて困っておられるところ、そういう住宅の建て込んでいて、大火事の心配のあるところはどこですか」
    「衛生局長にうかがいます。生活保護の受給家庭の率が、とびぬけて高い地区をはっきり示してください」
    交渉の席には、京都市の地図がひろげられていたといいます。市長をたすける各理事者や局長が、つぎつぎに質問攻めにあい、答弁をしてゆきます。
    土木、建設、水道、住宅…。
    「今の答えに出た地区、町内、学区に赤や青や黄色のエンピツで○じるしをつけてゆくと、みんな重なります。ここが、私達の住んでいる部落です。市長は、S(小説の作者)が悪い、とS個人のせいにされたが、京都市の行政の中で集中的に差別の実態があって、その差別が放置されている。なんの手も打たれていない。これが、差別行政ではありませんか。差別を放置し差別の現実を肯定するのでなく、市行政の責任で行政の停滞を打ち破り、部落差別をなくする取り組みをすべきではありませんか(後略)


    さて、資料1の糾弾会の議題のほとんどが便所の落書き、というのは情けないところです。いったい誰を糾弾したんでしょうか。他の「事件」「事象」というのも、実際何があったのかちょっと興味がありますね。
    「オール・ロマンス」事件の部分の(前略)(後略)は原文のママです。知らない方はさっぱり分からないかも知れませんが、鳥取県の特に東部の小中学校出身の方は分かると思います。そのため、高校では分かっているという前提で授業を進めるため、このような資料になります。
    「オール・ロマンス」事件は、1951年に同名の雑誌に掲載された「特殊部落」という名前の小説を解放同盟の全身である部落解放委員会が問題にし、糾弾したものです。「特殊部落」というのは、当時の同和地区の呼び方です(古い辞書には、実際に特殊部落の項目があったりします)。この小説は京都市の同和地区(在日朝鮮人部落という説もあるよいうです。この辺りはもう少し調べてみようと思います。)を興味本位にえがいたものでした。しかし、部落解放委員会は小説の作者ではなく、行政へと責任の矛先を向けてゆきます。そして45年後、米子市でも個人の起こした問題を行政へと向けてゆくという同じ手法を使っているということが興味深いですね。
    統計資料はオール・ロマンス事件に関連する当時の状況を示すためのものと思われますが、なぜか京都だけではなく、奈良の状況も入っています。
    京都市の資料は驚くことに同和地区の実名入りです。私の知っている地名や、実際に行ったことのある地名もあるので、不謹慎ですが「へ~あそこって同和地区だったんだ」と無意味に関心してしまうような代物です。繰り返しますが、これは実際に鳥取県の高校の授業で配られたものです。
    1996年の鳥取で、1951年の京都や奈良の差別の実態を、同和地区の実名入りの統計資料を交えて高校生に説明することが、本当に差別を解消するための教育なのか、理解しがたいところです。

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