各種申請用紙から性別や元号が省かれた件について

以前ご紹介した人権に配慮した申請書類等にするための関係規則の整備に関する規則についての続報である。
これに関して人権局、人権推進課に問い合わせてみた。以下がやりとりの概要である。
Q. 性別の記入を省略したのはなぜか?
A. 突き詰めて行けば、そういった情報の記入は必要ないので、必要のない個人の情報は取らないという観点からそうなった。
Q. 性同一性障害の方への配慮を求める陳情が2003年に相次いでされているが、そのことと関連性はあるのか?
A. 鳥取県の全市にそのような陳情があったことは知っている。ただ、そのことと直接関連性があるわけではない。
Q. 住民票や戸籍抄本の提出を省略するのも同様の理由か?
A. はい。なるべく必要のない情報は取らないという方針でこのような改正を行った。
A. 個人情報保護法との関連はあるのか?
A. それはある。ただ、理由はあくまでなるべく必要のない情報は取らないということだ。
Q. 明治、大正、昭和といった元号が削除されているのはなぜか?
A. これは日本の元号に馴染みのない外国人に配慮した。
Q. 元号を書くのは天皇制を認めるから、という理由ではないのか?
A. そういった取り方をする人もいると思う。
Q. イスラム暦や台湾の元号で書いてもよいのか?
A. (笑いながら)それは想定していない。ただ、さすがにそれは困るので、日本の元号か西暦で書くことをお願いすると思う。経緯としては、鳥取県ではもともと元号を使うような書類が少なかったことがある。それで、今回統一することにした。
Q. 単なる事務手続き上の話ではなく、「人権に配慮した」とあるのはなぜか。
A.本人の意思に反して元号を書くことを強いるのは人権上の問題であるから。
Q. 平成17年の公報137号の内容は、事務レベルで決められたことなのか、それとも外部団体との協議があったのか?
A. 人権推進課が提案を上げるという形で、県庁内の各部署と協議した。事務レベルの話で、どこかと協議したといったことはない。
人権推進課は突き詰めれば必要ないと答えているが、私が以前にも指摘した通り、こういった書類に性別を書くのは合理性がある。なぜなら、性別というのは、個人を識別するのに重要な情報の1つだからだ。また、今回含まれている福祉センターのような施設では、女性には女性が応対する、といった配慮の上でも必要な情報だろう。
そして、もう1つ不可解なのは元号の問題。確かに元号で書くのはわずらわしいという人もいるので、事務手続き上それを省くのは合理性がある。しかし、なぜそれが「人権に配慮する」事と関係があるのか。「元号に不慣れな外国人」が「日本語の書類」を自分で書くことが鳥取県でいったいどれだけあることなのか。
これは鳥取県の役人が事務レベルで進めたことなので、議会が決めたとか、県民の意思であるといった言い訳は通用しない。外部の団体の影響は立場上否定するのであろうが、鳥取県が特定の偏った考えを持つ団体の影響を大きく受け、そこから派遣された講師によって職員の研修が行われていることは秘密でもなんでもないことである
県庁自体が人権研修漬けの状態であり、人権と言えば、どんな不合理なことでもまかり通ってしまう雰囲気が蔓延しているのではないか。そう疑わざるをえない。

コメント

コメント(2)

  1. ぱっとんな日々 on

    山陰での署名活動

    「人権条例いらない」 "有志の会"米子で訴え(日本海新聞) 十月に県議会で可決された県人権侵害救済条例に反対して、県内外から集まった有志が十三日、米子市内で街宣活動を行い、演説や署名集めなどで条例廃止を訴えた。十二月中旬ごろまで、県内全域を回って

  2. 戯言と音楽 on

    日本で最もナウでトレンディなところ=鳥取、と人権

    鳥取で人権侵害救済条例が来年から施工されるらしい。鳥取は日本で最初に真剣に人権というものを考える県になった。素晴らしいです。これほんとに素晴らしい条例で、人権侵害だと疑われた側はそれに関連する捜査を原則拒否できないのです。もし正当な理由無く拒否する場合は