人権意識調査について聞いてみました

ということで、この調査の中身について鳥取県人権局に聞いてみました。
Q. この調査票を作ったのはどなたですか。
A. 県です。
Q. (問4-①の公的機関への相談希望の有無について)選択肢の中に「自分で解決したい」という項目がないですよね。
A. B(2番目の選択肢)の前段がそうなると思いますけども。あるいは、C(3番目の選択肢)もですね。
Q. 「ふらっと」などには相談を希望する方が64.1%となっていますが、この中には自分で解決したいという人が含まれていますね。
A. はい、この53.2%(2番目の選択肢を選んだ人)も含まれています。
Q. それでは、相談を希望する、というのは正確ではないのでは。
A. こちらとしては、県に相談したいということでAとBを取ったということです。そういった希望が潜在的にあるということです。
Q. 自分で解決したいという人は2を選ぶしかないのでは。
A. そこは調査票には出てこないか、あるいはC(3番目の選択肢)に出てくるものと思います。
Q. それでは64.1%というのは、とても信頼できる数字とは思えないのですが
A. 私どもは相談・支援を受けたいという潜在的需要があるものと取っています。
Q. なぜ、自分で解決するという選択肢がないのか。
A. 積極的に自分や家族だけで解決するという選択肢を入れることもあり得たけども、公的機関に相談希望があるかどうかということをお聞きしたかったので、こういった設問になっている。
Q. であれば、選択肢の2は必要ないと思いますが。何か誘導しようという意図があったのか。
A. それはないと思います。あくまで公的機関に相談希望があるかどうかということですので。公的機関への相談希望が非常に強くある方が10.9%、その後に自分で解決したいけども支援を受けたいという人が53.2%であろう、ということです。
Q. 鳥取県内において社会の仕組みとしてアイヌに対する差別があると答える人が10%もいるので驚いています。県内にあるアイヌを差別する社会のしくみとは何のことなのでしょうか。
A. おそらく偏見として意識の面でとらえられていたことが、社会の面でも出てきたのではないかと思います。具体的にどういったことかということは不明な点があります。
Q. 10人に一人と言うのは大きな数字ですが、人権局では具体的な内容は把握していないのですか。
A. この内容については意識の面が社会の面で出たのかなぁと…
Q. そもそも、鳥取にアイヌの人が何人いるのでしょうか?
A. それは把握しておりません。


1割近い人がアイヌに対する差別があると答えながら、実態としての差別が何なのか、人権局でさえ分かりません。
鳥取県人は、実態のない差別を存在すると思い込んでいるだけではないのか、そして行政側は差別があると思うことと、差別が現実として存在するということを混同しているのではないか。私が常々感じでいる疑問です。

コメント

コメント(3)

  1. 今日も机に・・・ on

    行政担当者にもよるでしょうが、あまりに曖昧な答弁、なさけないかぎりですね。つまり鳥取県の誇れる人権条例は、その担当者にとって単なる文書であって、現実は浮かび上がってこないのでしょう。残念なことです。歴史的背景さえ、学んでいなのかもしれません。意識だけですまそうとしている答弁にそれを感じます。でも私は10%の数字はそうだろうと思いますよ。ループさんと反対で、アイヌ問題はその程度の認知だろうという実感です。

  2. 鳥取ループ on

    コメントありがとうございます。
    意識の問題はともかくとして、「社会の仕組みとして」というのが気になります。鳥取におけるアイヌを差別する社会の仕組みとは具体的に何なのでしょうか?

  3. 今日も机に・・・ on

    あくまでも憶測に過ぎませんが、10%というのは、日本にはアイヌ問題というのがあるぞと感じている県民のパーセンテージに過ぎないと思います。その中にとても詳しく研究している人がいて、「社会の仕組み」と関連づけながら語れるのだろうと思います。残念ながらぼくも「ある」とこたえるでしょうが、実態として今なおアイヌ出身者の地元での就職が厳しくて、出稼ぎが極端に多く、鳥取県内にも期間労働者としておられる、という程度の知識です。「旧土人保護法」などという差別的でごまかしの多い法律が最近まで生きていたということも聞いています。これが「社会の仕組み」の一つかもしれませんが、鳥取県内と言うことになるとちょっと・・・。もう一度勉強してみます。